椎骨動脈解離の闘病記ブログ【退院後編】
この記事は以下の椎骨動脈解離で手術を選択した話【入院・手術編】の後日談です。
手術をしたのが2022年10月4日、退院したのが10月14日、これを書いているのが年を越して2023年の2月末(約5ヶ月後)となります。
抗生物質で薬疹がでる
退院後、心配していた傷口の化膿などは見られませんでしたが、身体に発疹がみられました。
虫に刺されたような赤いブツブツというよりは、お酒を飲んだ時にマダラに赤くなるような感じです。
顔や首元が一番ひどく、手足などの末端はそれほどでもありませんでした。
身体が闘っているのかなと思いつつも、なんらかのアレルギーだと怖く、薬を飲み続けてもいいのかわからない怖さもあり、入院していた病院に電話をして救急で診てもらうことに。
金曜日に退院して日曜日に救急外来でした。
発疹はあるものの、かゆかったり体調が悪い訳ではないので自力で病院まで行き、救急の入口から入ります。
待合にはもう一組待っている人がいて、かなりの時間待っているようでした。
待合の椅子から少し見える奥の病室ではテレビで見るような救急な雰囲気を感じます。生きるか死ぬか、そんな状況を毎日目の前にする現場ではとても働けないなと思いました。
1時間半か2時間ほど待ってようやく診てくれる先生が来てくれました。手術などをしているタイミングだとどうしてもそれくらい待つことになるので仕方ありません。
結果的には退院時に処方された抗生物質が強いものでそれによる薬疹の可能性があるので別の抗生物質に変更して様子見ということになりました。
飲み続けていたら危ない可能性もあったということで、水曜日の外来まで我慢してしまおうかとも思ったのですが、かなり安心したので診てもらって正解だったと思いました。
新型コロナで病院に行くことすら躊躇ってしまいますが、電話で事前に相談することなどで病院側の対応可否なども確認できたのでよかったです。
日常を取り戻すための新しい日常
激しい運動など、血圧があがるようなこと以外は基本的に禁止事項はありませんでした。とは言え身体は万全ではありません。
退院時の状態としては、
・術部周辺(右後頭部~右側頭部)の感覚麻痺
・傷跡の疼き(局所で擦り傷程度の痛み)
・首筋の痛み(動かさないことによるコリ)
・右耳上部の痛み(神経的なもの)
が残っていました。
寝るにしてもまだ右後頭部を下にしては眠れません。痛みがあって寝られないというよりは怖さの方が強いです。
また、傷口が化膿しないように常に清潔と乾燥を気にしていました。
先生には包帯は要らないと言われていましたが、無菌ガーゼを買ってきて傷口に軟膏を塗ったらそれが取れないように上からガーゼをふんわりとかけてテープで止めていました。
場所が後頭部なので自分ではできません。退院後一ヶ月間は毎日、朝と寝る前の2回、軟膏塗りとガーゼ付けを妻にお願いしました。
そのおかげもあってか、退院後に傷口が化膿したり感染症にかかったりして重症化するようなことはありませんでした。
ちょっとした不調は続く
退院した直ぐに元気になるというほど回復力が高くありませんでした。
寒い日は少し頭痛がしたり、原因不明の眩暈(血圧を下げる薬のせい?)が起こる日もあり、すべてが重大なことのように感じられて不安でした。
入院中も感じていましたが、元気な時でも普通にある腹痛(下痢)などでも不安を感じます。それでもいちいち病院に行くことはできないので様子を見ながら判断をすることになりますが、退院して1~2ヶ月くらいはそんな状態が続きました。
抜糸
2022年11月2日に抜糸をしました。術後約1ヶ月経っての抜糸です。
そうなると術後6日目くらいで抜糸したのは何だったのかと思うくらいです。もちろん個人差があるのはわかっていますが、これほどゆっくり抜糸してもいいのであれば、急いで抜糸する必要はなかったのかなと思いました。
この時の抜糸はまったく痛くありませんでした。糸を切るための道具が時々頭皮に当たる感触があって怖かったですが、耳かきをされる程度の怖さと痛さでした。
抜糸が終われば肉体的な制約はありません。抜糸前後では大して変わらないだろうと思っていましたが、抜糸後から首筋の痛み・コリのようなものは急速に回復しました。
やはり無意識に動かさないようにしていたみたいです。
円形脱毛
退院後二週間くらい経ったある日突然、左の頭頂部にハゲがあるのを見つけました。
それまで毎日傷口周辺を気にしながら軟膏を塗っていたのに気が付きませんでした。
入院や病気のストレスで抜けたか?と最初は思ったのですが、枕や風呂場で大量に抜けた毛を見た記憶がないので不思議でした。
幸いにも目立つ場所ではなく周囲の毛で隠せる感じだったので気にしないことにしました。ストレス性のものであれば気にしないというのも大事な行動な気がします。
そして抜糸の際に先生に聞いてみたところ、手術の際に頭を固定する器具が刺さった場所で、ショック性の一時的なハゲでしばらくすれば無くなるとのことでした。
ストレス性のものではなく、はっきりとした原因があるものとわかったので気にせず放置していたら年内には毛が生えてきました。
本当にツルッツルで毛根の存在すら確認できない程でしたが、それが元通りになったのは驚きです。
年内最後の診察と年越し
12月21日に年内最後の診察をうけましたが、特に問題がないことを報告するだけの診察でした。次は4ヶ月後の4月頭に術後半年のMRIを撮ります。
この頃は術後二ヶ月が経ってほとんど体調に問題はなくなりました。
傷口の痛みや疼きも、首筋の痛みもありません。
耳の痛みは少し残っていたかもしれませんが、これを書いている今はもうなくなりました。
傷口周辺のかゆみやちょっとした違和感は残っています。
かゆみはちょっと気になる程度で少し手でさすれば去っていきます。蚊に刺されたほどの強いかゆみではありません。
違和感・麻痺感は小さくなってきているものの続いています。違和感としては皮膚が少し弱くなっている感じのヒリヒリ感があるのと、麻痺感としては皮膚や頭蓋骨が少し浮いているような(と言うと大げさですが)無痛感があります。
ヒリヒリしているのに無痛というのも矛盾した感覚ですが、大きい面積では自分の頭を触っている感じがしない箇所が多く、局所では少し皮膚が荒れているような感じがします。
両方とも現時点では大したことではなく、いつか治ったら嬉しいですが、一生このままでも付き合って行けるレベルのものです。
先生には半年くらいかかると言われたので、あと一ヶ月程で元通りになることを祈ります。
2022年は厄年、それも本厄でしたが、なんとか手術を無事に終えて年越しを迎えられました。
最後にこの文章をどうやって〆たらいいのかわかりませんが、手術が普通に成功して生きている人が実在することの証となればと思います。
これを読まれている方は現在、様々な不安の渦中におられるかと思いますが、少しでも不安が和らぐことを願っています。
原因不明なので気を付けるのはなかなか難しいですが、私も再発しないように祈りつつ、首をポキっと鳴らす癖は止めたいと思います。