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SFに始まり、SFに終わる「竹書房SF文庫フェア2023」10月中旬よりスタート!!

竹書房SF文庫のフェアが10月中旬より全国の書店様で随時開催されます。開催店舗では、担当編集と装幀家による対談を収録したブックレット『酩酊による装幀』を配布いたします。ぜひお近くの書店にお立ち寄りの上、ご覧になってみてください。
※目録の配布方法は、各書店様によって異なります。
 

■担当編集と装幀家による対談を収録したブックレット『装幀による酩酊』をフェア開催店舗で配布します

『装幀による酩酊』 
装幀:坂野公一/welle design


竹書房文庫のSFの装丁をほぼ全作手掛けている坂野公一氏と担当編集が、竹書房におけるSFの装丁を振り返る対談を収録したブックレットです。いかにして印象深い竹書房文庫の装丁が生まれたのかを語っていただきました。ふたりが選ぶ「竹書房SF装丁ベスト3」も見どころです。

■こちらのパネルが開催店舗の目印です

開催店舗ではフェア用のパネルとPOPが展開されます。開催店舗は下記URLより地域毎に検索ができますのでご活用ください。 
https://takeshobo.co.jp/sp/fair/sf_fair2023/

■フェア参加作品の一部を紹介

その巨竜は、すべてを狂わせる。

竜のグリオールに絵を描いた男

「グリオールはここにいるのです、陪審員のみなさん。そして裁判の経過を見守っています。直接かかわっているかもしれません。ご自分の心をのぞいてごらんなさい。彼の視線を感じないと言い切れますか? そしてこれが──」検察側の机から〝始祖の石〟を取りあげる。「これが竜の眼でないと言い切れますか? 検察官はこれをただの石だと言うでしょうが、これはそれ以上のものなのです」

『竜のグリオールに絵を描いた男』より「始祖の石」

全長1マイルにもおよぶ、巨大な竜グリオール。数千年前に魔法使いとの戦いに敗れた“彼“の心臓は止まり呼吸も途絶えたが、精神の動きはおさまらず、人間に悪い影響をもたらすと言われていた・・・・・・ 。“彼“の体はもはや動けず、草木と土におおわれ川が流れ、その上には村ができていた。

奇想天外な方法で竜を殺そうとする男の生涯を描いた表題作、グリオールの体内に囚われた女が見る異形の世界「鱗狩人(うろこかりゅうど)の美しき娘」、巨竜が産み落とした宝石を巡る法廷ミステリ「始祖の石」、初邦訳の竜の女と粗野な男の異類婚姻譚「噓つきの館」。 ローカス賞を受賞したほか、数々の賞にノミネートされた、異なる魅力を持つ4篇を収録。動かぬ巨竜を“舞台”にした傑作ファンタジーシリーズ、日本初の短篇集。


明日、あなたはこの世界に迷い込むことになるかもしれない――。

黄金蝶を追って

同級生の下手な絵を見ているとひどく苛ついた。せめて自分は最高のものを描こう。他の生徒たちが飽き始め、どんどん雑になっていく中、僕は集中して大きなアゲハ蝶を描いた。その一羽が完成する頃には周囲の作業はすべて終わっていた。時間はかかったけれど、納得のいくものが描けた。同級生たちが見にきて、口々に褒めそやした。でも、喜びは覚えなかった。むしろ他と比べられるのは礼を失しているとさえ感じられた。僕は手についた塗料を落とすため校舎に戻ることにした。
 完成した花畑を眺めながら歩く。不揃ぞろいでみっともない壁画だ。若さや元気の良さだけでごまかそうとしている。こんなもので学校や地域が楽しくなるはずがない。
 どきりと心臓が脈打ち、足が止まった。
 何だこれは。
 そこに描かれていたのは黄金の蝶だった。

「黄金蝶を追って」より表題作

絵の才能を自負する中学生の僕、尾中はある日「黄金蝶」の絵を見つける。生き生きとした「黄金蝶」の絵には秘密があった。(表題作)

もしも日曜の次の日が“自分だけの一日”だったら?(「日曜日の翌日はいつも」)買ったマンションに前の持ち主が“同居”していて毎日規則正しい生活を送っていたら?(「ハミングバード」)海外でも高く評価された「ハミングバード」他、あたたかな筆致で描かれる、誰も見たことのない日々。不思議のきらめきと日常の素晴らしさに浸れる短篇集。


豊穣なるイスラエルSFの世界へようこそ。

シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選

「昔話は正しいの」マギーは続けた。「死よりも強いただ一つの力は愛。わたしたちが死神になるとき、古い愛はしおれて散ってしまう。でもわたしたちの体に、失った可死性のしるしが一つだけ残っているように、わたしたちの魂にもそれは残っている。死神一人一人の止まった心臓の埃っぽい片隅に、生きていたころの真実の愛が眠っている。それが目覚めたら、心臓は一度だけ脈打ったあと、永遠に止まってしまう。こうして死神は死ぬことになる」

「シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選」より「エルサレムの死神」

イスラエルと聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか。驚くなかれ、「イスラエルという国家は、本質的にサイエンス・フィクションの国」(「イスラエルSFの歴史について」)なのだ。

エルサレムを死神が闊歩(かっぽ)したり(「エルサレムの死神」)、進化した巨大ネズミに大学生とぽんこつロボットが挑んだり(「シュテルン=ゲルラッハのネズミ)、テルアビブではUFOが降りてきてロバが話し出すこともある(「ろくでもない秋」)。あなたは、天の光が消えた空を見つめる少年(「星々の狩人」)や悩めるテレパス(「完璧な娘」)とも出逢うだろう。アレキサンドリア図書館(「アレキサンドリアを焼く」)に足を踏み入れ、無慈悲な神によって支配されている世界を覗くだろう(「信心者たち」)。

未知なる星々のまばゆいばかりの輝きをあなたは目にする。その光はあなたの心を捉えて放さないはずだ――。ロバート・シルヴァーバーグによる序文、編者によるイスラエルSFの歴史をも含む、知られざるイスラエルSFの世界を一望の中に収める傑作集。

このほかにも味わい豊かなタイトルをご準備しております。この機会に是非お手に取ってご覧下さい。

■当フェアにご参加いただける書店様を大募集いたします!


参加を希望される場合は、下記申し込み受付フォームに必要事項をご入力の上、お送りください。https://tayori.com/form/5ffa2c2d574494d2596abfd09dcaf32b3f044dc2/


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