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【#13】UXは良くない…OMO店舗の「GU STYLE STUDIO」に行ってみた!


こんにちは、たきさんです。素敵なユーザ体験(UX)に寄与しているデジタル活用事例@日本、を自分がいちユーザとして体験し、楽しく解説しています。似た中国事例の参照や比較もしてます。


今回は、原宿にある「GU STYLE STUDIO」に行ってきました。
ここはユニクロの姉妹ブランドの「GU」が2018年11月30日にオープンした店舗です。

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“オンラインとオフラインをつなぐ次世代型店舗”ということで、店舗で商品を選んで、オンラインストアで購入をする、という感じらしい。

早速行ってみましょう〜


体験してみた


店内の商品には、ひとつひとつQRコードの札がついています。

商品のQRコードをスマホでスキャンすると、オンラインストアのお気に入りリストに追加されていきます。

そして気に入った商品をオンラインストアで購入するという流れです。店舗では原則買えません(一部商品を除く)。

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店内には在庫がない(スキャン&試着用の商品のみ)ので、すっきりとした感じ!

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しかし色々困ったことが・・・!


①スキャンしても表示されない・表示が不親切

マネキンの前にあるQRをスキャンすれば、マネキンのスタイリングをまるまるお気に入りに追加することもできる…はずだったのですが、なぜかできず…店員さんによると最近アプリが不調とのこと…!

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アプリは最新にアップデートされた状態で使用しましたが、私のスマホからは各商品のQRも読み込めませんでした。

▼QRを読み込んでも何も表示されない(一時的な不具合のようです)

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QRコードは読み込めなかったものの、こちらのバーコードは読み込めました。

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ただこのパターンの場合、「読み込んだ商品のページに行く」、というだけであって、読み込んだ商品のサイズや色は反映してくれませんでした。

▼「BLACKのXL」のタグをスキャンしましたが、「BLUE・サイズ選択なし」状態で画面上に

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このようにサイズや色の反映がされていない状態だと、自分でメモるかその場でポチッと選択するか、記憶するかなどしておかないといけないため、やや面倒です。



②コーディネートから選んでも商品が見られない

また、こちらの大きなサイネージではコーディネートから選べるようになっているのですが…!

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コーディネートに使われている「カバン」と「下に着るキャミソール」のみ、など一部の商品(しかもコーディネートのメインではないもの)しか表示されない商品ばかり、、、服が見たい…!

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また、オンラインでしか買えないのに、オンラインへの誘導も弱いな、とも感じます。

QRコード出すには「オンラインストア在庫」タブのタップが必要ですが、「オンラインストア在庫」タップでQRが出てくることはあまり連想できません



③フィッティングルームのタブレット、コーディネートで使われている商品への導線がない…

フィッティングルームの壁にはタブレットが設置されていて、持ち込んだ商品の詳細が自動的に表示されます!これは便利!

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試着しながら商品の詳細を確認したり、QRコードを読み込んでお気に入りリストに追加することもできます。

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ただ、ここで悲しかったことがひとつ。「この商品を使ったスタイリング」があったので、良いな〜と思って見てみたのですが!

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コーディネートに使われている商品の詳細を見ても、それが店内のどこにあるかわからないオンラインストアへの誘導QRコードもない

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これ買いたかったらどうしたらいいんだろう?このパネルを写メって店内をさまようほかないのかしら…!


と、いうわけで、せっかくよきコーディネート見つかっても、そこからのUXはよくありませんでした。
(お店側視点だと、売りに繋げる導線が弱いため機会損失になっている可能性がある、と言えそうです)



思ったこと:ユーザ体験が想定されていないデジタル導入?


…というわけで、アプリが不調なことは抜きにしても、

気に入った商品をスキャンしても、スマホ上ではその色やサイズまで反映されない(バーコードスキャンではなく、QRスキャンならできるっぽいですが)
サイネージ上で良いコーディネートが見つかっても、そのコーディネートに使われている商品がわからない(表示されない)
フィッティングルームのパネル上で、コーディネートに良い商品を見つけても、それが店舗のどこにあるかわからない、またオンラインストアへの誘導がない


などなど、ストレスが多いなと感じました。


試みの趣旨は素敵だと感じたのですが、ユーザが具体的にどう使うのか、どうしたいのか、どうなったら便利なのか、という体験に寄り添いきれてないため、超絶もったいないことになっているのではないかなーと。

もちろんGUさんにも色々なご事情があるかとは思うので、「わかっちゃいるけど」的なことも色々あると思うのですが・・・!いちユーザとしては、ストレスが大きかったです。涙


OMO店舗という意味では、ユニクロ原宿店の「Style Hint」の取り組みの方が相対的に素敵だったなと感じます。(オンライン購入の導線が弱くて、ちょっと不便なところは似てるのですが)




中国事例 〜好きなタイミングで好きな方法で買えるのは当たり前に〜


GUにドンピシャに近い中国事例はパッと思いつかなかったのですが…
「オンラインでもオフライン関係なく、好きなタイミングで買えると良いよね」と文脈の参考事例だと、

このマガジンで何度も紹介しておりますが …
商品のQRコードをスキャンすればオンラインストアに飛ぶ、というのは中国あるある。

▼商品の下にあるQRコードスキャンで、オンラインストアへ

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これは、わかりやすい「THEハイテク」って感じではないのですが。

「ちょっと考えてから買いたい」「今日は荷物を増やしたくない」ということは結構あると思うので、
ユーザ目線ではとても便利だなーと感じます。


同じ商品でも、オンラインで買いたい時と、その場で買った方が便利な時がありますよね。状況に応じて便利な買い方がスムーズにできるようになっているのはありがたいなと感じます。


同じく、オンラインでもオフラインでも好きな時に買える、だけではなく、

・オフラインの場に意味をうまく持たせている

ということで有名な小売としては、アリババのOMOスーパー「盒馬鮮生(HEMA)」があります。

▼3記事に分かれちゃってるのですがよろしければ読んでください!


このマガジンでは再三書いていることですが「最先端っぽいデジタル!」を導入するのが大事なのではなく、ユーザ体験に寄り添うことが大事だよね、という話でしかないです、ね。

ユーザはどう使うんだろう?どう使ってもらうと便利だろう?を考えることが、オフラインの場の設計、アプリやオンラインストアに持たせる機能や、UIデザインひとつひとつに反映されるなと感じます。


現状のGUさんの店舗・アプリしよう体験は、やや「デジタル導入しました!」先行になっており、ユーザ体験が置き去りにされているように感じました。



本日は以上です!

今後も日本のデジタルスポットについて、中国の状況と比較しながら書いていきたいと思います。

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中国のデジタル・IT事情についてはYahoo!ニュースなどでも執筆を行なっているので良かったら読んでみてくださいませ〜


🐼宣伝🐼---------

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