金利上昇の天井が見えた?
なぜこのようなテーマにしたかというと、下の記事がきっかけでした。
なぜ年金ファンドがレバレッジを効かせて運用してるのか、分からなかったからです。
日本でいうとGPIF。年間平均3.47%の運用成績です。
こんな安全資産しか扱わないファンドがどうして金利が少し上がっただけで、25兆円(1500億ポンド)の損失が生じ、株や債券を売らなくてはならなかったのでしょうか?
そこまでリスクをとって運用しなくてはならないのか?日本人の感覚だと理解できないと思いますが、それは求められる運用利回りに違いがあるようです。
これは各国の年金基金のポートフォリオです。
残念ながらイギリスのデータがなく、北米や北欧に近いものとしてみてください。
明らかに株式の割合が大きく、景気変動の影響を受けやすいポートフォリオとなっています。
もちろんリスクが高い分だけ運用利回りも高くなっています。
イギリスの場合、さらに国債の購入にもレバレッジを効かせているため、よりリスクが高い状態です。
本来であれば一時的に債券価格が下がっても、上がるまで保有していればいいのですが、レバレッジを効かせると価値が下がった時にマージンコール(追証)が起こります。
証拠金を払わないと強制ロスカットさせられるわけですが、損失が25兆円とあるので急激な利上げにより証拠金の投入が間に合わずロスカットされたようです。
インフレ率が低い日本では実感が湧かないと思いますが、インフレ率以上の運用益がでないとなると払った積立額よりも目減りした年金を受け取らなくてはならなくなります。
ですので、インフレ率以上の運用益率を求められているわけです。
今回はイギリスだけが取り上げられていましたが、他の国も同じようなことが起こっていたのだと思います。
自分はこのことが金利上昇の転換点になったと思うのです。(もちろんこれだけが要因とは限りません)
転機はこのG7で、急激な利上げ、ドル高を懸念する声が各国からあがりました。
イギリスとしてはアメリカが利上げするとイギリスも追随しないといけない(トラス政権は利下げしようとして失敗)から、あんまり利上げはしないでほしいというようなことを言ったのでしょうね。
このあたりから金利が天井をつけたのではないか?という空気感がでていました。
先日のCPIは予想よりも低い結果となり、結果としてさらに金利が下がりました。
もちろんまだ結論を出すには早いですが、少しずつ金利上昇が落ち着いてきたと思われる材料が続々と出始めてきました。
理屈としては欠ける部分も多く、肌感覚で判断している部分も多いのですが、この判断が当たったのか外れたのか数カ月後に検証してみたいと思います。
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