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寺山心一翁先生、ありがとうございました。

11月1日に、僕の心の師匠でもあります寺山心一翁先生が向こう側の世界に戻られたということをお聞きしました。

先生は87年の生涯で、多くの方の心の中に、自分自身の中にある素晴らしい宝物を再発見することの素晴らしさを伝え続けられました。

僕も寺山先生と出会って、そのかけらを少しだけ受け取った者の一人です。

お会いした回数は少ないですが、寺山先生との思い出はたくさんあります。

一番最初の出会いも強烈でした。

僕が肺がんステージ4だとわかった翌日、Facebookで繋がっていた寺山先生に連絡を取りました。

「昨日肺がんステージだと分かりました。お会いしてお話を伺いたいと思っております」

すぐに返事がありました。 そしてそのひとこと目に僕は驚きました

なんとそこには「おめでとうございます」と書いてあったんです。

「ガン、しかも肺ガン4期と分かって本当の良い機会を得られましたね。おめでとうございます」

こんなセリフ、その通りだと思っていても、いきなり初めての人に僕は今でも言うことは出来ません。

寺山先生は、やっぱりぶっ飛んだスーパーマンです(^-^)

この寺山先生の言葉の意味、今はとてもよくわかります。

ガンという体験は僕を全く別人に変えました。

それまで無意識の自我(エゴ)で生きていた僕は、「本当の私」としての人生を歩んでいなかったのです。

いろんなものに突き動かされ、小突かれて、右往左往しながらただただマグロのように泳ぎ続けていただけだったのでした。

僕は、僕を生きていなかったのです。

僕は、僕が「自分」だと信じ込んでいた「プログラムとしてインストールされた自我」という偽りの自分で生きていたのです。

もう一つ、とても印象に残っている出来事があります。

それは寺山先生の主催するスマイルワークショップの中で体験したことでした。

ワークショップの中で、寺山先生が部屋の中にたくさんのカードを並べて、こう言いました。

「自分が知りたいことを頭に浮かべて、カードを選んで引いてみてください」

僕の頭に瞬時に思い浮かんだことは「癌という体験は、僕にとってどういう意味があるんだろう」ということでした。

僕がカードを引く順番になり、直感的に1枚のカードを手に取り、裏側を見てみました。

そこには岩山をツルハシで堀り、岩の中から光る鉱石を掘り出す人の絵がありました。そしてその下に「the purpose」という文字が書いてありました。

purposeとは目的という意味です。

その当時の僕は、癌になった意味と「目的」という言葉とうまく繋がりませんでした。

ガンが目的?

どういうこと?

んなわけ、ないだろう。

だって、ガンなんかなりたくてなったわけじゃないし。

って感じです(笑)

その当時の僕は身体の中にあるガンをどうやって消すか、ということしか興味関心がなかったんです。

でも、今はよく分かります。

癌になったのは、僕自身の魂の計画であったということ。

岩山からツルハシで掘り出された光る鉱石は、まさにその後に僕自身が出会った「本当の自分」だったのです。

本当の自分は、 岩山の奥深くに眠っています。

日常生活の様々な、あるいは雑多な出来事や事柄で頭の中を埋め尽くされ、そしてさらに生育歴によって作られ、インストールされた自我(エゴ)が本当の自分とアクセスすることを妨げます。

自我(エゴ)は本当の自分の声を聞き、本当の私で生きると人生の主導権を握り続けることができなくなるので、心配事や考え事や、娯楽や、欲しいものやいらないものや、そういったどうでもいいことを頭の中で考え続け、気を紛らわせ続けて、本当の自分と出会わないように画策します。

こうして僕たちはほとんどの場合、本当の自分と出会うことなく、人生の多くの時間を過ごしているのです。

いわゆる、目を開けたまま、気絶している状態なのです。

この目を覚ます、眠っている意識を呼び起こす、これが病気を含め、人生のピンチと言われる出来事です。

僕の場合、これが「肺がんステージ4」だったわけです。

そしてそれを、明確に気がつかせていただいた経験、 それが寺山先生との出会いでした。

寺山先生の笑顔、その全身から発する太陽のようなエネルギーは忘れることができません。

寺山先生の存在を一言で現すと「愛」そのものでした。

寺山先生、本当に僕と出会っていただいてありがとうございました。

感謝しかありません。

今頃きっと、あの太陽のような笑顔で、自分自身の人生を生き切って、お役目を全てやり切って、 この空間を自在に飛び回っていらっしゃることでしょう。

本当に、本当に、ありがとうございました。

僕も力及ばずながら、寺山先生に続きます。

(写真は2016年10月のスマイルワークショップのときのものです)

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