2018.11.01函館教育大学韓国語授業資料「友達紹介②」

友達紹介いろいろ ~その友達といつ知り合ったか~
                              
 今月の月末課題は、自己紹介、友達紹介、好きな人紹介です。どのテーマにも共通するのが、「人を説明する」ということです。人の説明というのは非常に多様で、「何に焦点をあてるか」で、説明する内容も変わってきます。昔と今を比較して「前は~だったけど、今は~」という説明のしかたもできると思います。「어렸을 때는 김치를 먹을 수 없었는데 지금은 먹을 수 있게 됐어요(小さいときはキムチを食べられなかったけど、今は食べられるようになりました)」とか、友達紹介なら、「고등학교 때 알게 됐어요(高校の時知り合いました)」「~이/가 계기가 됐어요(~がきっかけになりました)」というような、知り合った時期やきっかけも説明した人物紹介を考えていいんじゃないでしょうか?
 今日見る映画「建築学概論」には、主人公서연(한가인)が승민(엄태웅)の昔について승민の婚約者은채()に説明するシーンが出てきます。二人はどのように知り合ったんでしょうか?
<タイム 12:15~15:54、20:00~>
은채 : 팀장님 옛날엔 어땠는데요?
   (チーム長、昔はどうだったんですか?)
서연: 어 그땐 흉했죠. 엄청 흉했어요. 여자들한테 인기도 없었고…
   (ああ、あの時はダサかったよ。ものすごくダサかった。女の子に人気もなかったし)
은채 : 그건 지금도 그래요.
   (それは今もそうですよ)
승민 : 야, 둘이 사귀어? 콤비야?
   (おい、二人付き合ってんのか?コンビか?)
은채 : 근데 두 분이 처음에 서로 어떻게 알게 됐어요?  그찮아요(그렇잖아요),
   (ところで、お二人が初めてお互いどのように知ったんですか?そうじゃないですか)
겹치는 것도 없고 과도 틀리고, 뭐 소개팅이라도 했나?
   (合わさるものもないし、科も違うし、ソゲティンでもしたんですか?)
서연 : 아, 그 이야기 아직 안 했구나. 그게 얘가 나를 하도 쫓아다녔었거든요.
   (ああ、その話まだしてなかったよね。それがこの子が私をよくついて回っていたんですよ。)
승민 : 이건 또 무슨 창의적인 소릴까? 이게.
   (これはまた何の創意的な話だろうか?)

ちょっと韓台映画比較論
今日紹介した、「建築学概論」ですが、前回紹介した「チャンス商会」に引き続き初恋をテーマにした映画です。大学時代告白できずに疎遠になってしまった男女が15年ぶりに再会する話です。しかも、男の方がこれから別の女性と結婚するぞって時期に、初恋の女性が現れる話です。「わざと会いに来たんじゃないのか」っていうくらいタイミングがいいです。20年くらい前の大学生像が見られる映画ですが、今も昔もそんなに変わらないので、韓国の大学生活について知りたい人は見てください。
 ただ、この映画はハッピーエンドというわけではないので(ネタばれですが)、明るい映画を見たい人は避けたほうがいいかも。すごくモヤモヤします。
でも、このモヤモヤって韓国っぽいなとも思います。というのは、初恋を初恋のままで終わらせない(韓流代表作の「冬ソナ」もそんな感じでした)、会ってつらくなるのに会っちゃうパターンと言うのは、私の韓国生活上良く聞く話だからです。そして何より、このような映画を見ると、「韓国の恋物語」のベースには、常に「진달래꽃」のマインドが流れているなと感じます。진달래꽃とは、
진달래꽃(김소월)
나보기가 역겨워 가실 때에는
말없이 고이 보내 드리우리다.
영변에 약산 진달래꽃
아름 따다 가실 길에 뿌리우리다
가시는 걸음 걸음 놓인 그 꽃을
사뿐히 즈려 밟고 가시옵소서.
나 보기가 역겨워 가실 때에는
죽어도 아니 눈물 흘리우리다.
つつじの花(金素月)訳:蓮池薫
私が厭(いと)わしくて去られるときは
なにも申さず、そっとお見送りいたしましょう
寧辺薬山のつつじの花
この手いっぱいに摘んで、行かれる道に撒きましょう
おみ足を一歩踏み出すたびに どうか撒かれたその花を
じっと踏みしめてくださいませ
私が厭わしくて去られるときは
死んでもみません、この涙
という詩で、別れを惜しまず送り出しますよという、「別れの逆説的」な詩のことです。本当は別れたくないけど、あなたのために別れるとか、「無理するなよ」といいたくなる詩なんですけど、韓国の恋物語はこれがベースになっていたりします。これとは対称的なのが台湾映画です。台湾映画「あの頃、君を追いかけた」は、同じ「初恋」を上手い具合に昇華させている良作です。韓国とは反対にこの台湾映画は、「初恋は初恋のままでいいじゃないか」と思わせてくれる清清しさが5億点の映画です。ぜひ映画に興味がある人は、二つの作品を見比べて、韓国と台湾の情緒の違いを感じてみてください。
건축학개론(2012)
那些年,我們一起追的女孩(2011)

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