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カフェでのひとりごと

近所に好きなカフェがある。

近所といっても二駅となりだし、好きなカフェといっても常連と呼べるレベルではない。

コーヒーもカフェラテも美味しいし、さらには焼き菓子やケーキまで美味しい。
なにより、静かであたたかなお店の雰囲気が好きだ。

最近なんだかんだ忙しかったり、体調がよくなかったり、お店の定休日とわたしのスケジュールが合わなかったりで、なかなか来れていなかったのだが、今日、約3か月ぶりに来ることができた。

来る。と言っているので、今そのカフェでこの日記を書いていることがバレただろうか。

店内の客はわたしだけだった。
さっきまでは。

わたしが注文を終えると、お客さんが二組つづいて入ってきた。

お店はお一人で切り盛りしているため、わたしの注文したものを準備しながら、ほかのお客さんを案内していて、少しいそがしそうに見えた。

見えたといっても、わたしは今、店主がいるキッチンから死角のところにある席に座っているので、いそがしそうだなと感じただけだ。

ほどなくして、注文したものが届いた。

手作りのシフォンケーキは、しっとり、ふかふかで、間に挟まった甘さ控えめのゆるめのホイップクリームとの相性が抜群。
しかも季節限定で、ホイップクリームの上にさらにレモンクリームとデコポンが載っていて、その爽やかな酸味とみずみずしさに春を感じた。

朗らかな今日のお天気によく合う。

ドリンクは、夜桜ブレンドというコーヒーにした。月明かりだけの柔らかな光に照らされている夜桜をイメージしたブレンドだそう。

いや、趣深すぎ。

ところで、わたしは店主の方に対して、きっとしっかりしていて物静かな方なのだろうという印象を持っている。
今までお客さんとたくさん会話をしているところを見たことがないし、お店独自のルールがあったりするところからそう感じた。
お菓子やコーヒーからも、そのきっちりと丁寧な性格を想像させられる。
そして、きっと優しく、穏やかな方なのだろうとも思う。


そんなことを考えていたら、もう一人お客さんがやってきた。

その方は、常連さんなのか、それともお友だちなのかわからないが、店主の、その方との接し方は、わたしやほかのお客さんとは微妙に違っていた。

挨拶と、注文をとるだけでそれ以上の会話はなかったのだが、いつもよりすこし砕けた、親しみのある雰囲気だった。
普段の素顔が垣間見えた気がした。

その時、会話をしたこともないわたしが、勝手に性格を想像しているのってなんだか気持ちが悪いことかもしれないと気付いた。ごめんなさい、気をつけます。

それが良いイメージであれ、人やものごとを自分のフィルター越しに見てしまっていることを認識したけれど、最後の一口まで美味しいコーヒーとシフォンケーキを完食すると、やっぱりわたしの想像は、あながち間違いではないのでは。と思ってしまう、反省の色を見せないわたしです。

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