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椅子は一つでいい

忙しい毎日を送っていると、自分がいる位置がわからなくなることがある。

子供のためにとか、
家族のため、友達のため、会社のため、お客さんのため…
気づいたら、わたしがどこにいるのか分からなくなってた。


自分のためより、誰かのために頑張ることの方が好きだったかもしれない。
人が喜ぶと、わたしもホッとするし。
力になれたという、充実感。

つい、頑張りすぎてしまう。
役に立たない自分が嫌いで、
役に立てるように頑張りすぎてしまう。

そして、それが自分を追い込んで、
誰かがわたしの中心になり、わたしは自分を見失っていた。


ある時、自分の中に一本芯がある感じで、
物事は自分を中心に考えると良いよとアドバイスをもらったことがあった。

わたしの中心は誰かだった。
それを、わたしにする。

簡単にできると思っていたけど、
長年、誰かのためと頑張ってきたわたしには、難しかった。
本当に自分のために生きていっていいのかと。

そんなわたしに、
"一番大切にするのは自分、次に子供達。
もう、子供達は自分で何でもできるし、それでいいのよ。自分のために生きていっていいのよ。"
わたしの心の中の罪悪感をとりはらってくれたのは、優しい言葉だった。


それからは、自分というものを意識するようになった。

誰かといると、つい共感して自分を見失ってしまう。
そんな時、一旦自分の中にもどる。
今まで、頭でばかり考えていたけど、とてもシンプルなことだった。

胸の中にコックピットがある。
そこに、すーっと入っていくように。

あるのは椅子一つ。
自分を見失わないための席だった。

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