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「リクルートで学んだこと5~チームビルディングの力」キャリアに悩むあたなたへ。転職7社、やりたいことをやって幸せになるためにボクがしてきたこと(16)

ボクがリクルートに入った当初、所属する15名ほどのチーム成績は、全国的に悪い方でした。そこからボクが3年目になるとき、チームで全国表彰を獲れるまでに成長をしました。営業を勉強するために入ったリクルートでしたが、ボクにとって大きかったことは、たった3年間でチームビルディングについて、肌で感じながら学べたことでした。この学びがなければ、今のボクはありませんでした。

猛スピードで体験した3年サイクル

全国のメンバーのほとんどが、3年契約社員で占めていたホットペッパー。つまり、メンバーは常に入れ替わることを意味します。ボクがいた頃は、3年やり切ったメンバーが2割くらい。卒業手当を半分だけもらえる2年で辞めるのが2割くらい、あとは入ってすぐか、1年目のうちに辞めていくイメージでした。

自分が所属していた支社で言うと、ちょうど循環が良い時期で、15人ほどいたメンバーの3~4人ずつが、1年ごとに入れ替わっていきました。(人手不足の支社だと、そのサイクルに偏りがあって大変だったりもしました。)

それはつまり何を意味するかと言うと、1年目は新人、2年目は中堅であり下に教える立場、3年目はベテランで全体をまとめる立場に、嫌でも立たされることを意味します。特に2年目に入ったときには、まだまだ新人の感覚が抜けず、下のメンバーに簡単なことを教えることくらいは出来るものの、営業チームとして、チーム全体の数字まで気を配るなんてことは、気持ち的にもとても難しいことでした。

一人一人が主役になれる目標設定

ゴリゴリな営業会社で、一人一人の目標も高いのですが、目標の設定は論理的に設計されていました。個人目標で見てみると、成績が良ければ次の四半期の目標が上がり、成績が悪ければ次の四半期の目標は下がります。チームトータルの目標で見てみると、チーム目標は年間で定められていて、これも同じように前年の実績と、世の中のマーケット、エリアごとのマーケットなどが加味されて決められていました。そしてそのチームトータルの中で、メンバーに分配されます。

ごく一部の出来る営業マンは、常に目標を達成し続け、それがゆえに上がり続ける目標もクリアし続けていましたが、それは本当にごく一部の営業マンで、上がり続けた末にマネージャーに昇格して個人目標を持たなくなったり、あるいは惜しまれつつも卒業していきます。対してほとんどの営業マンは、上がり続ける目標が高すぎて、いつしか達成できないときがくると、いったん目標が下がり、そこからまた達成実績が上がっていく、ということを繰り返していきます。

リクルートが上手いのは、こうして上がり下がりする全員にMVPを取れるチャンスを与え、表彰も大々的に行うことで、自分でもなんとか頑張ればあの人のようになれると思わせることで、全体のモチベーションを上げていました。

ドン底からトップの座へ

ボクが入社したときは、大幅にチームメンバーが入れ替わるタイミングで、直前までチーム成績も人間関係も、決して良い状態ではなかったようでした。右も左もわからず入ったばかりのボクには、そういった事情はよくわかっていませんでしたが、そんなドン底に近い状態からチームが再スタートしていきました。そこから3年間でメンバーも上司も入れ替わっていくのですが、3年目に入ったとき、ボクの所属していたチームは全国の年間表彰をされるまでに成長していました。

一人一人にもチームにも目標が課せられている中で、個々が達成しなければチーム目標は達成しません。一方で、一人一人が自分の目標だけに向き合っていれば上手くいくかと言えばそんなことはなく、一人の力ではどうしても限界があります。前述した通り、目標の配分も均等ではなく、いろんなことが加味されているがゆえに、必ずしも全員が絶好調で毎月を達成できるわけでもないのです。そうなると、一人一人が自分の目標に向き合うことはもちろん、チームで協力して目標に向き合うことも必要になります。個人目標とチーム目標、どちらかだけでは高い目標達成には届くことは出来ないことも、3年間、変わりゆくメンバーと共に体験させてもらいました。

全員が120%力を出し切れるか

新人、中堅、ベテランが混在して、目標が上がり続ける中、どうすれば個人もチームも達成できるのか。

一つは自分の目標に向き合いながらも、他のチームメンバーにも興味をもつこと。チームメンバーがどんなクライアントを担当して、どんな苦労をしているのか、そして仕事だけではなく、その人の得意不得意や気質も知っている方が、相手への理解が深まります。

もう一つは、リーダーだけではなく、チームメンバー全員が、チーム全体のことを把握していること。お互いに興味を持った上で、他のチームメンバーが全体の目標に対して足を引っ張ているときには、調子の良いメンバーがどれだけ補填しあえるのかも、チームメンバー全員で把握できていると、強いチームになります。

これは新人でもベテランでも、全員が意識しなければ、チームで高い目標に到達することは難しいことでした。そのためには、新人には新人の、中堅には中堅の、ベテランにはベテランの、それぞれが出来ることを120%取り組める環境にすることが必要でした。単純に「目標達成せよ」ではなく、個々の強みを理解して活かす、それをチーム全員が自然に出来ていることが大切でした。

具体的に何をするかは、チームの状態や、そのときにいるメンバーの性格にもよるかと思いますが、ボクがいた当時は、リーダー陣がお互いの背中を押したり、1日かけて全員で自己開示をする会を設けたり、数字を追いかける毎朝のヨミ会をイベントのように楽しくしたり、それぞれに得意分野で担当を振り分け、それぞれの担当が主催する勉強会を定期的に開催したりと、メンバー一人一人の個性や強みを活かすことにフォーカスしていたことは大きかったと思います。

こうしてボクは、営業を学ぶつもりで入ったリクルートで、3年という短いサイクルの中で、チームビルディングによる成功体験も失敗体験も経験することが出来ました。チームビルディングは上司の影響も当然ながら大きく、次回はボクがリクルートで出会ってきた上司について書きたいと思います。

かなやんレベル19→20
・一人で出来ないこともチームでは何倍にもなる
・全員が力を出し切れているか


ここまで読んでいただきありがとうございました!