見出し画像

感情のごった煮を誰かにお裾分けしたい、この頃の話

「さみしい」という感情がよく理解できなかった、その昔の話。
映画見て泣いたり、大好きなおばあちゃんが亡くなって号泣したりしていたので、欠落しているとか、そういうことではないと思いますが。

あまり「さみしい」と感じたことがなかった。
兄弟はいたけど離れていて、鍵っ子だった小学生時代。帰宅すれば一人遊び。

遊び相手はファミコンか、聖闘士星矢のクロスの人形。星矢ごっこではなく、勝手に物語を作って妄想の世界へ。それが楽しかったから、親が帰ってくるまでの間も、ひとりがさみしいと思ったことはなかった。と思っている。

そのせいかな、ひとりで生きられると勘違いしていたのは。
感情は人間ひとり、ひとり分しか備わってなくて、喜怒哀楽、同じ対象でも感じる幅や色、匂いは人それぞれだと、今より若造の頃から悟った気になっていて。
物差しは自分のもので、だから想像して、寄り添う、確かにひとり分は、そうなのだけども。


40を過ぎて惑う中、これまで知らずに積み上げていた「さみしい」という感情があふれ出しているこの頃の話。
小学生になった息子が、ひとりでなんでもやりたがって。「なんでも出来るもん」って息巻いて。
そう、もうなんでも出来るよね。お父さんもそう思う。

ただね、ひとりで出来ることが増えることと、ひとりで生きられることは同じではないんだよ。君の周りにはたくさんの人がいて、きっと何かで支え合って、作用しあって、そうして成り立っているんだよ。

我が子を見て、そんな風にようやく気づいた40過ぎ。とて、ひとり抱えてきた心根の感情は、綺麗に畳んでしまったまま。広げ方を忘れてしまっているものだから、さあ大変。

今風に言って、エモさあふれる気持ち。
さみしさや悲しさをうまく叫べなくて。苦しくて春。もどかしくて夏。また黙って秋。蓄えて増える冬。みたいな四季折々。声にならないヘルプミー。

感情のごった煮である。でも、うまく吐き出せなくて。ニッコリ笑って大丈夫。
ほんとに、大丈夫ってすごい言葉。すみませんくらい重宝。
最強のバリア。マホカンタとかリフレク、バリバリの実を超える効果です。

だって、大丈夫って言われたら、それ以上進めなくなっちゃうもん。

大丈夫のバリア。本当ははりたくないのに。
他人から見たら屁でもない培ったプライドとか、穴だらけの古臭いマイルールとか、なんだか良くわからないガラクタが邪魔ばかりして。

素直になれないお年頃。
過去は過去で後悔はしていないけど、もう少し早く、ひとりで生きているのではないという本質に気づけたらなあと。

あ、これを後悔と言うのか。笑

こんな話、誰が聞きたいのだろうと、推敲しつつ笑ってしまう。未来の自分のためとか大層なことを言って、現在地の気持ちをストック。乱文・駄文をしたためていこうと決めたのでした。

****************

thanks/Photo by choro_pa


この記事が参加している募集

#自己紹介

231,067件

お読み頂きありがとうございます。サポートなんてお気持ちだけで十分です。私はそんな大層な人間ではありません。 ただ、私の言葉たちが、あなたの人生に一瞬でも交わうことが出来た、それだけで幸せです。 ですが、もしも頂けるなら、その共感を糧に、創作意欲に昇華してまいります。心から感謝を。