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■第10回 一般社員も巻き込む「リファラル採用」との上手な付き合い方

1 人ごとではなく、一般社員も巻き込むのが「リファラル採用」

 「リファラル採用」をご存じでしょうか。人事関連の部署ならご存じの方も多いでしょうが、それ以外の方は聞いたことがないかもしれません。では、人事から「知り合いでいい人がいたら紹介してくれないか」と頼まれたことはありませんか。それこそが「リファラル採用」です。
 
 「リファラル採用」とは、一般社員の人脈による「紹介(あるいは推薦)採用」のことです。

 まだ頼まれたことがないという人も、今後自身のSNSの友人リストや住所録を検索し直す日が来るかもしれません。
 ちなみに「リファラル採用」がいわゆる「コネ(縁故)採用」と異なる点は、紹介(推薦)されても必ず採用するとは限らないことです。「コネ採用」でも必ず採用されるとは限らないという前提があれば、「リファラル採用」と呼んでよいように思います。

 「リファラル採用」は採用基準自体を変えているわけではありません。従来日本では一般的だったメディアに採用広告を掲載する採用(公募)や、合同説明会やホームページ(昔で言えば入社案内の冊子など)による採用、人材紹介会社を介した採用との違いは、応募の入り口にたどり着くまでのルートです。働き方改革が進む中で、人手不足感は高いままです。生産性は高めつつも、必要な人材はできるだけ優秀で仕事のできる人に来てもらわないと、あなたの仕事は大変になるばかりです。

 知り合いの「〇〇さんがうちの職場にいてくれたら、もっと仕事がはかどるのになあ」と想像したあなた。人事はそういう人を紹介してくれないかと考えているのです。

 では早速、本人に声をかけてみますよと言いたいところですが、事は単純ではありません。ということで、今回は「リファラル採用」を取り上げながら、日本の雇用環境が抱える課題についても触れてみたいと思います。

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