「すべて真夜中の恋人たち」 を読んで。

暗い闇ゆく旅びとは
あなたの光に礼をいふ。
もしもあなたが光らねば、
道に迷つて困るもの。

「ちらちら光れ小い星」･･･ テーラー ジェーン

2011年に出版された川上未映子先生の本だ。
最初にまず言う。私はこれ以上の恋愛小説に出逢うことはないだろう
こちらを読んでいただきたい

真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。
それは、きっと、真夜中には世界が半分になるからですよと、
いつか三束さんが言ったことを、わたしは
この真夜中を歩きながら思いだしている。

この羅列だけで多くの人々は魅力される。
もう本当に言葉選びが綺麗で全部がひとつひとつの“詩”であり､色気を放っている。

恋愛小説なんだが人間の在り方､男と女の本質的な違い。あるいは人生とは何かをずっとこの本は探求しているのだと思う。

三束(みつつか)さんの奥ゆかしさ人物も非常に興味をそそった。まさかああなるとは思わなかったな。

冬子さんの不器用な性格もどこか愛らしい。優しすぎたんだ
だからひとりで抱え込んだのかな

読み終えたあとの充実感と多幸感。
きっと世界中が涙と幸せに包まれる言葉の芸術。
いま悩めるすべての人間たちへ捧げたい究極の恋愛小説

ぜひここまで読んでくださったあなたにもこの「すべて真夜中の恋人たち」を読んでほしい。