【回想録 由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い 第9回
🔷 「由美子が遺してくれた大切なもの」のうち「決して忘れることのできない思い出」の後半を掲載します。 🔷
タイトルは『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』
(ハードカバー 四六版 モノクロ264ページ)です。
2016年1月25日 発行
著者 藤巻 隆
発行所 ブイツーソリューション
✍『由美子のいなくなった夏 亡き最愛の妻への想い』(第9回)✍
「由美子が遺してくれた大切なもの」のうち「決して忘れることのできない思い出」の後半を掲載します。
由美子が遺してくれた大切なもの(2)
決して忘れることのできない思い出(2)
以前から、由美子と二人で、もう一度、旅がしたいという夢を持っていました。その夢は儚く潰えました。永遠に叶えられなくなりました。
いえ、そうではありません。一つだけ可能性があります。私があの世に行き、由美子と再会できれば、時空を超越して旅を続けることが可能です。肉体は滅んでも、魂は永遠に生き続ける、と信じています。
由美子の実体はもはやこの世にありませんが、仏となった由美子の魂は、私の心の中でずっと生き続けています。できることなら、今すぐ、夢の中で逢いたい! 話したい! 夢がいつまでも覚めないことを願いつつ–––––。
アルバム
そうした意味で、写真はいつまでも当時のことを鮮やかに思い出させてくれるものです。写真の中で人間は生きています。由美子と可奈、そして私の思い出がいっぱい詰まったアルバムを三冊作りました。このアルバムを一ページずつゆっくりめくりながら、当時を懐かしんでいます。
しかし、由美子のことを思うと、つらくなって泣いてしまいます。新婚時代の数々の写真、可奈が生まれてから成長する過程を撮った写真、が大半を占めています。残念なことは、近影がなかったことです。由美子は写真を撮らせてくれなかったのです。入院する以前の、健康で、はつらつとした表情の由美子を撮ることができなかったことは、とても残念に思っています。
入院中の由美子を撮影するつもりはありませんでした。点滴チューブや、腹水を抜くためのチューブを、腕や腹部に挿している姿を撮られたくないと思うのは当然のことだからです。私が由美子と同じ状況にあったら、断固として拒否します。ましてや、女性であれば嫌悪感を抱くのは言うまでもありません。
「己の欲せざることは人に施すことなかれと」や「己の欲することを人に施せ」という言葉があります。自分がされて嫌なことは他人にしてはいけないのは当然のことですし、自分がして欲しいことを他人にしてあげることも大事でしょう。ただし、自然体であることが重要ですね。
(PP.30-32)
➳ 編集後記
第9回は「由美子が遺してくれた大切なもの」のうち「決して忘れることのできない思い出」の後半を書きました。
アルバムを見ると、当時のことが映像とともに音声まで聞こえてくると感じることがあります。スティル写真ですが、動画のような映像となって蘇ってくるという感覚は理解できますか?
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