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教員免許更新制度の行方 その1

先日の記事の追記です。

公開された議事録を早速読みました。

 朝日新聞のミスリード?だった様です。先日の記事で?を付けていて正解でした。

 文科省の資料の段階では、かなり踏み込んだ制度自体への議論がなされる事を期待していただけに、教員の問題を考える思いは強いのかもしれませんが、それぞれのステークホルダーとしての意見が強調される議論となり、残念な結果となってしまいました。

 全体的には、現在の更新研修の方法については、問題点が多く根本的に改変する必要性がある事では一致していますが、教員免許の更新制度自体は、何らかの形で維持したい方向性に議論が進んでいます。一度出来上がった制度を廃止する事の難しさを感じます。

部会の最後に加治佐部会長は、

 この小委員会、文字どおり名前のとおり、免許更新制の在り方をどうするかを結論を出していかなきゃいけないわけですね。それで、この新しい学び並びの姿というのは、教師の研修受講履歴を記録、管理し、教師と任命権者との対話や研修の奨励が確実に行われるようにするために制度的な措置を講じるとか、あるいは教職員支援機構のオンライン講座の徹底的な活用を図ると言ったようなことです。
こういう仕組みことができるのであれば、教員の資質能力の向上は、この課題が指摘されております。たくさん課題が指摘されていまして、改善意見も、これがこれまでもたくさん出されてきた教員免許更新制ではなくてもできるのではないかというふうに思うわけですね。
ただ、今日、御意見の中で、更新制の存続といいますか、あるいは存続とまでいかなくても、更新制のよさを生かしたような仕組みを維持しつつ、今日の新しいこの学びの姿を生かしていくというふうな御意見もありました。10年スパンとか、あるいは大学側はこの更新講習で様々な取組をしてきていますので、そういうところを生かしていくとかということがあったわけですね。
ということで、やはり私としては、こういった御意見もありますので、教員免許更新制をはっきり言って存続するのか、廃止するのかというところに一定の結論を出す必要があると思います。その上でさらに議論を進める必要があるんじゃないかというふうに思うところです。

と纏めています。(太字は私が入れたものです)文科省の危機感を持った問題提起にも配慮しながら、委員からの更新制度の維持を求める意見を汲み取った、玉虫色の纏めになっています。

 議事録をよく読み込むと、一部の部会員からは更新制度という強制力がもたらす弊害とも言える疑問も呈されていますので、まだ一波乱あるかもしれません。

 次回の部会では、今回の部会での、部会長のそもそも論的な更新制度自体への問いかけとは別の次元で、更新制度存続を前提に議論が進んで行くのではないかと考えられます。しかし、受動的な制度である今の教員免許の更新制度の根幹を維持したままで、複雑さが想定される、能動的な教員の研修制度を構築していくのは、かなり難しい作業になるかと思います。教員免許の更新制度で、かなり改変した方向に結論が出ないと、その他の教員にまつわる問題の議論にも影響が出てきそうです。

 6月28日(月)に第2回の部会がありますので、廃止・存続どちらにしても一定の結論が出ると思います。教員免許制度を始めとした教員にまつわる諸問題が今後どういった展開を迎えるのか、注視していきます。

追記 28日は親部会のみでした。小委員会は別途開かれる様です。

次回は





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