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初回サービス説明で、CSが意識すべき2つのポイント

私はだれ?

不動産会社向けのクラウドサービス(SaaS)を提供している会社、イタンジ株式会社という会社で、CSをやっています。

僕はノマドクラウドというサービスのCSをやっており、ノマドクラウドは不動産会社向けの顧客管理&営業支援のシステムになります。

サービスをもう少し詳しく説明すると、以下の通りです。

誰が使うの?:お部屋探しを手伝ってくれる不動産屋さん(仲介業者)

何ができる?:お部屋探しをしているお客様の顧客管理、お客様とのメッセージとのやりとり(メールやLINE)、お客様へのお部屋のご提案など

導入する主な目的は?:顧客管理、業務効率化、成約数の向上

サービスの詳細はこちら

オンボーディングの鍵を握る、初回サービス説明の重要性

SaaSの導入で、もっとも重要なフェーズは、サービス導入の初期でしょう。

導入時にもたつくと、オンボーディング(現場がサービスを使い、運用に乗っている状態)までの難易度がどんどん高くなり、その後のアダプション*やエクスパンション*にも影響します。

アダプション等のフェーズについては以下の12スライド目が参考になります
https://www.slideshare.net/NatsukoOkada/5minutes-cs

サービス導入初期は、やることが色々あると思いますが、BtoB向けのサービスであれば、サービスの利用説明(説明会)をやっている会社が多いと思います。

今回は、このサービスの利用説明に関して、僕が意識しているポイントを話していきたいと思います。

サービス説明をしている間、僕が「常に」意識していること

サービスの説明をしている最中に、常に意識していることが2つあります。

1)ゴール

1番意識していることがゴールです。

僕が担当しているサービス「ノマドクラウド」では、初回のサービス説明で一部の機能しか説明しません。

例えば、1回目のレクチャーでは、既存業務をノマドクラウドで行って頂くために必要な機能 + アルファのみ説明しています。その他の機能説明は、基本機能が使えてきたタイミングで実施。

理由は、既存業務をノマドクラウドで行って頂くことを最優先しているためです。とにかく、まずは基本的な使ってもらうこと重視!

つまり、ここをゴールとしています。

ゴールが明確になっていれば、レクチャー中にお客様の理解が追いついていないと感じた場合、「ここは省いても良さそうだ」等の判断がしやすくなると感じています。

もし、ただ単に、全ての機能を説明するんだ・・・という説明することがゴールになっていたら、アウト!ですね。

2)分かりやすさ

これは当たり前ですねw しかし、この「分かりやすさ」が難しい。

1つ1つの機能を丁寧に細かく説明することは「分かりやすさ」に繫がらないと思っています。

「顧客目線に立った分かりやすさ」、「飲み込み易さ」というのがポイントです。

分かりやすいレクチャーを行い、ゴールを達成するために

レクチャーを行う際に気を付けていることをザッと羅列します。

まだまだあると思いますが、ザザザッと書き出してみました。


【内容や流れを考える際に気を付けていること】

まずは、レクチャーの内容や流れに関してまとめてみます。

(1)基本機能(既存業務で使用する機能)のみ説明する

「うちのサービスは、これもこれも出来て超便利だろっ!?(ドンッ」

多機能なサービスだったり、便利機能があると、ついつい色々説明したくなってしまうんですが、まずはゴールを目指して、必要最低限の機能のみ説明するようにしています。

サービスが持つ機能を全て使えば、これまで出来ていなかったことができるようになったり、効率化が図れるようになりますが、まずは既存業務をサービスで行えるようにするのが最優先。

基本的な機能を時間をかけて、ゆっくり、分かりやすく説明します。

まずは、第一歩を踏み出してもらうこと。

「千里の道も一歩から」ですね。


頭に入りやすい流れか?現場での運用をベースに機能説明する

当たり前ですが、流れ(機能説明の順番)や説明方法はとても重要です。

でも、どういう流れが分かりやすいのか・・・?

僕は「実際に現場で使うときの流れに沿っているか?」を意識しています。

サービスや機能がなぜ存在するのか?それは、利用現場での運用を効率化・自動化するためです。なので、実際の現場での利用シーンを話ながら、「こういう時は、これを使う」と説明をすれば、最低限必要な機能は全部説明できるはず。

例えば、

「こういう機能があります。これはこういう時に使います。」

ではなく、

「こういう時(シーン)ありますよね。その場合、こういう流れで、この機能を使います。」

というように説明しています。

結果的に機能説明していることに変わりはないのですが、頭の入り方が違うと思います。

皆さん、テレビゲームやりますか?やったことありますか?

説明書の中に、各機能や画面の説明が書いてあった場合、頭に入ってきますか?読みたいと思いますか?各機能の説明とかはどうでも良くて、僕たちはゲームのやり方が知りたいんですw

シーンを想定して、流れの中で、機能の説明しましょう!


できる限り画面を見せる。使ったときにどうなるか、利用イメージが沸かせられるか?

説明をしている自分たちの中では、サービスを利用した時のイメージが頭の中に既にあります。一方で、お客様は、一切無い状態。

説明会では、顧客の頭の中に、サービスを利用した時のイメージを沸かすことができるのかがポイントになります。 

そのためには、できるだけデモ画面を見せること。頭の中にサービスの画面が想像できていれば、言葉で説明すれば理解してくれますが、最初の段階だと言葉で言ってもイメージが湧かないため、頭に入りません。


また、デモを行う際には、どうやって操作したか、具体的に説明した方が良いです。

例えば、「ここのボタンをクリックします。」なども説明します。

説明している側は、マウスカーソルが見えていたり、スマホを操作しているので、どこを押したか分かりますが、お客様は分かりません。

なので、僕は、自分がやっている動きを全て口に出しています。


例外や詳細は、あえて説明しない。

ついつい詳細の説明したくなっちゃうんですが、頑張って耐えますw

もちろん、通常利用時に必要なことは細かいことまで説明しますが、できるだけ説明しないようにしています。

細かい説明をすると、複雑な印象が残ってしまい、第一歩踏み出す際の心理的な障壁になる可能性があります。

とにかく簡単に使えることを印象づけるようにしています。


使わなくても良さそうな機能の説明は、後に持ってくる。

重要なこと・覚えて欲しいことは先に説明するようにします。

人によって、覚えられる量は異なります。

つまり、人それぞれが持つバケツの大きさは異なるということ。

なので、必ず覚えて欲しいことはバケツが空の状態の時に説明します。

極端に言えば、サービスを使い始めるにあたって影響が無い機能の説明は、全て後ろに回します。


【話をしている際に、常に意識していること】

次は実際に話をしているときに常に意識していることについて、書いていきます。

話についきているか?理解できてきるか?

「話に付いてこれているか?」を表情からできるだけ読み取るようにしています。ちょっとこれは怪しいな?と思ったら、質問して理解しているか確認します。

ざっくりと分かっていればOK。どういうときに使うのかすら分かっていないようであれば、もう一度同じ説明をします。

1番理解度の低い方に合わせて説明を行うべきだと思っています。


メモをしていたら、一旦説明を止めて、待つ

話をしていると、メモを取って下さる熱心なお客様がいらっしゃいます。

その場合、キリの良い所まで話したら、一旦話をとめて、手が止まるまで待ちましょう。

無視してどんどん進めるのでは無く、メモり終わるのを待ちます。

ゴールは、お客様に理解してもらうこと。無理に進めても意味がありません。メモることに意識が集中しています。


シーンとしている時間ってちょっと気まずいと感じる方も多いでしょう。

でも気にしない。気にしているのは自分だけですw

水分補給の時間と思い、気長に待ちましょう。


お客様が知らない言葉を使わない(使う言葉に注意を払う)

僕もついつい忘れちゃう時あるんですが言葉の選択には気を付けています。

また、1回説明した言葉(機能)でも、あえてもう一度説明をするときも結構多いです。特に複雑な機能は繰り返しましょう!


厳密には間違っているときでも、分かりやすさを重視して説明する

分かってもらおうと詳細を説明しすぎると、分かりやすさが失われていく場合があります。その場合、厳密さを無視して、分かりやすさを重視します。

イメージのし易さを重視して、説明します。


ある程度まで説明したら、一旦ダイジェストで復習する

説明が区切りがよいところまで終わったら一旦ダイジェストで復習します。

現場の運用ベースで説明をしていても、新しいことをどんどん覚えてもらっていますので、「あれ?そういえば、あそこどうだったっけ?」と必ず思っている方がいると思います。

なので、ある程度まで説明したら、ダイジェストで説明します。そうすることで、点と点になっていることが繋がり、理解度アップに繫がります。


バケツのお水は溢れていないか?最後まで説明しない勇気を持つ

「理解度が低い人がいて、最後まで説明出来なさそう・・・。」

「開始時間が遅くなって時間が無い・・・。」

そんなときは、予定していた内容を最後までやらないことも重要です。

ここで重要なのが1回目のレクチャーのゴールです。

全ての内容を説明出来なくても、「まずは使ってもらうことが重要だ。既存業務をサービスで行えるようにすることが重要だ」と思っていれば、この判断ができるはず。

全てを説明できなければ、別の機会で説明すればいいだけ。

階段を着実に一歩一歩ずつ昇ることが重要です。

自分のペースに合わせず、顧客のペースに合わせましょう。

顧客を置いていく = オンボーディング失敗で確実にチャーンします。


終わりに

サービス説明って簡単そうでとても難しいですよね。

僕もまだまだですが、これからも改善を重ねて、オンボーディングしやすい環境作りを考えていきたいと思っています。


イタンジ株式会社では、CSを絶賛募集中です!事業がとても伸びており、CS不足!これからアクセルどんどん踏んでいきます。

また、良い意味で、まだ色々と整っていない状況です。CSに興味ある方は、気軽にランチでも一緒にしましょう!

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