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本の感想「タイタンの幼女」


著:カート・ヴォネガット

SF(サイエンス・フィクション)というのは、「日常とかけ離れた舞台を通しての比喩」だと思っています。

カート・ヴォネガットも例に漏れることなく、そういったものを書いておられると思うのですが、ヴォネガット自身のそういった表現の中に詩であったり、哲学的な表現であったりを織り交ぜて独自の世界観を展開しているのではないか、と感じます。

それらを通して、人間の普遍的なものを描いたものが「タイタンの幼女」なのであると思っております。

なので、SFや詩、哲学的な表現などは、カート・ヴォネガットの得意な表現方法であるにすぎないのではないでしょうか。

ヴォネガットが訴える本当の問題は、それらを通して描かれている人間の普遍的なもの(宗教や死の価値観、人種などといった人間とは何か)とはいかなるものか、といったことではないだろうかと思います。

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