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【#3】高輪ゲートウェイ駅の無人コンビニ「TOUCH TO GO」に行ってみた!(後編-とは言え気になること)


こんにちは、たきさんです。素敵なユーザ体験(UX)に寄与しているデジタル活用事例@日本、を自分がいちユーザとして体験し、楽しく解説しています。似た中国事例の参照や比較もしてます。


2020年3月23日に、高輪ゲートウェイ駅に無人コンビニの「TOUCH TO GO」がオープンしました。

「AmazonGo」に近い、画像認識型の無人コンビニです。お客さんが手にした商品を判別し、自動で精算してくれます(決済ではないことに注意)。

オープンから3ヶ月くらい経ったタイミングですが、遅ばせながら行って色々買ってみました!

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こちらは後編です。前編読んでいない方は↓こちらから!

後編では、「TOUCH TO GOのユーザ体験良いよね」という前提の下、「とは言えこれって大丈夫なの?気になる!」ということを書いています。


気になること①人数制限があると機会損失になる場合も

まず、一度に入れる人数制限についてです。

オープン当時は、「当面は一度に入店できる人数を7~10人に制限する」と発表されていました。

現時点では人数制限があるのかどうかわからないのですが、もし一度に少人数しか入れないのであれば、少し機会損失が発生するのかな?と考えています。


特に、出勤のピーク時など多くの人がコンビニを必要としている、かつ急いでるタイミングに限って並ぶ可能性(→そしてじゃあいいや、と離脱してしまう人が出る可能性)が高くなってしまうのでは。

となると、都心の駅などの「急いでいる」かつ「他にもたくさんの店舗の選択肢がある」というような場所への設置はあまり向かないのかもしれないと感じました。

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ただ「将来は入店人数の制限をなくして運営したい」とのことなので、そうなれば問題ないでしょう。(参考記事


またたとえ人数制限があったとしても、地方の過疎地域など、他の店舗の選択肢がほぼなく、またそんなに混むことがない場所への出店であれば、現時点のままでも問題は小さいのかもしれないと思いました。



気になること②データ活用はうまくできるのか?

もう少し調べてみると、「TOUCH TO GO」が画像認証方式を選択する理由には「人がレジしなくて良いよね」「お会計が早いよね」という以外のメリットもあるようです。

ITmediaビジネスさんの記事によると、
カメラやセンサーで消費者の動きを把握することで、従来型の店舗では決して取得できなかった「利用客が何を買わなかったか」というデータを取得・活用できるという点が、この方式の特徴・強みとのこと。

以下もう少し詳しく、上記記事からの引用です。

「TOUCH TO GOではカメラやセンサーを使って店内での利用客の動きを逐一追っていますから、利用客が『どの商品を手に取ったか』だけではなく、『どの商品を手に取った後に棚に戻したか』『どの棚の前にどれだけ立ち止まったか』『何も買わずに店を出ていった人がどれだけいるか』といったデータまで取得できます。
これは商品の精算時にしか情報を取得できないPOS端末では、決して得られなかった類の情報です」(阿久津氏)


ここは理解できます。

ただ、その後がちょっとダウトでして。

例えば、ハム入りサンドイッチとチーズ入りサンドイッチの売り上げを比べてみたところ、後者の方が売れていることが判明したという。
そこで店内の利用客の動きと属性をカメラやセンサーのデータを基に調べてみたところ、サラリーマン層は一度はハム入りサンドイッチを手に取るものの、棚に戻してもっと安い商品を買う傾向が高いことが分かった。
こうしたデータから得られた知見を基に「高輪ゲートウェイ駅を利用するサラリーマン層は、より低い単価の商品を好むのではないか?」との仮説を立て、より単価の安い商品への入れ替えを検討したという。


これ、記事にする中で簡易に書き換えたということもあると思うので、ある程度そこを差し引いて考えなくてはと思いつつも、

「この駅を利用するサラリーマンは安いもの好き!」という仮説って、個人的にはちょっと納得しづらくて。


「高輪ゲートウェイ駅を利用するサラリーマン層」という大変に曖昧な属性データのみで分けた方々に対して、背景や状況の考察なしに「安いものが好き」という仮説のたて方となっているのが結構不思議です。

百歩譲って「サラリーマン」を一括りに捉えたとしても、状況によってかなり行動は変わるはずですし。少なくとも時間帯とかによっても違うかなと。

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▲平日の朝9:00前の高輪ゲートウェイ駅。


また、「データから得られた知見を基に(中略)仮説を立て」となっているのも、個人的には「それでいけるんですっけ・・・!」とやや疑問です。

膨大な行動データを眺めてそこから示唆・解決策が持てる行動を見つけ出すというのはかなり難しいと思うので、

記事に記載してあるように「まずデータを見て→仮説を立てる」のではなく、「仮説を持っておいて→その検証のためにデータを見る」かな、と個人的には感じるのですが・・・。

どうなんだろうか。具体的にどんな分析をしているのか気になります。


先述の通り、記事の字数が限られており簡易に書かれている故の私の解釈違いかもしれない(そして揚げ足取りかもしれない)ので、ぜひ「TOUCH TO GO」さんに詳しくお話をお伺いしてみたいなあ・・!などと思ったりしました。



というわけで二回に渡って、高輪ゲートウェイ駅の無人コンビニ「TOUCH TO GO」について書いてみました。

今後も日本のデジタルスポットについて、中国の状況と比較しながら書いていきたいと思います。本日は以上です!

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