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エッセイ&脳内のおしゃべり

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せきららな思いをぶち込んだりする場所でごんす。
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#日常

死と夏

父の逝去から一年が経つ。 重たい湿気を帯びた熱を感じたり、蝉の声を聞くと自然と死を連想す…

大枝 岳志
2週間前
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駄菓子屋を作る

こんばんわ。 近頃小説の方はさっぱり更新しておりませんで、理由としては駄菓子屋を作ってい…

大枝 岳志
1か月前
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寂しい夕暮れが心地よい

高校を卒業後、就職らしい就職もせずにバンド活動に打ち込んでいた。 ブッキングは概ね平日の…

大枝 岳志
2か月前
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足を捻挫したよ、というおはなし

いくらか前になるけれど、ガッツリ足を捻挫してしまった。 澄み渡る青空が気持ちの良い、雨上…

大枝 岳志
2か月前
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底の街

 生まれてから間もない頃、おぼつかない足取りで手をついた場所に座り込んでみたら、そこから…

大枝 岳志
3か月前
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原田宗典著「十九、二十」

この本と出会ったのは高校一年の夏、「ATOM」という地元の中古本屋でのことだった。 夏の…

大枝 岳志
3か月前
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殺して欲しいと願った日

数枚の小銭が重なる感触を何度も確かめ、駅の構内を歩き続ける。 早々とシャッターの下りた店先には先客が段ボールの上にボロボロの毛布を敷いて、何かに感づいたようにこちらをギロリと睨みつけている。 先客の脂で絡まった髪には埃やゴミが付いていて、冬だと云うのに焼けた肌は乾き切っている。 しかし、その目の奥には生半可に生きることを決して許さないような、強い意志が秘められている。 自分はどうだろう。段ボールの上に身体を横たえ、腐臭を放ちながら人々に蔑まれ生きることは出来るだろうか。 い

春に想う

今年の桜は昨年より十三日も遅れて開花宣言がなされた。 東京の開花宣言は靖国神社の桜の木を…

大枝 岳志
4か月前
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最近泣いてしまったこと

先日、食材を宅配で届けてくれるサービスを検索しまくっていた。 初回だとトンでもない割引が…

大枝 岳志
4か月前
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多分日記 その一

毎日小説をこしらえてはいるが、何も思い浮かばずに文を打ってみても毒にも薬にもならない、た…

大枝 岳志
4か月前
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ネガティブとは、ある人にとっては常識

いつもオレっちのブログ読んでくれてありがトゥーリオ!! どうも!『たまけりセリアAチャン…

大枝 岳志
4か月前
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ゴミ箱掃除の青山さん

途中二度退社しつつも、僕は二十代の大半を一つの会社で過ごして来た。 今思えば、実に無駄な…

大枝 岳志
4か月前
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【エッセイ】 間違って暴走族に電話をかける

二十年以上も昔の話しだけれど、当時の僕は高校生だった。 今とは違って多少なりとも流行りに…

大枝 岳志
5か月前
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【エッセイ】 春のような朝に

どうも。私こと、大枝です。 今回は90年代J-ROCKのようなタイトルですが、サニーデイサービスが髪を掻き上げながらギターを弾き狂って感電死するお話しとかじゃありませんので、どうぞご安心を。 さっそく、本題。 先日まで2月だと言うのに何ともすっとこどっこいな狂った季節に日本列島は見舞われていた。 日中の気温は25度近くにもなり、部屋で過ごしていた僕は背徳感を抱きつつエアコンの『冷房』ボタンを押そうかどうか苦悩し、神へ赦しを請うている間に「まぁまぁ」と対話になり、人類が帰す