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LED関西の舞台の中心で「チョレイ」と叫ぶ!(後編)

ビジネスコンテスト・LED関西の「セミファイナルプレゼン」に挑んだ起業遅延家・西村。ファイナリスト選出~ビジネスプラン発表会へ、喜怒哀楽でたたみかける小話を少し。

ほろ酔い気分で現実逃避のAirラリー

私は稀代の大バカ者でしょうか???

12月12日に催された「セミファイナルプレゼン」。LED関西のファイナリストを決める大舞台の最後に「チョレイ!」と叫んでしまったばっかりに、プレゼンの持ち時間5分を2秒オーバーしてしまった(涙)。

ブラッシュアップ会で「5分以内に収めてください。時間を超えると減点になります」と注意を受け、汗水滴るプレゼンシートを何枚もお蔵入りにし、発表を時間内に終える練習を何度も繰り返し、かまないようにペットボトルをくわえ、口輪筋を鍛えて挑んだ大切な舞台なのに……。

華やかな本番会場には魔物が棲んでいた。「稲村ジェーン」級の波が私をさらって調子に乗せてしまったのだ。タイムオーバーの事実を知った瞬間から私はやさぐれました。喉の調子を整えるために始めた禁酒をその日に解禁し、お札0枚の長財布を握りしめ、一緒に登壇したセミファイナリストたちと打ち上げのビアホールへ。10名ほどでひとつの席を囲みました。

リアルの世界では、メニューを見ながら各国のクラフトビールを吟味し
頭の中では、お金を持っていないことが記憶から薄れ

リアルの世界では、アメリカンサイズのジョッキが運ばれてきたことに皆さんと驚嘆し
頭の中では、お金を持っていないことが再浮上し

リアルの世界では、ひと口飲んで「スッキリとして飲みやすいわ~」とベロ馬鹿なりの感想を述べ
頭の中では、お金を持っていないことが不安になり

リアルの世界では、運ばれてきた一品すべてに箸をつけ
頭の中では、お金を持ってないのに厚かましい自分を殴り

リアルの世界では……Ping
頭の中では……Pong

なんなんだ、この酔いが回る思考のフォア&バックラリーは!!!

「リアルの世界」「頭の中では」がグルグル回ってドロドロに溶け合って最後は見事なバターに。とサンボ的な結末にはならず、トイレに行くふりをしてATMを探し、お金を下ろしました、ホッ。そして、何事もなかったかのように席に戻り、二杯目のクラフトビールをオーダー。

と、トイレ~オーダーの場面だけを切り取ると、なんだかファイナリストっぽいな。酩酊状態にもかかわらず我ながら冷静かつ大人な所業。「お~い、誰かこのスマートな行動に加点をつけてくれませんか」と目の前にいない審査員に叫んだところで時間は戻りませんよ。

卓球レディースに人生最大のチャンスボールが……?!

私はファイナリストが発表される12月20日まで、やさぐれ続けました。そして運命の発表当日、HPには……

【LED関西】ファイナリスト10名決定!
西村友紀子 卓球レディース(大阪府)

ありましたーーー!
ATMの前で叫んだ心の声が審査員の方々に届いたのか? それとも、緊張の舞台で「チョレイ」と叫んだ勇気が減点を上回る加点に繋がったのか?

きっと後者に違いありません。だからこそ言わせてください、「LED関西はインスタ映えする人が受かるビジコン」ではありません(※前編参照)。いや、そこを否定すると泣いちゃいそう。女として悲しくなる。朝令暮改上等。「LED関西はインスタ映えする人が受かるビジコン」です(きっぱり)。私こと西友は、玄武、白虎、青龍、朱雀と四神を召還したセミファイナリストたちと張り合い、“美”の名のもとに選出されたのです!


そんなトータル・ビューティー・アンバサダー、国民的美魔女、新Towako Kimijimaな私が着るビジネスプラン発表会の当日のお衣装は……、LED関西のサポーター企業様が用意してくださったイタリア製のチュニック×パンツ。衣装の試着に訪れた心斎橋のおしゃれなセレクトショップには、色・柄・質感・デザイン、そのすべてがハイブランドの基準を満たした美しく洗練されたドレスがスタンバイされており、その中から選ばせてもらったのです。

フィッティング用にさりげなく置かれているパンプスも、よく見ると天下のjimmy choo。一生ご縁はないだろうとあきらめていた英王室御用達ブランドの靴もはいてみると意外としっくりくるじゃないか。生ぬるい運動靴で育った横幅EEな私の偏平足を「お主は『シンデレラ』ではござらぬな」とハネることのない懐の深さ。これならいつでもかぼちゃの馬車(御堂筋線)に乗って、お城に(コングレコンベンションセンター)駆けつけられますよ。


こんな風にサポーター企業様の手厚いサポートのもと、プレゼンのブラッシュアップを重ね、心(覚悟)技(プレゼン)体(おしゃれ)整った状態で3月8日のビジネスプラン発表会、当日を迎えることができました。ありがとうございます。

貴婦人の装いで卓球を語ると何が起こるか?

普段はノーメイクで過ごす私ですが、この日の朝は「大切な日のために」と、とっておいたデパコスの試供品たちを次々と開封。レチノールが先か、プラセンタが先か、人類の英知が注がれた最先端の美容汁を肌にぶっかける。いつもなら小袋に入ったものを3回に分けて使うところを、このハレの日は、用法容量通りに1回で使い切りました。

そして、太っ腹なノリのまま、ハウスのにんにくチューブほどのボリュームで、8,000円もするクリームファンデーションを惜しみなくシワの凹に投入。メイク崩れを避けるため、顔に色をつけず肌色平野のまま御堂筋線に乗り淀屋橋にあるシャレオツな美容室へ。「40代 ショートボブ 色っぽい」というキーワードで検索したモデルの髪型を美容師さんに見せ、地球に申し訳ないくらいのフロンガスを頭にふきかけてカッコいい髪型に仕上げてもらいました。

会場に着き、身にまとうのは、もちろんモニカ・ベルッチのそれ。伝票を見た時は、しまパトで見慣れた数字との違いにひるみそうになりましたが、「LED関西当日は、ファイナリストの人はみんなオーラが出てる」という事務局の方の言葉を信じて袖を通しました。

プレゼンはというと……。悪くなかったんじゃない、フフフ。舞台に上がる前は緊張しましたが、いざお客さんに対峙すると、伝えたい想いがあふれ出て、用意したセリフは自分の言葉となり、声はもはや声ではなく卓球愛の素粒子に分解されて会場の隅から隅へとワーッと広がっていく。私には舞台からの景色がそう見えたものですから。

多くの人が涙を流すほど感動してくれたんじゃないかな。卓球レディースを盛り上げるために自分も立ち上がろう。一緒にラケットを振ろう。“明るいスポーツ”を合言葉にしよう。そんな人がこの地球に増えたと思うな。うんうん。

けれど、あれ、空気が違うな???
登壇後、来場者の方々との歓談タイムでは、「西村に感想を伝えよう」と高揚感たっぷりな雰囲気で各企業の代表の方が名刺交換の列に並んでくださったのですが、みなさん口をそろえ笑顔で「おもしろかった!」とひと言。「M-1出はったら?」との感想も飛び出しました。

「…………」

あれれれーーー!
もしや、事業内容が伝わっていないのでは?????

世界一空気が読めない私でも、そんな事実に薄っすら気づき始めた頃、コングレコンベンションセンターはなんばグランド花月に、会場を後にする500人の来場者は、新喜劇を観に来た島田珠代推しのお客様に見えてきました。

そう、もしかして私のプレゼンは、社会問題をテーマにした他のファイナリスト発表の合間に訪れたハーフタイムショー、That‘s卓球漫談に終わったのでは???

そんな不安が頭をよぎり、自分のプレゼンが「良かった」のか「悪かった」のか、頭の中でジャッジの旗がグルグル回り、ドロドロに溶け合って、最後は見事なバターになる前に、事務局から発表会登壇者の写真が送られてきました。

ファイナリストたちが舞台上で事業熱を届ける瞬間をとらえた何百枚もの写真。どれをとっても、LED関西当日に醸成される皆さんのオーラが半端なく、この中から自分の写真を見つけるのはたいへんな作業だなと流して見ていたら、一枚の写真が目に飛び込んできました。

それが、コレ↓↓↓


ええっ? いやしくも厳かなプレゼンの舞台で、こんな「まつり」北島三郎みたいなポーズとったことあったっけ? と時を巻き戻すと、「あぁそうや、ポケットに入れてたピン球投げたんや」と思い出しました。そして、それが山の神、海の神、今年も本当にありがとうぉ~♪な「のど自慢大会」と見まごうビジュアルになり、今ここに画像としてアップされている!!!

ガタガタガタッ

写真を見て、恥ずかしさに震えましたが「どうせ誰も見ていないだろう」と、ペーパードリップで丁寧に淹れたコーヒーを飲みながら心を落ち着かせました。すると、同期から追い打ちをかけるメッセージがLINEに届きました。

「この写真最高過ぎです。何百枚の中のベストショットでした🤣」と。

MITUKENTOITE――――( ;∀;)

そら、最後にこんな姿見たら肝心の事業内容がぶっ飛びますよね。
LED関西を目指すみなさん、ビジコンにはピン球を持ち込まぬようご注意ください!

チョレイ(^_-)-☆


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