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大前研一 名言集 『即戦力の磨き方』(32)

『即戦力の磨き方』(32)

大前研一氏のような「世界に通用する傑出した人物」は、日本だけでなく、世界でもあまりいません。

私は大前氏の足元にも及ばない、ちっぽけな存在ですが、そんな小さな私でも、少しでも役に立ちたいと熱望しています。

年齢は関係ないと思っています。

やろうとする意志と一歩踏み出す行動力ではないか、と考えます。
その2つに付け加えるとすれば正しい方向性でしょうか。

これはなかなか定めるのが難しい。

自分で正しいと判断しても、必ずしもそれが正しい針路をとっているかどうか確かめることが困難だからです。

メンター(師匠)がそばにいれば、たとえ間違った方向へ進んだとしても、謙虚な気持ちで従うならば修正は可能でしょうが。
私にとってのグル(精神的指導者)は大前研一氏です。
もちろん、大前氏はそんなことを知る由もありませんが。

以前、大前氏の下で働いていた学生の方(今では社会人として働いていることでしょう)からメールを頂いた時、身近で見た大前氏の気さくで、ユーモアあふれる人柄に触れたことを伝えてくれました。

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です
 

誰が見てもわかる「値札」と「名札」を持っている人は、この先会社や国がどうなろうが、絶対に生きていける

誰が見てもわかる「値札」と「名札」を持っている人は、この先会社や国がどうなろうが、絶対に生きていける

ジャングルで生きていくための強力な武器になるのである。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 1 〈430〉                           






                             

彼ら(アメリカのビジネスパーソン)は会社も、自分に「値札」と「名札」をつけるのに利用できるかどうかで選ぶのだ

実際アメリカのビジネスパーソンは、この「値札」と「名札」のことしか考えていない。

彼らは会社も、自分に「値札」と「名札」をつけるのに利用できるかどうかで選ぶのだ

いまだに一流企業に勤めていることがステイタスだと思っている日本のビジネスパーソンとは大違いだ。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 2 〈431〉                             


「自分はこれで勝負できる」というものを、一つ決めておくこと
分野はなんだっていい

それからもう一つ大事なことがある。

「自分はこれで勝負できる」というものを、一つ決めておくこと

分野はなんだっていい

その代わり、それに関しては余人をもって代えがたいくらいのレベルを目標にしなければ意味がない。

ゴルフ好きのビジネスパーソンは多いが、毎日ゴルフばかりやっているわけにはいかないだろう。

ところが、タイガー・ウッズぐらいになれば、ゴルフしかできなくても食っていけるのだ。

『即戦力の磨き方』 大前研一の名言 3 〈432〉                           




➳ 編集後記

『即戦力の磨き方』はタイトルから推測すると、ハウツー本のように感じられたかも知れませんが、ハウツー本ではありません。
私たちが身につけるべき本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている本です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。



🔷 アメリカと日本のビジネスパーソンの違いは何か、と問われれば、こう答えます。

「個人重視」か「組織重視」かです。

アメリカでは自分という個人を売り込めなければ、猛烈な競争社会で勝ち残っていくことはできません。アメリカは明らかに弱肉強食の社会です。

一方、日本では個人よりどの組織に属するかが重要視されます。
一流大学を卒業し、一流企業に勤務することがステイタスだ、と考えられています。

ところが、日本社会もアメリカ流のリストラが普通に行われる時代になりました。企業業績が悪化すれば、大量解雇の嵐が吹き荒れます。
経営者は自分の経営能力の欠如を棚に上げて、社員を解雇します。

金太郎飴のような社員は、容赦なく解雇されます。「年功序列と終身雇用」という日本の伝統は完全に失われました。

ところが、企業が傾いてくると、企業に残ってもらいたい優秀な社員から先に辞めていきます。転社してやっていく自信のない社員はしがみつきます。

実は、アメリカ企業もリストラする企業ばかりではなく、「年功序列と終身雇用」を頑なに守っている企業もあります。

日本はアメリカから形だけ取り入れる傾向が強く、本来のリストラの意味を変更して導入しました。

リストラは元の英語はRestructuring(リストラクチャリング)ですが、この本来の意味は、「事業の再構築」です。「解雇」は最後の手段です。

日本では、「リストラ」を最初から「(大量)解雇」に適用しました。

解雇するはfireです。Mr.Johnson was fired.(ジョンソン氏は解雇された)のように使います。


話を戻しますが、日本の意味でリストラされないためには、大前氏が指摘しているように、

「分野はなんだっていい。その代わり、それに関しては余人をもって代えがたいくらいのレベルを目標にしなければ意味がない」

ということになります。


そうしたレベルを目標にし、到達するためには日々研鑽する、自分の得意技を徹底的に磨く以外にはありません。



⭐ 参考データをご紹介します。


大前研一氏がズバリ指摘「AI時代に生き残る人材の条件」

このウェブサイトで大前氏は、「AI時代に生き残る人材の条件」をズバリ指摘しています。

重要なポイントを抜粋します。中には反感を覚えるような内容もあるかもしれませんが、大前氏はいつも本音で語っています。

「21世紀の経済は、サイバー社会、ボーダレス社会、マルチプル(倍率)社会、そして現実の社会の四つが一緒になってできている『目に見えない経済大陸』だ、と私は『新・資本論』などの著作で20年前から述べてきました。目に見えないものは、誰も教えることができない。つまり、自分で探りに行くしかない」

「自分で学びたいことを選び、自ら学ぶ。そういう姿勢が不可欠です。

 教えられたことをひたすら覚えることが得意だった人たちは、これからAIに仕事を置き換えられてしまうでしょう」

「答えは覚えるものではなく、発見し、日増しに改善していくものなのです」

「リーダーシップを発揮するためには、IQはもちろん重要ですが、皆の意見を集約し一つにまとめていく過程で、EQ(心の知能指数)も重要になってくる。つまり、『こいつがここまで言うのなら、一緒にやってみよう』と周りに思わせることができるかどうかです」

「AIはやり方さえ教えれば、瞬時に答えを導き出します。そんな時代に求められるのは、自分の頭の中にある構想、思い描いた世界を『見える化』すること」


🔶 出典元: 週刊ダイヤモンド 2018年05月04日掲載



🔶 大前研一氏と私とは年齢が一回り違います。大前氏は1943年2月21日生まれで、私は1955年6月30日生まれです。

大前氏は、私にとってはメンター(師匠)です。もちろん私が勝手にそう思っているだけです。




🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。



大前研一オフィシャルウェブ

このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。

⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ




大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。








🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-09-22 21:04:08)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。



✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。












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