見出し画像

【今月の映画(2021年9月)】アレックス

読書以外の僕の趣味の記事です。日曜更新。
毎月オススメの○○をご紹介していきます。

第1日曜 映画
第3日曜 ウイスキー

あらすじ

ある男を探してゲイクラブへ押し入る2人組。彼らは男を見つけ出すと凄惨な暴力を加える。発端はあるパーティの夜。マルキュスは会場に残り婚約者アレックスを一人で帰してしまう。その直後、アレックスはレイプに遭い、激しい暴行を受けてしまうのだった。自責の念に駆られるマルキュス。彼は友人でアレックスの元恋人のピエールとともに犯人探しを開始する。やがて、女装ゲイ、ヌネスを探し出した2人は、ヌネスからついにテニアという男の名を聞き出すのだった…。

allcinema ONLINE


ギャスパー・ノエ、という一部映画ファンの中では有名な、奇抜な作品ばかり発表している映画監督がいる。
彼を知っている人は、変態監督、なんて呼んでたりする。

さて、僕はギャスパー・ノエ監督の作品はこの「アレックス」の他に「カルネ」「カノン」そして、「エンター・ザ・ボイド」までしか見ておらず「LOVE 3D」以降の最近の作品はまだ観れていない。
ぜひ観たいのだが、家族もいる今、この変態的な監督の作品をゆっくり観れる機会があまり無く、先延ばしになっている。
もし観ることになった時には、親に隠れてアダルトビデオを観るような感覚になるのだろう。いや、大人になった今はもっと危険な状況で観ることになるかもしれない笑"


余談はさておき、この作品、紹介はしたいのだけどオススメはしたくないのだ。
なぜなら、この作品をネット検索してみると、必ず出てくるのが「映画史上最長とも言われるカンヌを震撼させた約9分間のレイプシーン」という言葉作品発表当時は、かなりの賛否両論があったそうだ。
これだけで、かなり観るのを躊躇う人も多いと思う。しかし、この映画のメッセージを伝えるためにはこのシーンは必要だ、と僕は確信を持って言える。

この映画のメッセージは、映画の最初と最後にテロップで表示される「時はすべてを破壊する」というもの。
物語は結末、つまり二人の男が警察に捕まる(のちにこれが復讐した後だとわかるのだが)ところから始まり、そこから時系列を逆転させて進行していく。物語が進むにつれていろんな事実が明かされていき、ひとつ事実を知るたびに胸が痛くなった。そして、行きついた物語のはじめ、つまりラストシーンは鳥肌もの。感動なのか、戸惑いなのか、とにかく鑑賞後の感情の乱れは抑えられなかったのを覚えている(これを観たのは10年以上前)。

そして、その衝撃を知るにはやはりそのシーンは必要だったのだ、と僕は思うのだ。


決して楽しい映画では無いけど、ギャスパー・ノエという強烈な個性を持った映画作家の存在を知る事が出来る刺激的な作品である。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?