【デザイン制作秘話】heyのバリューのポスターができました
こんにちは、heyのブランドデザイン本部のPX/BXデザイナーの瀧野です。タイトルにあるように、今年3月に策定したheyの3つバリュー(行動指針)のポスターが完成したので、noteでもお披露目をさせてください🌼
バリューの社内浸透を図るために制作した今回のポスター。この記事では、制作に関わったメンバーへのインタビューを通じて、ビジュアルの開発プロセスやこだわりを紐解いていこうと思います。
私もPXのデザイナーとして策定に変わったバリュー自体の制作ストーリーについてはこちらの記事を是非ご欄下さい👇
制作に関わったデザイナーの紹介
@hirono
今回の担当:アートディレクション
heyのBXデザイナー。2022年1月入社。
@chantk
今回の担当:デザイン
heyのコミュニケーションデザイナー。2018年9月入社。
@endo
今回の担当:デザイン
heyのコミュニケーションデザイナー。2021年12月入社。
heyらしさってなんだろう?を問い直す
ーーアートディレクターとして制作のプロセスも設計したhironoさん。まずどんな風にプロジェクトを出発したのでしょうか。
hirono :当時、ブランドデザイン本部では「heyのビジュアルランゲージを開発すること」というミッションがあり、バリューのポスター制作はその一環で生まれたプロジェクトでした。heyがブランドとしてより強いものにしていくために、「heyの世界観、heyってこういう会社だよね」を形作るデザインや素材を開発したい、素材やデザインをバリエーション多く開発して今後色々なものに展開していきたい、というのが背景です。ビジュアルランゲージ開発のプロセスの後半、heyのバリューができ始めた時期とちょうど重なり、具体的なアウトプットとしてバリューのポスターをつくることにしました。
開発の最初にまず着手したのは、これまでheyのブランドマネジメントを担当していたまっつさんと、heyらしいもの・らしくないもののすり合わせです。いままでheyがブランドとして積み重ねてきたものを眺めながら、ビジュアルランゲージをつくるとしたらどんなものになるか、資料を集めていきながら考えました。軸として上がったのは「Line(線)」、中でもハンドライティングなLineでした。heyのロゴもそうですが、heyはハンドライティングで構成されたデザインが多く見られます。「Line」をテーマにheyらしさをつくり、また、バリエーションを豊かに開発していくことにしました。
「Line」と言っても色々あるので、いろんな線のパターンを集め「どんな線がheyらしいか」を探索していきました。まっつさんとの議論の結果、heyらしい線とは、ゆるすぎずスピード感があり、目的に向かって意思を持った線、と一旦定義し、デザイナーの2人に制作のオリエンをしました。
オリエンでは上記の軸と、想定される展開(文字との組み合わせ、写真との絡み方、など)を伝えつつ、一旦はそれぞれ「heyらしい線」を考えていただき、ラインの平面構成をデザインしてもらいました。
ーーchantkさんはどんな風にビジュアルを発散していきましたか?
chantk:僕はhironoさんから聞いた「heyらしい線」を、いくつかの要素に分解して発散していきました。「フリーハンド」「幾何学」「集合」「ダイナミック」が自分の中でキーワードとしてあがり、それぞれ質感が「フラット」な感じと「テクスチャ」があるもの描いて模索しました。
僕はなにかをデザインするとき、思いつくまま手を動かしてみて、そこから言語化していく、というプロセスでデザインしていくタイプで。今回もテーマに沿って自分で描いたものを一度客観的にみて、heyらしい要素を見つけていきました。
ーーendoさんはどんな風にビジュアルに落とし込みましたか?
endo:私はchantkさんとは真逆で、まずは言葉で発散していくタイプ。自分なりに「heyらしさとは?」をバーっと書き出して、そこからピンときたものをビジュアルに落とし込みました。いつも、ちょっと人に見られたら恥ずかしいくらいに、とにかく沢山キーワードを出してそこからデザインしていきます。
今回ピンときたキーワードの1つが「二次元と三次元」。heyという集団が、明るい未来に向かってジャンプしていく躍動感と、一体感もありつつ色んな視点をもって人たちがいる(=ものの見方に多面性がある)ことを表現しました。これは私がheyに入社して日々感じていることなんです。
このグラフィックはblender(3DCGソフト)を使って制作しました。3Dでオブジェクトをつくり、さまざまな視点で静止画に切り取ってみてコンセプトが表現できるか検証しました。
見えてきたキーワードは「部分と集合」。こだわりを持った個人が集まって、力強い組織になる。
ーー2人から発散されたデザインをどのようにまとめていきましたか?
hirono :2人のデザインと考え方を、他ブランドデザインのメンバーにもみてもらいながら、heyらしさを抽出していきました。暫定的なまとめとしてコアとなったキーワードは「部分と集合」。個人がそれぞれのこだわりを持って活躍し、それが大きな力となって一つの目的に向かっている感じです。このまとめのキーワードを基軸に、またビジュアルのバリエーションを探索してみました。
hirono :この時にでてきた「色の重なりで太くて黒い線になる」という表現が「heyらしさ」かもしれないと収斂しはじめていきました。
ちょうどこのタイミングでheyのバリューのキーワードの案ができたので、次は3つのバリューそれぞれをLineで表現してみることにしました。ここでは、バリューそのもののワードと説明の文字をどんな風にLineと絡ませるか、というタイポグラフィの観点でも検証しました。文字のレイアウトに遊びをもたせながら、全体の細かい調整もしていきました。
endo:このフェーズでは「奥行き感」をヒントにブラッシュアップしていきましたね。例えば「挑戦スパイラル」の渦が、外から見えている視点か、中からの視点かで、メッセージが変わってきそうという議論になりました。作っている時は気が付かなかったのですが、他のメンバーに見てもらったときに言われて「なるほど!」ってなったのを覚えています。
渦の中から視点の方が、「自分がheyの中のひとりとして巻き込み、巻き込まれるような感じになっていいよね」といった具合に、他のバリューも「当事者としての視点」に合わせていきました。
ーービジュアルの最終化に調整に向けてこだわった部分はどんなところでしょう?
endo : 私は「オールスター」(得意を磨き、誰もが何かの専門家として協働し合うことで独自の価値をつくる。という行動指針)のポスターの最終化を担当したのですが、最後の調整にかなり悩みました。
他の2つは「意思を持った線」という力強さや遠近感がうまく出せている一方で、「オールスター」の線はどうしてもゆるさがでてしまい、奥行き感や躍動感をつくるのが難しかったです。
1つの線でも線の太さに強弱をつけてみたり、線の端を隠すことで広がりを持たせたりして、躍動感をつくることができました。
また、3つのバリューを並べた時に、線の形は違うけれども、同じコンセプトを感じられるよう調整をしていきました。
ーーカラーの色味調整や見え方、文字のレイアウトなど最後の仕上げはchantkさんが担当していましたね。
chantk:色の重なりを表現するには、色数はある程度あったほうがいいと思い、endoさんの色の使い方をみながら調整しました。
endo:最初はビビット系の色も候補としてあったのですが、今回はデジタルとアナログの両面を表現したかったためRGB感が強めの色ではなく、アナログ感も出るように調整しましたね。
chantk:黒からはみ出したカラーの部分は最後の最後までこだわりました。特に3つのバリューの線を並べたときに、色のチラつかせ度合いがバラバラにならないようにバランスを調整しています。
ーー3人のデザイナーで作り上げていくなかでコミュニケーションで大切にしていたことはありますか?
hirono:それぞれが考えて出してくるものは一緒ではないので、どこを重なる部分としてまとめていくかが、難しくもあり、一方でデザインの幅が広がって良かったかなと思います。正解が明確にあるものではないので、2人やまわりからのフィードバックも含め、良いところを集めながら進めていきました。
chantk:僕もデザイナー同士でセッションを重ねながら進めていくプロセスがおもしろかったですね。普段のプロダクトサイドのデザイン業務とはまた違った進め方で斬新でした。miro上で議論するのも楽しかったです。
endo :このプロジェクトは2月に始まったのですが、私もhironoさんも入社したてで、ほぼお互いのことを知らないままスタートしました。議論を重ねていく中で互いの得意な部分や、自分にもっていない発想ややり方が見えてきたのが面白かったです。私も今度はchantakさんのやり方を真似してみようかなと思ったり。なにより、互いの意見を尊重しながら進められて進めやすかったですね。
hirono:今回は平面的なアウトプットですが、今後グッズなどの立体デザインをしていくとまた2人の違った個性が見れそうですね。こんなにも作り方が違う2人と一緒にものづくりする経験は、私自身今回がはじめてで。言語から考えるendoさんと、手を動かして考えるchantkさん。デザイナーとしてはタイプが真逆なので、デザインの幅が求められるものでしたらまた2人でやると面白くなりそう!
ーーインタビューありがとうございました。最後にビジュアルランゲージについて伝えたいことがあればお願いします!
hirono:そうですね。「少ない要素だけど、幅の広さがある。」「ミニマルな感じだけど、奥の深さがある。」そんなところにheyらしさを感じるビジュアルになったかと思います。
heyのデザインチームについてもっと知りたい方はぜひこちらもご欄下さい。
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