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大前研一 名言集 『サラリーマン再起動マニュアル』(41)

『サラリーマン再起動マニュアル』(41)

今回から『サラリーマン再起動マニュアル』から名言を取り上げます。

大前研一氏は、私にとってメンター(師匠)であり、グールー(思想的指導者)の存在でもあります。

大前氏の著作を読んでいつも感じるのは、物事の本質を捉える、ずば抜けた能力です。

凡人である私は大前氏の足元にも及びませんが、不断の努力を怠らず、一歩でも彼に近づきたい、と思っています。


『サラリーマン再起動マニュアル』

目次
 [イントロダクション]志のあるサラリーマンは、きつい仕事を厭わない

 第1章[現状認識]なぜ今「再起動」が必要か?

 第2章[基礎編]「再起動」のための準備運動

 第3章[実践編]「中年総合力」を身につける

 第4章[事業分析編]“新大陸エクセレントカンパニー”の条件

 第5章[メディア編]「ウェブ2.0」時代のシー・チェンジ

 [エピローグ]新大陸の“メシの種”はここにある

✅ 小学館  出版年月日 2008/9/29 

 

「ウェブ2・0型企業」と「ウェブ1・0型企業」の違いは、顧客のニーズの変化をすぐに感知して対応できる企業体質になっているかどうか、ということである

「ウェブ2・0型企業」と「ウェブ1・0型企業」の違いは、顧客のニーズの変化をすぐに感知して対応できる企業体質になっているかどうか、ということである

たとえば、日本の主要パソコンメーカーは、需要予測をして半年に1回のサイクルで新しいモデルを決め、あらゆる機能を詰め込んだ商品を出している。だから値段が高い。

いくら大々的に宣伝・販売しても、思うように売れない。

残った在庫はアウトレットで叩き売り。

その繰り返しで体力を消耗し、かつては日本国内で8割のシェアを占めていたNECでさえ、世界に出ていく力がなくなった。

ところが、世界トップレベルのパソコンメーカーであるデルの場合は、すべての顧客からダイレクトに注文を受けてオーダーメードで作った商品が10日で届く。だから需要予測は必要ない。

『サラリーマン再起動マニュアル』 大前研一の名言 1 〈485〉             



➳ 編集後記

『サラリーマン再起動マニュアル』 はタイトルから推測すると、マニュアル本のように感じられたかも知れませんが、いわゆるマニュアル本ではありません。

私たちが身につけるべき、本質的な事柄やスキルを具体例に即して大前氏が述べている普遍性のある本です。


🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。

あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。


大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います

私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。


➔ 大前氏の言葉は、いつでも私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。


🔶 世の中の動きは本当に速いな、と感じます。このブログを最初に書いた当時(2012年1月)、デルはパソコン販売で世界一でした。

わずか3年後の2015年現在では、デルは順位を大きく後退し3位です。

現在のパソコン販売世界一は、中国のレノボです。IBMがパソコン事業から撤退し、レノボに売却しました。

以前首位であった、2位のHP(ヒューレット・パッカード)が巻き返せるかどうか、というのが現状です。事実上、この2強の争いと言っても過言ではないでしょう。

日本のメーカーは、ことパソコンに限らず、携帯やスマートフォンにも当てはまる話ですが、めったに使わない機能やソフトを盛り込み過ぎるため、価格が高く設定されています。

ガラケーはその典型です。ついに、2017年度までに日本メーカーがガラケーの販売から完全撤退することが、決定しました。

それだけではありません。「ワクワクする」製品作りができていません。
顧客が驚くような「ワクワクドキドキ感」がないのです。

ですから売れないのです。

メーカーの技術力を誇示したい気持ちは分かりますが、顧客が求めていない機能やソフトを搭載することは、顧客の声に耳を傾けていない証拠です。

「自己満足に陥っている」、と言われても仕方がないでしょう。

iPhoneにしても他のスマホにしても、内部の主要部品を製造しているのは村田製作所やソニーなどの日本の世界的な企業ですが、完成品となるとアップルやサムスンの後塵を拝しています。
とても悲しいことです。


✅ ウェブ3.0は分散型社会を実現できるか? メタバースは現実逃避の場ではない

noteに定期的に投稿されている野口悠紀雄さんの記事が見つかりましたので、ご紹介します。簡潔にかつわかりやすく解説しています。

インターネットの新しい姿:ウェブ3.0

あえて端的に言えばブロックチェーン技術を用いたさまざまな活動を指す。

そして、それによって、「プラットフォーム企業」と呼ばれる巨大IT企業に支配されるインターネットの世界から、分散的な世界への移行が起きるだろうとされる。

連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質                  


ブロックチェーンには、実は2種類ある

「パブリック・ブロックチェーン」「プライベート・ブロックチェーン」と呼ばれる2つのタイプのものがある。
本来のブロックチェーンは、パブリック・ブロックチェーンだ。プルーフ・オブ・ワーク(PoW)、あるいはそれに類似した仕組みによって、記録の改ざん不能性を確保する。
プライベート・ブロックチェーンは、信頼性があるとみなしうる組織が、多数のコンピューターに情報を記録する仕組みだ。

連載:野口悠紀雄のデジタルイノベーションの本質                  



✅ パソコン業界の世界市場シェアの分析


PC・パソコンメーカーの市場シェアと業界ランキング(2021年)

順位    会社名     市場シェア
1位    アップル     25.6%
2位    レノボ      23.8%
3位    デル       23.5%
4位    HP        16.5%
5位    エイスース     4.3%
6位    エイサー      3.8%
7位    マイクロソフト   2.5%

PC・パソコンメーカーの市場シェアと業界ランキング(2021年)

  パソコン業界の世界市場シェアの分析 2022.05.28                   
                        
 
                              

10年でPC・パソコンメーカーのランキングが様変わりしました。
ただし、「2021年はアップルが金額ベースの市場シェアで初の世界1位」()となりました。

出荷ベースではランキングが異なります。

調査会社のIDCによる出荷ベースの2021年10-12月市場シェア

1位 レノボ 23.4%
2位 HP 20.1%
3位 デル 18.6%
4位 アップル 8.2%
5位 エイスース 6.6%

パソコン業界の世界市場シェアの分析 2022.05.28                   


市場規模が気になります。

2021年のパソコン業界の市場規模

 年      市場規模     成長率
2021年     3699億ドル    10.9%
2020年     3314億ドル    10.9%

コンピューター業界の市場規模推移 ©ディールラボ

   パソコン業界の世界市場シェアの分析 2022.05.28                   



⭐ 関連書籍



🔶 大前研一氏と私とは年齢が一回り違います。大前氏は1943年2月21日生まれで、私は1955年6月30日生まれです。

大前氏は、私にとってはメンター(師匠)です。もちろん私が勝手にそう思っているだけです。


🔶 大前氏は評論家ではありません。言うだけで自分では何もしない人ではありません。大前氏は行動する人です。だから大前氏の提言は説得力があるのです。


大前研一オフィシャルウェブ

このウェブサイトを見ると、大前氏の出版物一覧を見ることができます。
私は、大前氏の全出版物の半分も読んでいませんが、今後も読んでいくつもりです。

⭐ 出典元: 大前研一 オフィシャルウェブ



大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。




🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。

それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。

『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。





🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。


大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は7年前にAmebaブログで書きました(2015-05-05 21:27:07)。
「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。
私にとっては、いわばレガシィです。

その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長等を務める。 (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。


⭐ 今までにご紹介してきた書籍です。















⭐ 私のマガジン (2022.08.27現在)




















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