キャプテン翼でメチャクチャになってしまった人間の話
キャプテン翼。このタイトルを見て、人は何を思うでしょうか。
ある世代の方々にとっては、イノセントな記憶。ある方にとっては青春の破片。そしてリアルタイムからはぐれた者たちにとっては「ぼんやり知っている、ボールが友達である少年の物語」という認識ではないでしょうか。私にとってはそうでした。主人公のキャラクターはうっすら知っているけれど、詳細なお話までは知らなかった。
しかしその淡く牧歌的な印象の物語に、夏をすっかり捧げ果て、ついにはメチャクチャになってしまう日が来るとは思いもしませんでした。
キャプテン翼。それはひとかたまりの烈風。情緒も情熱も何もかもを最大出力で巻き上げながら容赦なく通り抜けていき、ちっぽけな自分は砂塵のようにメチャクチャになりました。その顛末を語ろうと思います。
DAZNでなぜか配信されていた。
DAZNとは、スポーツ専門の定額制動画配信サービスです。
我が家では自分以外の人間が契約し、契約者だけが観ているものでした。わたしはスポーツ観戦をする習慣がない人生を送ってきたので、「海外のサッカーがやってるっぽいサブスク」位の認識でおりました。(※他のスポーツもいろいろ観れます)
生活の背景で流れていることはあれど、能動的にみたことはなかった。このサービスに夏を骨抜きにされる事も知らず。
ある日、土曜の夜に家族がDAZNでアニメをみていました。ほぼアニメを観ない人間なので、珍しく思いながら私も一緒にみました。ふだんイングランドのプレミアリーグ等が流れていたインターフェイスの中に、アニメのサッカーが映るさまを面白く感じたのが最初の動機でした。
そうして謁見したのが、かのキャプテン翼でした。
初見即、驚愕しました。少年の爽やかなサッカー成長譚かと思った印象からはだいぶ一線を画した、度肝を抜かれるエキセントリックな展開。私は何を見ているんだ??
ゴールキーパーの男の子は、ゴルフボールや硬球や槍をゴールに投げ込まれ、それを華麗にキャッチしていました(????)
主人公の男の子は、ゴールキーパーの豪邸に「ちょうせん状」と書いたボールを山の上から豪速球で蹴り入れておりました(?????)
激闘の上、最終的にゴールポストにキーパーが激突し、流血していました。(!!!!!)これがごく爽やかなトーンで描かれるのです。嘘ではないんです。なんだろう、これは。
ぎょっとした口のあんぐりは、それ以後このアニメを観ている間、ふさがることはありませんでした。基本的な感情としてまず唖然のレイヤーがあり、その後ろに話の筋がサーっと流れゆく不思議な作品でした。
しかし、その驚愕と唖然は時代を超える脚力を持った、磨き抜かれし上質な物なので、奇異に思えたその展開にも完全に膝をつき、普通に物語を楽しむフェーズに入るのにそう時間はかかりませんでした。
「えっ」「待って」「いまの何…?」みたいなツッコミは本当に愚かでしたし、正直、最初の自分の反応には書いててイライラしてます。どうかお許しください。
ちなみに私が遭遇したキャプテン翼は2018年のリメイク版アニメで、こんなふうに小学生編と、中学生編があります。
全52話。完全なる大河です。もともとは週に一回ゆっくりと、この大河を飲み干していく日々を楽しみにしていました。しかし小学生編をほんの10話みた段階で、DAZNの配信が2020年の8月末で終了することに気がつきました。えっ…あと20日しかないんですけど、、、。
さすがにあと20日で42話みることは難しいだろうと諦めかけたのですが、この時点で比類なき唖然の虜になっていたため、盆の休みはどこにもいかず、ひたすら鑑賞に費やしました。たのしみにしていたドラマもバラエティも、撮りためていた映画も、全て後回し!!せめて小学生編だけでも最後まで観る心づもりで挑みゆきました。
キャプテン翼という物語の独特の構造
キャプテン翼は、タイトルの通り、大空翼が主人公なのですが、この人は持ち前のセンスと才能でどんな技も会得してしまう、最強かつ絶対不敗の天才です。「永遠のサッカー小僧」確かにそうなのですが、小僧なんて生やさしいものではないように感じました。
五角形がほぼフルで塗りつぶされたパラメーターがドン!とそこにあり、そこに苦悩や伸び悩みが発生することはほとんどありません。厳密に言えば、未習得の技を頑張って練習するタームはあるのですが、翼さんは死ぬほど努力する才能まで持ち合わせているため、勿論それは試合でバッチリ開花します。
メチャクチャになってしまうのはライバル達です。欠けのない球のような存在を前に、嫌でも自分の足りなさを目の前に突きつけられてしまう。
それは身体能力やセンスに留まらず、経済状況や、健康状態や、グラウンドの降雪量(!)にまで及びます。自分の力では泣いてもわめいても超えられない壁にきれぎれになりながら、必死にもがくのは数々の相手校で、それを蹴散らしながら翼が率いる南葛はガンガンに勝ち上がっていきます。
私はその散ることを知った輝きからどうしても目を離せず、どちらを応援したらいいのか分からなくなり、情緒が千切れてバラバラになりました。キャプテン翼はそういう恐ろしい構造を持った物語でした。
中学生編で即推しを発見してしまった。
中学生編は3年後の世界。翼さんたちは中3になりました。OPの曲調も格段に大人っぽくなり、全体的に選手たちの体格がよくなりました。
小学生時代「ボールは友達!こわくないよ!」とにこにこしてた翼さんは、「聞こえなかったのか?5対4だ!!」と休憩したがる部員たちに、お叱りを飛ばす厳しめのキャプテンになっていました。
推しとの出会いは突然でした。厳密にいえば、推しは小学生編にもずっとそこにいました。額にバッテンの傷をつけて確かに居たのですが、スポットが当たらなかったため、熱いスピリットを知らなかったのです。大友中学のキャプテン、浦辺反次先輩。
大友中学は、打倒南葛を掲げて練習量を重ねて重ねてかさねまくった臥薪嘗胆の権化のようなチームでした。闘争心を忘れぬために往復30キロかけてランニングコースにライバル中学まで走ってくる。ちょっとどうかと思うほどの執念。
この情熱が小学生編をみとどけ、主人公チームを応援しながらも心のどこかで「たのむ!誰でもいい!!大空翼を倒してくれ!!!」と禁忌のような願いを秘めた自分の心に突き刺さりました。
浦辺先輩は小学生の頃、翼さんと同じ南葛SCのチームメートで全国優勝しながらも、優秀選手に選ばれなかった。このことにずっと劣等感を抱きながら自分を磨いてきたひとで、わたしはこういう「負け犬たちのワンスアゲイン話(byライムスター宇多丸氏)」に死ぬほど弱く、反逆の物語を背負ったひとを応援せずにはいられないのでした。
このあたりが自分の半分以下の年齢のキャラクターを先輩付けで呼ばずにいられない心境の源泉です。
全52話ビンジ即、ゲームが発売されてしまった。
晴天の霹靂がごとく、稲妻に打たれたため、中学生編も完走することを決意しました。この時点でもはや8月は残り10日を切っており、一日に消化できる限界量と、週末に物語を噛み締めながら鑑賞できるぎりぎりの本数を算出し、そのスケジュール通りに消化していきました。
毎朝起きるたびにキャプ翼の続きが観られる黄金の日々。もう、自分の走馬灯のアーカイブをこれにしてほしいくらい幸福な毎日でした。
あんなにも勝気に登場した大友中の新田くんへ、ラストパスがどうしても通らないことの絶望的な焦燥。浦辺先輩のキャプテンシー。好戦的な割には、負けを認める潔さがかっこよかった東一中の早田くん。夢にまでみた立花兄弟の空中絶技・スカイラブハリケーン。またぜったいに戦えると思っていた武蔵野中学の三杉くん。声が平川大輔さんであるということに最後まで気がつかなかった、比良戸中学の次藤くん。大抵の人類は惚れてしまう、キングオブキャプテン松山光くん。東邦学園の半沢直樹ばりの土下座ざんまいからの、肩まで腕まくりして応援せざるをえない、猛虎の悲痛な叫び。
応援上映というくらい喉は枯れ、ぼろぼろになり果てながら、52話をついには完走しました。
よれよれになって見届けた喜びと、もう明日が分からなくなるくらいの寂しさがドスンと襲ってきて、何を目に映して生きればわからなくなったときに「キャプテン翼のゲームが出る」という情報を得ました。しかもたった数日後に発売だというのです。でもサッカーのルールをろくに知らない私でも遊べるだろうか…。
カッケーーーーー!!!!!!!!!買います!!!!!!!!
好戦的な自分の発見
(こちらはPS4版ですが、Switch版もあります)
ゲームはとても丁寧に作りこまれ、すみずみにまでキャプ翼の世界観が反映されておりました。UIデザインが非常に格好よい。後ろ姿の決め絵が震えるほどクールだ。特にうれしかったのは、キャプ翼の中で最もわたしが愛している「唖然とさせてくれる」要素がバッチリ入ってるところでした。Amazonの評価がぱっきりと分かれてるけれど、雑で愛の無い作品ではぜったいにありません。難易度は、自分の腕を磨いて、なんとか頑張ろうと思いました。
割と深刻なバグもありましたが、バグすらキャプ翼らしく愛おしく思えました。(バグも今後のアップデートで改善されるとのことです)しかしとにかく操作は難しくて、泣きたくなるくらい何もかもが全く思い通りになりません。
今までゲームは、自分のペースでのんびりと遊べればいいと思うタイプだったのですが、絶対に絶対に絶対に勝ちたいという闘志ばかりがメラメラ燃え上がりました。我がことながら、様子のおかしさを感じていました。
元より、8月を境に私のSNSは平常じゃなくなっていました。今までの自分のつぶやきは、主にうちの猫のことでした。それから日々の暮らしと、すこしの映画や本。どれもささやかなことばかりです。たまに何か熱いコンテンツを見つけたときも、感想文の花火をぱっと打ち上げたあとは、わりと落ち着きを保っていたように自分では思っています。
しかし今年の8月のわたしは完全に熱に浮かされて目玉が充血していました。口調がおかしい。ゆっくりと推敲ができない。毎日少しずつ自分のフォロワーが減っていく。だけどどうしてもこの情熱を止められない。
このつぶやきが自分の器を超えた範囲に拡散されたため、オーディエンスのみなさんが非常に増えて、どうしたらいいか分からなくなりました。素人がただ趣味を楽しんでいるだけなので、申し訳なくて縮こまりました。それでもやっぱり私の目はガンギマリで、情熱に踊らせられるままに、脳直でぼろぼろつぶやきました。
私が正常じゃなくなっていることを認めながらも、声はかけず、たまに「やってるね」という感じでいいねを置いていく昔からのフォロワーさんがとてもありがたかった。止められないマグマのようになりながら、同時に恥ずかしくて照れくさくて、放ってかれることがうれしいと思いました。
日々、スワンボートにドカッと1人で乗り、高速でぐるぐる池の中を漕ぎまわるような日々を送っていたところ、つつーっと同じボートで横付けして、声をかけてきた船乗りがいました。突然ゲームの戦績をボカン!と送られて驚いたものの、孤独死しそうな心がひどく慰められました。わたしは孤独だったのか。。ゲームだこのついた手のひらを見ながら、ぼんやりしました。虎から人間にもどることが出来たような心地でした。その後、船乗りの人とは汽笛を鳴らし合ったり、甘噛みの威嚇をしたり、雑な交信をさせてもらってます。
同じゲームをプレイしている人がTLに居るということは、とても心強く喜ばしいことでしたが、依然としてゲームの操作には日々苦戦していました。わたしはじぶんで思うよりも、どうやらかなりゲームが下手なようでした。まず、パスを送る意味が分からない。ゴール前での振る舞いが分からない。ポジションの全部が分からない。あまりにも分からないので、サッカーのことを多少勉強したりしました。
すると、すでにクリアしまくっている先輩プレーヤーが、親切にもアドバイスをくださいました。当初わたしは非常に人見知りであることと、全部自分でやりたい頑固な気持ちがあり、アドバイスはNO!!と思っていました。
ある日、自分のつぶやきに付けられた引用RTを見て、私は文脈をよく理解しないまま、喧嘩をうられてるのかと思い、びきびきに威嚇しました。(比喩です)一週間近くプレイしてもどうしても勝てないこと、知らない人に突然構われることのストレスから、私は非常にナーバスになっていました。
その後、その方から菩薩のように優しいDMを頂き、平謝りで和解したものの、ただただ心配してくれた人を相手に申し訳ないことをしてしまいました。もらったメッセージを読むと識者の方の知恵は最短距離で効き、自分がなぜゲームが下手なのかよくわかりました。反省したので、全部を突っぱねるのではなく、信頼できる方のお知恵はありがたく借りようとおもいました。
(優しいアドバイスに、失礼な威嚇をしてしまうことがあったら申し訳ないので、基本的には猛獣はオリの外から眺めてもらえるとたすかります。私が知りたがっていることを汲み取って、丁寧に教えてくれた諸先輩方には一生感謝しております、、)
現在は、決勝まで進み、猛虎にひたすら怯えています。でも少しずつ出来ないことができるようになる喜びも味わってます。ちょっと前まで、パスをするという概念すらなかったため、パスが繋げるだけ、タックルでボールが奪えるだけでも「サッカーぽい!サッカーしてる!!」とよろこんでいます。
まだまだ、操作はうまくいかないところだらけだけど、自分の中の猛獣をなだめながら、いつしかストーリーの全部を網羅できるよう頑張りたいです。そして大友中に入学できるDLCが出てほしいです!!
パイセンがたの優しさ
キャプ翼は歴史の長い作品なので、大先輩方がこの大海原にたくさんおられることを知っています。山賊のようなルーキーのわたしに、ソーシャルディスタンスの外側から、ふわっとご反応を頂いている気配がさざめきのように伝わってきました。
こっそりとDMで聖地のおすすめのお店や、聖地の写真を送ってくれた方や、好きなキャラクターのグッズがないことを嘆いていたら、ご自分が描かれたファンアートを送ってくれた方もおられました。(優しい、、)ほんとうにありがとうございます。ゲームが下手すぎて苦戦している様子にがんばれ!がんばれ!と空リプで言ってくださってるのもこっそり見つけたりしました。作品のことをずっと応援し、だいじにだいじにしてくれた方々のことを、とても尊敬しています。
めくるめくメチャクチャ
私はいままで、何かに没頭して徹夜をしたことがありません。
課題や仕事のためにも、夜を越えたことが一度もないのです。深夜の作業に差し掛かっても絶対にAM2時には寝ますし、もちろん、ファミレスオールで外で夜を明かしたこともありません。地味でつまらない人間なのです。なので映画や小説、物語の中で、衝動のままにメチャクチャになってしまう人たちにこっそりとあこがれていました。
たまにロング缶のお酒をかって、能動的なめちゃくちゃを試みるのですが、半分も飲まないうちに眠たくなり、日付変更前にラップをかぶせて冷蔵庫に片付けてしまいます。食器を洗わずに寝たことは、人生でただの一度もありません。逸脱から遠い性格をしています。メチャクチャになるということは私から遥か彼方のもので、ずっとぼんやり焦がれていました。
それが、今はどうでしょう。とてつもない課金をしたわけでも、徹夜はおろか、寝食をわすれたわけでもないけれど、今じぶんは、明らかにめちゃくちゃの中を生きているという実感があります。ひとりぼっちの熱狂の中にいる。夜はゲームをするので、飲酒を一切控え、集中力が鈍るので食べ過ぎないようにし、選手が頑張っているので、なぜか筋トレするようになりました。
この嵐がわたしの人生にとって、いいことなのかどうかは分からないけど、日々ふつふつと沸騰するような自分のありさまを、傍観者の自分は楽しんでいます。せっかくなので、こんなにも我を失える喜びを噛みしめながら、圧倒的なコンテンツの力に、ひれ伏そうと思います。
これだけ語りましたが、わたしはまだ膨大な原作漫画という特大の琵琶湖をのこしており、沼にはほんの足さきを浸した程度の人間です。一度に一気に摂取してしまうのはもったいない気持ちと、できるだけ長くこの沼を楽しみたい気持ちから、ひとまず今はゲームの攻略をがんばっていますが、いずれ原作も揃える気はまんまんです。水深の分からなさに自分がどうなってしまうのか、恐れながらも楽しみにしています。
以上が私の上を通り過ぎた、暴風の顛末です。何かにクレイジーになれる多幸感の温泉にたっぷり漬かりながら、精神を休ませたり高揚させたり、いのちをドラム式でガンガン洗濯されるような心地を味わっています。
力のあるコンテンツに、めろめろになりゆく皆さまが、愛する作品にぺちゃんこになったり、お腹いっぱいに食べ尽くしたり、目一杯の耽溺を楽しめる世界でありますように。
illustration:イタガキユウスケ
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おまけ
以下にはキャラクターにまつわる所感を書いてます(読まなくていいです)
・9/28…2名追加。
大友中学
大好き。この気持ちをどうしたらいいかわからないんです。新田くんの学ランでのイキりのすごさも好きですし、戦いの中で強さを身に付けゆくところも好きですし、存在感がラドンに似てるなあとおもっています。大友カルテットの分厚すぎるディフェンス陣がすきですし、西尾くんの素朴なお顔がすきだ。浦辺先輩にいたっては、上でさんざん書いたのにまだ足りないくらいメチャメチャのクチャクチャに格好いい。責任は自分が取り、手柄は部下に渡す理想の上司。グッズが泣くほどなんにもないので、粘土でもこねようかと思っています。
南葛中学
ゲームを始めてから、DF陣に対する愛があふれています。とにかく高杉くんの頼もしさがすごくて、小田くんのこまやかなスライディングには本当に助けられてます。この2人はちょっとお顔が似ているので、隣に配置すると兄弟みたいでほのぼのします。個人的にサイドバックの石崎くんがうまく使えた日は調子がいいので、わたしのゲームの勝敗はけっこう石崎くんにかかってる。かっこよくオーバーラップを狙いたい。翼さんのことは神だとおもってるので操作するのが恐れ多いです。わたしのオフェンスが弱すぎるため、修哲組の良さを引き出せていないことがとても悔しい。がんばります。
岬くん
優しい〜。ミスした仲間に誰より早く「ドンマイ」と声をかけてあげられる人。やさしく声がけして、ケアまでできる上にサッカーが死ぬほど上手い!ボーテ!100点!!フォロワーさんにスピンオフがあることを教えてもらって「ボクは岬太郎」を読んだのですが、あまりに健気すぎて泣いてしまいました。身近な人間も、とにかく岬くんが大好きで、このコラムのイラストは、中学生編のキャプテンたちを描いてもらったはずだったのですが、気がつけば中央にドンと岬くんがねじこまれていました。
若林くん
若林くんは他のキャラクターに比べて等身がすこぶる高く、非常に大人っぽかったので、年上のお兄さんかと思ったら、翼さんの同級生でびっくりした覚えがあります。最初は見上さんのことをずっとお父さんだと思っていたのですが、専属コーチとのこと。ご両親がとくに大会を見に来ている気配が無いので、この大人っぽい面差しの少年にも授業参観に親が来られないような、寂しい胸の内があるのかなと勝手に想像して切なくなっています。普通に観客席にペアレンツがいたら、ごめんね!!!
森崎くん
私があらゆるキャラクターの中で一番頭を下げたい方です。とにかく自分がゲームの中でばんばんシュートを打たれてしまうため、GKの森崎くんの頑張り頼みというシーンが非常に多く、日々胸が痛んでいます。けれどどんなときでもガッツでボールを取ろうとしてくれて、そのなんと必死な表情。魂のきらめき。とてもとても格好いいのです。スーパーセーブというコマンドでどんなボールでも必ず取れる技があるのですが、そのときの「体のどこかに当たってくれ!」のモーションには涙がこぼれます。こんなことまでさせて…ごめん…!!親御さんにも謝りたいです。
あねご(早苗ちゃん)
応援団長姿のあねごが大好きだったので、中学生編になって、どうしちまったんすかあねご!!!と心の中で叫んでました。しぬほど嫉妬深くて、勝気で、だけどそこがチャーミングで、でっかい応援旗ふってる姿が眩しいあねごが好きでした!!せめて最終戦では応援団長の姿を見せてほしかったーーーー!!という気持ちがずっとあります。そこにゆかりちゃんと、久美ちゃんも連帯してくれたら最高だなあって。これは「そうしろー!」ということじゃなくて、見たかったなあという願望の気持ち。あねご!世界一幸せになってください!!
東一中
剃刀シュートという名前があまりにもよすぎる。すごくすごく強そうな響きの上に、なんと二枚刃。おもしろすぎる。ユニフォームの色合いが大友中学の次に好き。早田くんはとてもいいキャラをしているので、アニメでもっとゆっくり見ていたかった人の一人です。ゲームで唯一いっぱつで勝たせてくれた学校なので、わたしのモチベーションに大いなる貢献をしてくれた。恩を感じています。
花輪中学
みんな大好きスカイラブハリケーン。あらゆるの中で一番すきだ。このインパクトにはもうだめになる。メチャクチャすぎる技なんだけど、ちゃんと双子の片っぽに足の負担がかからないように、交互に発射台役をやっていたり、実は細かいんですね。双子のキャラクターって相似のデザインが多い気がするのですが、立花兄弟は完全なる一卵性なのでぜったいに顔だけでは政夫か和夫かわかりません。ゲームでは10日間かけて挑み続けて、やっとPKで勝ったというくらいほんとうに難関でした。しかし50戦するうちに「キャプテンマークを付けてるほうが弟」という見分け方を覚えられました。
比良戸中学
チラッと出てきた瞬間から、佐野くんの妖怪めいた存在感がとても気になっていたのですが、小さな体に狂犬じみた闘志を秘めていたので好きになってしまいました。道の駅で見かける、土産物のような可愛らしさ。本気を出すと、目かくれキャラの目がぎらりと出てくる演出はきっと一生好きです。次藤さんは動くときのガキンガキンいう金属音がすごすぎて、突き飛ばされたら命の終了という驚異を強くかんじました。ぜったいにガンダニウム合金で出来ているとおもいました。
三杉くん
中学生編OPでみた三杉くんの部屋がすごくて、その驚きの中に今もずっといます。中学生のお部屋とは思えないどころか、もはや霞ヶ関を感じる。政治家の執務室でした。私服も大人っぽすぎて、見るたびにこの人が中学生だったことを後追いで思い出し続けています。彼の運命のままならなさが、本当につらくて、特大のどうしようもなさを背負いながら、自分の役割をまっとうする三杉くん。何がなんでもとびきり長生きしてほしいという気持ちばかりです。
ふらの中学
ふらのというか、松山くん。松山くんを通り過ぎた人類は、みんな松山くんのことが好きになってしまう。人間性がすばらしすぎる。いざ!というところで仲間にとっておきの花を持たせられる。対戦相手のことすら守ってしまう。士気を上げる不屈の声がけ。青春のぜんぶを担った空港のあれこれ。地方のつらみが東北出身の自分の心に矢のように刺さってくる。アニメで松山くんを見る前、「松山くんがすきです!」とフォロワーの方がものすごい長文で語ってくれました。その熱さがすごかった。だからものすごく気をつけていたので、惚れずにすみました。でもあぶなかった。松山くんは格好良すぎます。
東邦学園のMFたち。
沢田タケシくんと、小池秀人くん。マスコットのように可愛らしいお顔の人たちです。東邦はライバル校で、黒いユニフォームで、主将が大変いかついけれど、ポムポムプリンやスヌーピーみたいなかわいいお顔の人たちが中盤を守ってくれているところが素敵です。東邦の試合はとにかく熱くて恐ろしいので、サンリオキャラクターのようなひとたちが視界の中に見えるととてもほっとします。だけど、東邦は2軍や3軍がいるほど、熾烈なポジション争いがある実力主義の学校なので、その中で中盤に君臨している彼らの努力の日々を思うと胸があつくなってしまいます。
若島津くん
出てきた瞬間からずっとすごい。ふらの戦のとき、ずだぶくろ一個で徒歩で来た、あのうつくしいお化けが出てきたような衝撃は忘れられません。
全長が長い。髪の毛も長い。ずぼんも長い。姿を思い出そうとすると、あらゆるの長さが脳の情報にまず入ってくる感じです。とにかく全体的に長く、そしてうつくしい人だとおもっています。最終戦で、お父さんがカットインしてきて「健!手刀だ!」の瞬間の破裂するようなおもしろさが本当に凄まじくて、のこり50年くらいは愉快に生きられそうな気持ちをもらいました。
日向くん
キャプテン翼中学編の主人公は、ずっと日向くんだったと思っています。ぜったいにこの人が、誰よりメチャクチャになっていたからです。中学生編オープニングの曲も日向くんの曲だと思ったし、どう考えても主人公でした。監督に土下座するとき、ジャージの上に制服の上着だけばさっと雑に羽織っていた、礼儀を重んじる意識と、謝りたくなさの間の気持ちが表現されたあの詫びの入れ方。複雑な気持ちの可視化が最高でした。(しかもうっすらと面白みも帯びている!)タイガーショットという必殺技の名前は、猛虎が自分で考えたのかとおもったら記者が勝手に名付けてたんですね。素直に使ってあげて、優しいなあとおもいました。
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ひとまず、今回はここまでにします。まだ、海外の選手については、何もかもを知らないので、新たなる素敵な人々を見つけ次第、ここに追記していこうかな…と思っています。
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