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Alpe de Zwift初登頂の話

初めてAlpe de Zwiftに登頂しました。昔とった杵柄で、軽く回していけばそうそう苦しまずに頂上まで行けるだろうと、かなり軽い気持ちでの挑戦でした。が、そんな軽い気持ちで臨んだ自分を後々後悔させるほど、恐ろしい状況が待っていました。今回はそんなお話。

出だしは調子よく軽快に走る

兄のやっているAlpe de Zwiftに上るMeet upに2回連続で通信の問題で合流できず、Zwiftに対するフラストレーションと、Alpe de Zwiftに挑戦したい気持ちが比例して上昇していたので、とりあえず試しに挑戦してみようと思い、今回の挑戦となりました。WatopiaのRoad to Skyに行き、Alpe de Zwiftを目指してJungle Loopを走ってきました。この時点では、まだ山の厳しさも、暑い時期のZwiftの厳しさもわからないので、行けるところまでは自分のリズムで行くつもりで、マイペースに100回転前後120wくらいで回していきました。そしてJungle Loopを抜けて、Alpe de Zwiftへ。山に入ると途端に勾配がきつくなりましたが、いつもの感じで90回転目標で上りました。この時点では出力も170wくらい出て、心拍数も150前後でそこまで高くなく、この時点ではペース配分も申し分ないので、このままTTペースでまあまあいい感じのタイムが出るんじゃないかな?と、この段階ではまだ調子のよい考えをしていました。

10km過ぎたくらいで様子がおかしくなる

始まって10kmw過ぎたあたりで急に脚が回らなくなってきました。さすがに毎日乗っているわけでもないので、体力的にきついのかなと思い、少し回転数を落とし、ギヤを軽くして強度を落としてみました。実際の山を上っている時もそうですが、気持ちが入り過ぎていると力んだりして無駄な力を使っていることが多々あるので、ちょっとリラックスして走ってみて、まだ余裕が出てきたら踏み直そうという方法です。まあまだ残りも8km近くあるし、また回復して持ち直せるだろうと思っていると、今度はパワーも心拍も上がらなくなってきました。なんか様子がおかしいぞと感じた時には、少し空腹を感じていてハンガーノックの症状が出ていました。これはヤバイと思いつつも、ここで止まれないと踏み続けました。しかしあからさまに走れなくなっていき、そこで一回止まって休憩をしました。しばらくして再スタートをしましたが、また何かがおかしい。そう、今後はさっきまで滝のように流れていた汗が一滴も出ていない。ハンガーノックに次いで脱水症状に陥っていました。完全にAlpe de Zwiftを甘くみていました。身体的な状況もそうですが、Zwiftで長時間高負荷で走るには、実走よりもシビアに水分や食糧の補給が必要だった。それなのにボトル1本(常温)とwithout補給食で臨んでしまった。だんだんと頭が朦朧としてきていたので、再度止まって軽い食糧と冷えた水を入手して補給をしました。

一度落ちると回復するのも時間がかかる

少し頭も身体も落ち着いてきたので、再度走り出しました。小休止したところが残り約3km地点。されど約3km地点。一度エネルギーと水分を失ってガス欠とオーバーヒートをした身体はなかなか戻ってこず、少し走ってまた休む。選手時代はどんなにきつい山でも上りの途中で苦しくて休んだことはありませんでしたが、今回はかなり深刻なので3回目の休憩。そしてあと3kmを走り切る自信がない。全然できる気がしない。しかしここまで上ってきたのだから完走したい。完走をした時の達成感をイメージしながら、気力を振り絞ってゆっくり走り始める。ゆっくりながら走っているとだんだんと身体が馴染んでくる。徐々に動き始めてきて、パワーも心拍も幾ばくか上昇。それまで3kmも走れないと感じていたメンタルも少し回復して、このまま踏んで行けば終わる!というメンタルに切り替わる。そうして淡々と踏み続け、ようやくAlpe de Zwiftに初登頂しました。ルーレットはヘルメットが当選しましたが、そんなのはどうでもいいくらいの達成感でした。

今回上って感じたこと

今回、Zwiftを使ってヴァーチャルの山を上ってみて、自分は選手時代パワー系の身体能力ではなく、自転車をうまく走らせることができる能力のある選手だったんだなと実感しました。思い返せばローラーを使ったテストでいい結果が出た試しがない。いつもチームメイトと比べても下から数えた方が早い方でした。ただ回復力はあると言われていたので、単純に大きな出力を出せないタイプの選手だったのかもしれません。ペダリングスキルや路面の変化、惰性の使い方、スピードの乗せ方など、どちらかというと力で押し切るよりもテクニックを使った走り方が得意だったのかもしれません。

また、Zwiftだと勾配の変化が視覚的にうまく伝わってこないので、ペダリングのリズムやギヤチェンジのタイミング(もっといったらダンシングのタイミング)がインタラクティブローラーの負荷に合わせた形になるので、スムーズにできないのはちょっとストレスでした。自分の場合はいかにスピードを殺さないようにリズムで走ることを心がけていたので、(たとえそれがどんなスピードでも!)リズムがつかめないのはあまり気持ちよくありませんでした。

あと、勾配のあるところで負荷が高いと、ペダルの踏み込みが強くなり過ぎてしまいペダリングが汚くなっていくような感覚がありました。もう少し踏んでもクランクが戻ってくるとよいのですが、踏んだらいきっぱなしになってしまうので、勾配きついところできれいにペダリングするのがすごく難しいかったです。さらにトレーナー難易度MAXで筋力が足らないと、確実に膝がやられる感じでした。(今回はトレーナー難易度は真ん中で走りました)

しかしながら家にいながら気軽に(?)1時間半くらいで1000mの山を上れるなんてよい時代になったものです。今後も定期的に気軽にAple de Zwiftを上っていけたらなと思います。

逆に自分が選手の時代にZwiftがなくてよかったとも思っています。パワー至上主義のこの世界では、選手としてやっていける自信がありません。。。




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