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Nikonの野望(仮)

さっき、TwitterでNikonのカメラリーク画像を見つけた。

Nikon Zs ?

おぉ、これはFUJIFILMのX-Pro3やGFX100Rにそっくり。素直にかっこいいな。

ZfcにZf、最近のNikonはクラシックでおしゃれなカメラを連続で出している。クラシックなカメラがブームとかカメラ女子に人気とかさまざまな理由が各メディアによって挙げられているがそれは半分正しくて半分間違っている。なぜならミラーレス初期にマイクロフォーサーズで業界を牽引するはずだったOLYMPUSもそのブームに乗りヘリテージスタイルのミラーレスを作り一時的には業界トップになるほど売れたがすぐに衰退しカメラオタクのおじさんが考えるほどクラシックカメラブームもカメラ女子ブームも大きくなく市場としては限定的であることが証明されたからだ。

でなぜレンズ交換式ミラーレスが登場して10年ほど経った今にあえて一眼レフ時代にCanonと並ぶ2強であったNikonが決してブルーオーシャンでないクラシックカメラというジャンルに急に力を入れてきたのか。その背景にはNikonのカメラメーカーとして生き残る戦略があると考える。

先述の通りNikonはとても長い一眼レフの時代をCanonと共に支配し続けてきたカメラ業界の2番手である。数々の名作を世に送り続け国内外問わずたくさんのファンがいる世界を代表するカメラメーカーの一つだ。そんなNikonは近年あまり調子が良くない。その理由はこの10年ほどで一気に成長して業界トップのCanonすら脅かすほどの存在となったSONYな存在と主要メーカーであるが故にレンズ交換式ミラーレスへの転換に慎重すぎて遅れをとってしまったことだ。同じ理由でCanonも一時衰退が見られたが業界トップの追い上げはやはり半端なく圧倒的な開発速度と確実な技術で2021年の夏季オリンピック頃から確実に過去の栄光を取り戻しつつある。
Nikonのミラーレスはとても設計上有利である。後発なだけあって様々な想定がされた大型のマウントだ。これによりレンズも柔軟に開発することができて実際に写りも評価が高い。今後Zマウントの公式レンズラインナップは間違いなくに充実していくだろう。しかしNikonはZマウントに他社メーカーを参入させることに消極的で新マウント採用から最近まで他規格に比べて致命的なほどのラインナップの少なさだった。もちろんSIGMAやTAMRONの参入によって解決しつつあるがまだまだ数は少なくSONYのEマウントなどの脅威をまだ消しきれてはいない。

Nikon Zfc

そんなNikonが2021年にZfcを発売した。APS-Cセンサーを採用したクラシックな小型カメラでバリアングル液晶を採用しVlog撮影も可能とした小型マルチロールカメラだ。価格.comの販売台数ランキングで一時3位に入るなど、同社の一眼カメラでは久しぶりのヒットとなった名機だ。そのZfcの良さをそのままフルサイズにしたZfが最近発表されてカメラファンの中で大きな話題となった。

最近のNikonは確実にクラシックカメラでシェアを取ろうとしている。もちろんそこに新規客を掴んだりする狙いがあることも考えられる。しかしそれだけでなく私が考えているのはNikonはもう正攻法のカメラだけでCanonに迫いついたりSONYを勝ち越すことを諦めているということだ。そしてかつての栄光を取り戻すために2018年頃からFUJIFILMの独占状態にあるクラシックカメラ市場を総力をあげて取りにきているということだ。

5年ほど前にフルサイズミラーレスで老舗2大メーカーがSONYに苦戦を強いられてるのを目の当たりにしたFUJIFILMは泥沼のフルサイズミラーレス市場に参入することを諦めた。そこであえてAPS-Cとラージフォーマットでミラーレス時代を切り抜ける選択をしたわけだ。そうしてFUJIFILMはAPS-Cの良さを生かして小型ながら写りがよく自社ノウハウの結晶であるフィルムシュミレーションまでも搭載したクラシックAPS-Cカメラを出し続けた。固定ファンをがっちりと囲い、少しずつ新規客を得ていき海外では特に人気である。
しかしFUJIFILMもカメラ業界の中では大きいメーカーではないため生産体制が貧弱である。そのためしょっちゅう受注停止を発表しすぐに生産終了となる販売メーカーとしてはとても評価できないのが現状でありいまだに改善されていない。しかし主要メーカーは映像やフルサイズに総力を上げていたのでFUJIFILMは競合することなく独自のペースで1カメラメーカーとしてなんとか生き残ってこれた。
しかしそこにNikonが総力を上げて参入するとなると話が違ってくる。ヘリテージカメラ市場はFUJIFILMの時代が終わりFUJIFILMもかつてのOLYMPUSのようになるだろう。そうなるとFUJIFILMはカメラ事業から撤退するかもしれない。それは個人的にかなりまずい。
僕はFUJIFILMが好きだ。そしてNikonも好きだ。だからこそNikonがクラシックカメラ市場に本格参入していることには複雑な気持ちを抱いている。新たに参入したNikonを応援したい反面、FUJIFILMは衰退してほしくない。


仮にNikonがクラシックカメラ市場に本格参入するとして3つ改善すべき点があると思う。それはマウント径が大きすぎてヘリテージデザインに合わないこととヘリテージデザインでバリアングル液晶はダサすぎること、そしてレンズを中心に質感がちょっとだけ甘いことだ。

Nikon FM2
Nikon Zfc
FUJIFILM X-T5

まずマウント径についてまずはZfcのモデルであるFM2を見てほしい。この機種は比較的マウント径の小さいFマウントを採用している。現行のZマウントと正反対だ。正直クラシックなカメラに大口径は似合わない。

バリアングル液晶、液晶による自撮りが可能。
チルド式液晶、静止画向き

そして2つめのバリアングル液晶について。元々僕はこの構造が嫌いだ。ダサいし分厚いしそもそもそんな動画撮らないし。それなら絶対チルド式液晶の方が勝手がいい。少なくともこのデザインには似合わない。

最後の質感についてだけどNikonが悪いってよりFUJIFILMが良すぎる。嗜好品としても強すぎる。そしてスマホのカメラが発達した現在、商業フォトグラファー以外は機材の質感を重視するのではないだろうか。少なくともクラシックでおしゃれなカメラを買おうとしている人は質感を重要視するだろう。

最後に
Zsのリーク画像はかっこいい。こんな時代でもワクワクなカメラを出そうとしてくれているNikonもこれから注視していきたい。


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