マガジンのカバー画像

エッセイ&脳内のおしゃべり

112
せきららな思いをぶち込んだりする場所でごんす。
運営しているクリエイター

記事一覧

死と夏

父の逝去から一年が経つ。 重たい湿気を帯びた熱を感じたり、蝉の声を聞くと自然と死を連想す…

大枝 岳志
4日前
18

駄菓子屋を作る

こんばんわ。 近頃小説の方はさっぱり更新しておりませんで、理由としては駄菓子屋を作ってい…

大枝 岳志
2週間前
22

寂しい夕暮れが心地よい

高校を卒業後、就職らしい就職もせずにバンド活動に打ち込んでいた。 ブッキングは概ね平日の…

大枝 岳志
1か月前
17

足を捻挫したよ、というおはなし

いくらか前になるけれど、ガッツリ足を捻挫してしまった。 澄み渡る青空が気持ちの良い、雨上…

大枝 岳志
1か月前
13

底の街

 生まれてから間もない頃、おぼつかない足取りで手をついた場所に座り込んでみたら、そこから…

大枝 岳志
2か月前
7

異常宅地

親が離婚した小学四年時、母と兄妹と共に当時住んでいた家を追い出されてまもなく、後の義父と…

大枝 岳志
3か月前
19

原田宗典著「十九、二十」

この本と出会ったのは高校一年の夏、「ATOM」という地元の中古本屋でのことだった。 夏の盛りでムラムラしていた僕は「東京大学物語」が欲しくて必死に自転車を漕いでその本屋へ行き、まずは「僕は文士なのです」みたいな顔をしながら小説コーナーへ立ち寄り、徐々に徐々に青年漫画コーナーへ移動し、エロの頭角を現すという戦法を取っていた。 小説コーナーでふらふら目線を彷徨わせていると、「原田宗典」という著者名に目が止まった。 中学時代、僕が生まれて初めてまともに読んだ小説「海の短編集」の著

殺して欲しいと願った日

数枚の小銭が重なる感触を何度も確かめ、駅の構内を歩き続ける。 早々とシャッターの下りた店…

大枝 岳志
3か月前
18

春に想う

今年の桜は昨年より十三日も遅れて開花宣言がなされた。 東京の開花宣言は靖国神社の桜の木を…

大枝 岳志
3か月前
30

最近泣いてしまったこと

先日、食材を宅配で届けてくれるサービスを検索しまくっていた。 初回だとトンでもない割引が…

大枝 岳志
4か月前
19

多分日記 その一

毎日小説をこしらえてはいるが、何も思い浮かばずに文を打ってみても毒にも薬にもならない、た…

大枝 岳志
4か月前
11

ネガティブとは、ある人にとっては常識

いつもオレっちのブログ読んでくれてありがトゥーリオ!! どうも!『たまけりセリアAチャン…

大枝 岳志
4か月前
16

ときがわ町・雀川砂防ダム〜ブーブーおさんぽ日記〜

どうも、おこんち! 埼玉おさんぽ観光ウォッチャーの大枝です。 みなさんそろそろ春が来ます…

大枝 岳志
4か月前
9

ゴミ箱掃除の青山さん

途中二度退社しつつも、僕は二十代の大半を一つの会社で過ごして来た。 今思えば、実に無駄な時間だった。  当時の僕は他で働いていける自信も視野も持っていなくて、精々ハンドリフトで荷物を引っ張ることくらいしか出来ないと思っていた。 そうじゃないと教えてくれたのもあの会社だったし、実は対面・対人の仕事が向いていると気付かせてくれたのもあの会社だった。 それでも、実に無駄な時間だった。 無知とは恥であり、恐怖である。 あの◯◯の体験があったおかげだよ! と自分に弁明するのは過去