固定と変動で異なる金利変動要因
前回のblog(住宅・アパートローン金利が上がらないと考える理由)を書いた後に、メガバンクなど大手銀行が住宅ローンの10年固定金利を0.05~0.2%上げるという記事がでました。
前回のブログの内容では言葉足らずの部分があったため補足も含めて、固定と変動で金利が変わる要因が異なるということを説明します。
まず固定金利は10年国債利回りで、変動金利は短期プライムレートで決まります。銀行の行内事情により金利が変更することもありますので、全ての銀行が10年国債利回りに連動しているわけではありませんが、現在の状況を説明するには有効です。
下のグラフを見ていただければ、2つが連動して動いていることが分かります。
※住宅ローン【フラット35】の金利は、基本的に市場の長期金利を反映して決まる仕組み。
10年国債利回りの推移を見てみます。
ご覧の通り、10年国債利回りはここ2年ほど上昇傾向にあります。
であれば、今後も固定金利の上昇は続くだろうと考えてしまいますが、日本銀行が0.25%付近で無限に買い(指値)オペを行うと提言してますので、日銀が買いオペを行っている限りは、10年国債利回りが0.25%を超える可能性が低いと考えます。
変動金利はどうでしょうか。
短期プレイムレートは、2009年から現在に至るまで変動はありません。
1.5%前後を推移しています。
短期プライムレートは政策金利に影響を受けます。この政策金利も2016年に-0.1%と決まってから現在に至るまで変動がありません。
政策金利と変動金利の関係性は以下のグラフを参照。
前回の記事にも記載しましたが、黒田総裁は金融緩和の継続を表明しています。
金利が上がるとしたら、インフレ率2%と賃金上昇の2つの目標が達成できたと日銀が判断してからですので、変動金利が上がるにしても少なくとも来年以降であると思われます。