大前研一 名言集 『ロウアーミドルの衝撃』(12)
『ロウアーミドルの衝撃』(12)
「自分のことを中流」と考える日本人が、かつて多く存在しました。私自身もその一人でした。
しかし、いまや上流と下流だけといった二極分化の様相を呈しています。
派遣社員の首切り、正社員の激減、給与、賞与の大幅削減など従業員には逆風が吹き荒れています。
そうした現況を踏まえて、ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。
現実から逃避せず、現実を直視し、少しでも明るい未来像を描けるようになりたいものです。
ボーダーレス経済の時代には、国産にこだわること自体がナンセンスである
アメリカはもともと、人種差別など偏見の非常に強い国だったが、国の活力を高めるために門戸を開放して世界中から人間を受け入れ、今では偏見のほとんどない国になっている
アメリカの消費者は価格と品質で物を選ぶ
➳ 編集後記
ロウアーミドル(中流以下)という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が『ロウアーミドルの衝撃』です。
🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。
Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。
あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。
まず、やってみるという姿勢が大切です。
大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。私は、ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。
➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。
🔷 アメリカの消費者は、高品質で低価格であれば、どこの製品で
あるかは余り意に介さない傾向があるかもしれません。
一方、日本の消費者は、国産へのこだわりだけでなく、「ブランド」
へのこだわりが半端ではない、と思います。
他人と同じモノを所有したいと思うのは、「仲間」や「コミュニティ」
への帰属意識が強いからだ、と考えています。仲間はずれになること
を強度に恐れるからです。
「仲間」や「コミュニティ」に帰属することで、現在ではほとんど
いなくなった「中流家庭」への幻影を追い求めているだけなのかも
しれません。
今は、所有から利用へと移ってきています。
広範囲にわたってサブスク(サブスクリプション)が増えてきていますね。
この流れには3つの要素があるというリポートがあります。
下記をご覧ください。
⭐ 参考になるデータは下記のサイトでご確認ください。
所有から利用へと変わる消費-なぜサブスクリプションサービスが拡大するのか?
このリポートによれば、
「『所有から利用へ』という消費行動には、(1)モノを『買えなくなった』、(2)モノを『買わなくてもすむようになった』、(3)モノよりも『サービス(コト)を買うようになった』という3つの要素がある」
ということです。
つまり、減収や、「断捨離」やミニマリストの出現によってモノを増やさなくなった、モノ消費からコト消費への移行してきたということです。
「『所有から利用へ』という流れは、2つ目や3つ目の要素によって加速するだろう」と予想しています。
⭐ 出典元: ニッセイ基礎研究所 生活研究部 上席研究員 久我 尚子さん
所有から利用へと変わる消費-なぜサブスクリプションサービスが拡大
するのか?
大前氏は1995年の都知事選に敗戦後、『大前研一 敗戦記』を上梓しました。
🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。
『企業参謀』(1985/10/8 講談社)という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
『企業参謀』が好評であったため、『続・企業参謀』( 1986/2/7 講談社)が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。
🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。
大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。
この元記事は8年前にAmebaブログで書きました(2014-06-07 22:50:32)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。
✑ 大前研一氏の略歴
大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本の経営コンサルタント、起業家。マサチューセッツ工科大学博士。マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。
現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]、高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。 (Wikipedia から)
大前研一氏の略歴補足
大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。
その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。
都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。
大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。
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