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『葬送のフリーレン』『人外教室の人間教師』などから考える「0〜100の外」+告知

○はじめに

みなさんこんにちは😆

3月ももう直ぐ終わるというのに寒暖差が激しかったり、雨などによる気圧変化に苦しんでいる毎日です…

今回は最近読了した本やゲームなどの作品をもとに最近考えていることをまとめていこうと思っています。

この記事の最後に告知もあるので最後まで読んでいただけると幸いです🙏


○0〜100とは

今回の話の前提としてここで取り上げる「0〜100」についてまとめておきたい。

よく物事の白黒をつけることでは本質は見えないからということで「0〜100」という例えを用いてグラデーションに着目して語られることがある。

しかし、そこに着目するだけで良いのだろうか

確かに物事は白黒とシンプルな構造で成立していない。だから0〜100とグラデーションのある相対的な考え方が生まれた。だが、その外の世界=マイナス1や101こそ着目されるところではないかということを今回の記事で述べていきたい。


○『葬送のフリーレン』などから考える「0〜100」の外

『葬送のフリーレン』は週刊少年サンデーで連載されている山田鐘人原作・アベツカサ作画の漫画作品。

本作は、勇者ヒンメル一行が魔王を退治し平和が訪れた世界を描くファンタジー後日談。その一行のメンバーであるフリーレンは魔法使いのエルフ。エルフは人間とは違い長命種で、なんと1話目で時代が経ち勇者ヒンメルは亡くなってしまう。その葬式に立ち会ったフリーレンはヒンメル=人間のことを理解できているのか・しようとしたのかということに気づく。そこで再度ヒンメルたちと歩んだ軌跡や「人間とは何か」を探るため、新たなメンバーとともに旅をする作品となっている。

続いて紹介したい作品はにじさんじ所属Vtuber・来栖夏芽の小説『人外教室の人間嫌い教師』。

本作は人里離れた場所にある不知火高校が舞台。そこは「人間になりたい」という夢を持って日々の課題に取り組む人魚族や兎などの人外少女たちが通う学校だった。主人公ヒトマはあることがきっかけで人間が嫌いになり引きこもった元教師。職探し中に不知火高校を見つけ、人外少女たちの成長を応援する教師になる。彼女たちはなぜ「人間になりたいのか」。その思いや成長を見守ることでヒトマもまた人間について考え共に成長する学園ストーリー。

これらに共通していることは「"普通"の人間ではないキャラが人間について考えている」こと。なぜ普通という言葉がついているかというと、社会のレールから脱落したヒトマのような人物も含まれているからだ。

果たして彼・彼女らはいわゆる「0〜100」に入るのだろうか。「いやいや、社会を考えるのにフィクション作品のキャラクターばかり持ってきているじゃないか」という意見もあるだろう。そこで次節に移って引き続き考えていきたい。


○別視点から考える「0〜100」の外

次は別の作品を取り上げたい。まずは最近発売されたコーエーテクモが開発しPS5向けにソニーが発売したゲーム『Rise of the RONIN』だ。

「いや、これもフィクション作品じゃん!」というツッコミもあると思うが取り上げたいのは「歴史」である。本作は名前もない浪人として佐幕派・討幕派などどちらに与するか自分で選択し、自分だけの幕末を駆け抜けるオープンワールドアクションRPGである。

この作品の凄さは「こんな幕末オールスター作品は見たことない!」というほどいろんな人物が登場することだ。徳川慶喜や井伊直弼などの佐幕派、桂小五郎や坂本龍馬などの討幕派、そして武士ではない楠本イネなどの医者やアーネスト・サトウなどの外国人も登場する。それぞれが当時の日本の問題に対してどう向き合っているのか、そして未来についてどう考えているのか。それは現代日本を生きる私たちにも通ずる話がたくさん登場する。

ドイツの鉄血宰相と呼ばれたオットー・フォン・ビスマルクは「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という格言を残している。この作品はまさにそのきっかけになるような名作。

最後に取り上げるのは松村圭一郎『うしろめたさの人類学』だ。

この本は、現代日本社会がなぜ窮屈でしんどく感じるのか。市場・国家・社会などのシステムをフィルードワークをしているエチオピアと比較して考察している。要するに「別の社会の視点」から現代日本社会を考察している本である。

ここまで色々紹介してきたが、述べたいことの真意はある程度伝わったのではないだろうか。「0〜100」というのは「自分の世界=頭の中」のことなのである。


○「0〜100」の間を作る

社会のレールから外れた人、エルフや人間を目指す人外少女など人間ではない種族、幕末という過去、エチオピアという別の社会。これらの「自分の世界の外」が自分の「0〜100」をアップグレードさせる糧となる。

ここまで長々と書いてきたが、簡単にいうと「アウトプットするためにはインプットが必要」「選択肢という視野を広げる」のような話になる。が、この考えを持っていない人が「多様性」や「正義」を掲げ排他的になっているのではないだろうか。

自分の0〜100は相手の0〜100ではない。自分の外を知る・発見することで、56や95.7などのグラデーションを形作る。それこそが多様性につながるのではないだろうか。


○告知

2024年3月29日(金)の23時から、Xのスペースにてパパティスさん(@BraveRitoyan)と「趣味から得られるもの」をテーマにトークします!今回の記事の話もつながりそうな話題なので、対話することでどのように広がるのか楽しみです😆

録音して1ヶ月アーカイブが残るようにしますので、当日聞けないという方もパパティスさんのページから探して聞いていただけると幸いです🙏

そして6月1日(土)18〜19時半予定で初めてのリアルトークイベントを開催することになりました✨✨✨

場所は奈良にある個人書店「ほんの入り口」さん(@honnoiriguchi)で開催させていただきます。店主の服部さんがインタビュアーとして2人で「ゲームが入り口」というタイトルで多趣味について考えていくイベントを予定しています。こちらはまだ細かいことは決まっていないため、後日改めて告知したいと思います👍

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