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ロベルト・クレメンテを知っていますか?

プエルト・リコの英雄、ロベルト・クレメンテを知っていますか?

私もその存在を知ってはいましたが、佐山和夫さんの著書、
「ヒーローの打球はどこへ飛んだか」を読み、
その生涯を知りました。                                        

1972年、38歳で死去。ピッツバーグ・パイレーツ一筋。
3,000本安打を達成した年の瀬のことでした。

カリブ諸国のニカラグアで大地震があり、自ら救援物資を運ぼうと
飛び立った直後に墜落、伝説の選手となりました。                                                                  

翌年、氏の功績を後世に伝えるため、「ロベルト・クレメンテ賞」が
創設されました。グランドでの活躍に加え、社会貢献に
大いに注力した選手に贈られる賞で、「最高のプレーヤー」ではなく、
「最高の人間」に授与されるものとなっています。
MVP賞よりも価値あるものと認識され、受賞者には蒼々たる名が
連なります。                                                            

故国プエルト・リコの成長とクレメンテの活躍は共にあり、
日本の高度成長期における長嶋茂雄の姿と重なります。
クレメンテは貧困から身を立てた経験から、故郷の少年達に
スポーツを無料で体験して欲しいと、スポーツセンターの設立を
生前願います。

彼の死後に遺族が奔走、今では立派な施設が出来ているそうです。                                 

クレメンテの死後、随分経ちますが、彼を尊敬してやまない選手は
多数おり、特にカリブ諸国出身の選手には顕著です。
そして、「地位や名声のある人間は社会に奉仕する」という精神は
後進の選手に継承されています。

メジャーリーガーによる病院訪問や寄付などの社会貢献のニュースは
数多ありますが、アメリカ建国以来の精神とクレメンテの足跡が
相まってのことでもあると思います。 

説明が長くなりましたが、色々な国の色々な民族が集まる
メジャーリーグの歴史とその奥深さには興味深いものがあります。
当然色々な国の歴史と深く関係しています。 

私自身の経験で言えば、学生時代に野茂英雄投手を現地に観に行ったとき、宿泊先の日系人オーナー夫妻は野茂の活躍をとても喜び、誇りに思っていました。そしてとても私に親切にしてくれました。

これも日系人の歴史、太平洋戦争と繋がっています。野球それ自体は
とても素晴らしいものですが、それを取り巻く世界と歴史も、
とてつもなく広く深く、果てしないものであると、最近感じています。












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