インナーギアばっかり使っていたら速くなっていた話
前回のnoteで、自分は「使うときが来るまでアウターギアを使わないマンだ」という話を書きました。今回はその理由とインナーギアを使う有用性を綴っていきたいと思います。
そもそも
高校3年の時に日本でもジュニアのギア規制が始まり、52×14トップがマックスのギア比になりました。しかし当時の8スピードの14トップのスプロケットがあまりにもお粗末(トップギアがねじ込み式だったり、ギアの歯も削り出しみたいに角張ったもので変速が良くなかった)だったので、フロントを48T仕様にして48×13で走っていました。その年の夏休みにイタリアでのレース合宿に参加させてもらった時もこのギヤでした。それくらいの頃までギアに関してはあまり不自由を感じていたかったのですが、高校を卒業してフランスに渡った時に提供していただいたバイクについていたのが53Tのアウターギア。ヨーロッパで戦うには必要なギアですが、あまりの違いにバイクを渡された当時は全く踏めませんでした。
それで、その時に一緒に伝えていただいたトレーニングメニューがイタリア式の心拍トレーニングのメニューだったんですが、心拍数の範囲に合わせてケイデンスの縛りもありました。それまではまともなトレーニングメニューなんてしたことがなく、ただひたすら近所のトレーニングコースを爆走していたので、トレーニングメニューをこなすことがとても新鮮であり、プロになるにはこういうことをするのかと厳粛な気持ちにもさせられました。当時は心拍計が普及し始めたくらいの時期で、心拍数とケイデンス両方を表示できるサイクルコンピューターなんて存在していなかったので、ハンドルにサイクルコンピューターを2個つけて、常に数値とにらめっこしながら走っていました。それぞれまあまあの大きさでいてコードレスでもないので、サイコン本体とケーブルでハンドル周りがだいぶ渋滞していましたが、計器類が車のようでもあり、常に数字をチェックして走るスタイルの「男子の好きな感じ」のハンドル周りになっていましたw
で、当時のトレーニングメニューのざっくりとした一例を出すと、
例
回復日(主に月曜日とレースのない土曜日)
時間:1時間半〜2時間
心拍数:Easy
回転数:110rpm
トレーニング日(とある1日)
時間:3時間〜3時間半
ウォーミングアップ30分、クールダウン30分
途中に10min〜15分 Medio(今でいうSST)×2
回転数:90rpm〜110rpm
こんな具合でした。
正直、それまで心拍数とケイデンスをあまり意識して走っていなかったので、合わせることに慣れるまではとても大変でした。いま思えば回復日に110rpm回すってことはかなり軽いギヤでリラックスしてゆっくり走れってことだと理解できるのですが、当時は若くやる気に満ち溢れていたのと、ペダリングに無駄が多かったのもあったせいか、30km/hくらいで「こんなんで回復するのかなー?」と思いながら回復日にもかかわらず爆走していた記憶があります。トレーニング日のMedioの心拍数とケイデンスを出すには53×19か17を使う必要があったのですが、とにかく筋力がなく53Tがすでに重たかったのと、自分の住んでいた街の周りは山しかなかったので、メニュー以外のところではほとんど39Tのインナーギアで走っていました。そんな感じで常にインナーギアばかりを使っていて色々とわかってきたことがあります。
インナーギアの有用性
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