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『ファートンいきもの記』【32】

今日の「いきもの」は≪手なずke無視≫である。
インドの山奥で昔から暮している奴にとって、ボランティアでここを訪れる人間など取るに足らない存在なのだろう。作業の休憩のとき、座っていると足の上を奴が悠々と歩いていた。せっかくの出会いなので、私は奴とコミュニケーションをとることを試みたが、残念ながら奴は私のことなどお構いなしの「無視」を決め込んでいた。

奴の「とくしゅ(特殊能力)」は「ぶらり散歩」である。
奴の日課は山の中を気ままに散歩することである。散歩コースが決まっているわけではなく、風任せのようで、岩の上、木の枝、生い茂る葉、朝露に湿った土など、日替わりである。そして時折、私のようにボランティアが訪れれば、そいつのカバンであれ、そいつの道具であれ、そいつの衣服であれ、お構いなしに散歩コースになることだってある。しかし、それはあくまで散歩コースという「物的なもの」にすぎず、奴にとっては決して特別なものではない。だから、こちらが歩み寄ろうとしても無駄なのである。

#毛虫 #インド #国際ボランティアのNICE #ruchiindia
#生物がすき
(以下で今日の「いきもの」をスライドにて紹介)

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