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❖空気も商品も双方向性が大切な時代❖ まいに知・あらび基・おもいつ記(2022年2月17日)

(長さも中身もバラバラ、日々スマホメモに綴る単なる素材、支離滅裂もご容赦を)

◆空気も商品も双方向性が大切な時代◆
空気というか雰囲気というか、違和感は伝わってくるものである。

コンビニに入って、おにぎりやお弁当のゾーンに立っていると、背後に気配を感じた。

気づかないうちに、商品選びに時間をかけすぎて、待たせてしまっているのかなと思い、隣の惣菜ゾーンへスライド移動した。

しかしその人(大学生くらいの男の人)は、おにぎりやお弁当を選ぶのかというと、そんな感じではなく、まだ私の様子を伺っている雰囲気であった。

知り合いだったりするのかなと思ったが、そもそもこの辺りに知り合いなどいない。

その人は明らかに私の様子を伺っているのである。もしかして、私が万引きしそうな雰囲気を出しているのではとか、コンビニに入る前にその人が不快に思う行動をしてしまったのではなどと、頭の中で色々な可能性を探ったが心当たりがない。

そういえば、コンビニに入る以前に自動販売機で買った抹茶ラテのペットボトルがコートのポケットに入っていることを思い出した。確かにペットボトルが入っている分、右のポケットが不自然に膨らんでいるから、既に万引きしていると思われているかもと思い始めた。

いつまでも様子を伺っている感じなので、私は惣菜ゾーンから結構離れた飲み物ゾーンに移動した。

すると、その人はついてくることはなかった。

しばらくして、会計を済ませるためレジに行くと、レジの向かい側にあるスイーツゾーンにその人はいた。レジに近づいてくる私にその人が気づくと、慌てた様子でその人は持っていた商品を落としてしまった。

なぜ慌てたのか。それは商品を拾い上げて、急いで会計を済ませようとしているとき、レジカウンターに並べられた商品から理解することができた。

その人はやたら同じ商品を購入していたのである。中でもかなりの数だったのはスイーツだった。それは『ウマ娘プリティーダービー』というゲームとコラボした商品で、キャラクターが描かれていた。

さっき様子を伺っていると感じたおにぎりゾーンにも、このゲームとのコラボおにぎりがあった。他にはコラボジュースもあるようで、レジの上にはたくさんの、コラボスイーツ、コラボおにぎり、コラボジュースが並べられていた。

特にスイーツが多かったのは、スイーツにはシールがおまけでついてくることが、会計を待っている間にスイーツゾーンを観察していて分かった。

なぜその人は私の様子を伺っていたのか。それは、ゲームとコラボしたおにぎりやスイーツやジュースを大量に買おうとしたが、私がいるので、それを悟られたくなくて、私がいなくなるのを待っていたのだろう。

そして、私が別のゾーンに向かうと、そのタイミングで商品を手に取りレジに行きたかったかったわけだ。確かに、私がその場を離れたとき、動きが急に早くなった気がしていた。

しかしその後、予想よりも早いタイミングで私がレジに来たものだから、焦ったのだろう。

買い物カゴを使えば良いのに、彼は両手いっぱいに商品を抱えていて、いくつかの商品が腕からこぼれたのであった。

しかもその人はレジ袋はいらないと言って、会計の後、大量のコラボ商品をマイバッグに詰めていた。

時間がかかりそうなので、私は再びおにぎりゾーンに戻り、コラボおにぎりを買ってみることにした。さらにコラボスイーツも買った。

帰宅し、スイーツのおまけシールを開けてみると、「メジロマックイーン」というキャラクターのシールが出てきた。私の乏しい知識が間違っていなければ、これは有名な競走馬の名前である。

調べてみると、このゲームは競走馬を擬人化した設定らしい。あの人はゲームのキャラクターが気に入っていて、大量に購入したかったのだろう。そして、おまけシールだけでなく、対象商品を購入すると、オリジナルアイテムが応募できるようである。

オーストリアの経営学者で、一時期かなりのブームにもなったピーター・ファーディナンド・ドラッカーは「顧客が買うものは製品ではない。欲求の充足である。顧客が買うものは価値である。」と述べている。

これは顧客(消費者)は商品自体が目的なのではなく、商品購入を通じて、自分にとっての価値を手に入れ、欲求を充足することが目的であることを示している。この価値は経営学では「顧客価値(カスタマーバリュー)」と呼ばれている。

コラボ商品は、この「顧客価値」を高めるための戦略の一つと考えられる。最近、様々な人気アニメのコラボ商品が店頭に並んでいるのを見かけるが、それは現代の経済システムが、商品は作ればいつかは売れるという生産者主導ではなく、顧客がどんな価値を持つ商品を求めるか考えねば売れないという消費者主導であることを如実に示している。

アメリカの経済学者であるロバート・ラウターボーンは、現代は、生産者がこれまで重視していた4P(Product=製品、Price=価格、Place=流通チャネル、Promotion=プロモーション)よりも、4C(Customer Value=顧客価値、Cost=コストとみなされる顧客の心理的・物理的な負担、Convenience=容易に商品を入手できる利便性、Communication=情報を詳しく正しく得ることができるコミュニケーション)を考えることが重要であると指摘している。

私が昨日コンビニで出会った人にとって、コラボ商品は顧客価値が最大化されたものだったといえる。現代経済は、作る売る側と買う使う側の双方向の繋がりが大切であると感じた出来事であった。

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