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短編小説

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記事一覧

短編小説『rendez-vous(宇宙開発)』

「宇宙のことを考えるとき、途方もない気持ちになるでしょう、だって、とてもじゃないけど私の…

瀧本緑
1年前
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短編小説『打撃施設のファンファーレ』

 バッティングセンターの記憶。バーチャルと呼ばれるプロ野球選手の実写映像に合わせて、マシ…

瀧本緑
1年前
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短編小説 『私TWICEになるから』

 「私TWICEになるから」とユミに言われた。私たちは20歳で、故郷の田んぼ道を2人で歩いていた…

瀧本緑
2年前
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短編小説『Girlfriend』

 3年前にフラれた秋吉さんがPOPEYEのガールフレンド特集の中で「ザッケローニ卓郎」なる彼氏…

瀧本緑
1年前
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舌を噛む

 サシ飲みに舞台装置は存在しない。マッチングアプリに手慣れてしまった私は、今日で会うのが…

瀧本緑
2年前
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Never Ending

 エンドロールを最後まで見た。これまで生きてきた中で初めて、それに違和感を覚えた。エンド…

瀧本緑
2年前
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愚か者たちの与太話

「なあ、ほかの男と一緒になったら、怒る?」 「一緒になるっていうのは、結婚したら、っていうこと?」 「既にある意味では一緒になりまくってるしな、いろんな男と」 「それはなんも気にせんけど、結婚はなあ」 「どう思う?」 「怒りはせんけど……結構悲しい」  どこの民宿も空いていなくて、そもそもどこにも入る気がなくて、二人ともなんとなく車中泊をやってみたくて。もう4度目となるマミとの二人旅。驚くほど静かな日本海は嘘だ。そう言いながら車を停めて、穏やかな波の音を最初こそ意識したけれど

大谷翔平、野球のすべて

 人がどれほど遠くにボールを飛ばしたのか確認しに行く動作を、私は1日に何回行っているのだ…

瀧本緑
2年前
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短編小説『吉祥寺Pretender』

 京王線笹塚駅のホームはえらく高所にあって、信じられない勢いでビル風が吹く。整えてきた髪…

瀧本緑
1年前
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小説 『ガスタンク揉ませてたまるか』

 2階建ての駅のホームから、幾つか建ち並ぶ4階建てのマンションを通り越し比較的近くの空を見…

瀧本緑
1年前
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