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『ファートンいきもの記』【17】

今日の「いきもの」は≪ベテラン・ガイDOG≫である。
北インドでのボランティア活動は山奥ということで、思いもよらないアクシデントに見舞われることがある。国際ボランティアのNGOのサポートはあるものの、野生の勘でなければ対応できないアクシデントに備えて、宿泊施設から活動場所まで、奴は毎回私たちを先導してくれた。その姿から、何十年もガイドの経験を積み重ねてきた頼もしさが感じられた。奴は、私たちが活動を始めると、小屋の近くで仮眠をとっていざというときのために備えてくれていた。私たちが昼休憩になると、近づいてきて私を枕がわりにするなど、とても愛嬌のあるガイドであった。(以下で奴の動画も紹介)

奴の「とくしゅ(特殊能力)」は「ホスピタリティ」である。
奴にとって、私は年間で何百人とやってくる短期ボランティアの一人にすぎないはずである。それにもかかわらず、奴はボランティア一人ひとりを気遣い、積極的にコミュニケーションをとってくれ、ボランティア参加者がリラックスして活動に取り組めるようにしてくれている。ボランティアである以上、参加している私の方が色々と気遣うべきもののはずだが、奴はボランティアキャンプ参加者が良い思い出として活動を終え、再びボランティアキャンプに参加してみたいという思いを抱いて帰ってほしいと考えているのかもしれない。そうして、ボランティアキャンプ参加者が帰国後に、ボランティアのやりがいなどを他の人にも積極的に話してくれれば、ボランティアの輪が広がっていくわけで、奴は長期の視点でボランティア活動というものを捉えているのだろう。つまり、奴は、ボランティアキャンプに参加している者に対する気遣いという「直接的なホスピタリティ」に留まらず、ボランティアの理解が広がっていき結果として世界全体に大きなボランティアの輪が形成されるという「普遍的なホスピタリティ」まで考えているということである。

#犬 #インド #ホスピタリティ
#国際ボランティアのNICE #ruchiindia
(以下で今日の「いきもの」をスライドにて紹介)

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