ドッペルゲンガーの憂鬱

誰にもわからないだろうなって背中を向けて
もう何年経っただろう

精神衛生上を理由に　ずっと距離を置いて
密は避けっぱなし　心のソーシャルディスタンスは完璧だ

壊したくなる衝動
死にたいくらいの寂しさ
仮面の下の下心

隠して包んで蓋をして
厚くなった面の皮
建前はどんどん豪華になって

偉そうなこと言っても
実のところは臆病者の弱虫
口八丁手八丁の経験値で綱渡り

誰かに知ってほしいのに
知られるのが怖くて

結局何がしたいの？って
いつだって堂々巡り

いつかのあの時から
1ミクロンだって進んでいなくて

すごいなんて言わないで
えらいねって褒めないで
本当はからっきし
後ろ向きすぎて気づいたら前に戻ってただけ

誰かの素敵なストーリー
世の中にあふれてて
純粋に羨んで比較して
みんな本当にすごいって
チープな感想を並べるばかり

誰にもわからないだろうって決めつけて
何年も閉じ込めたまま

本当は知ってほしくて
本当は気づいてほしくて
本当はわかってほしくて

切ないくらいの欲望
純真無垢な漆黒の闇
腐って自堕落な心

空が青く夕陽はきれいだ
明日は晴れるだろうか
花の香りに癒され
風は心地よく
小さな笑顔を可愛いと思う

自分を生きる精一杯の今
そうして抗う良心とともに

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thanks/Photo by natsuhino