見出し画像

🇹🇼ここはタイか?初夜市@高雄2010

財産の半分を台北の林森北路で使ってしまった私は、北回帰線を超え、南国情緒あふれる高雄へやってきた。

ゲストハウスで借りたママチャリをこいでいると、生暖かい風と、台北に比べると申し訳ないが服装が適当に見える高雄の人々の渦に飲まれた。

服装が適当というのは、女性のショートパンツとサンダル履きの割合が多くなったからだ。スラっと伸びた脚に目を奪われた。けだるそうにスッスッと歩く姿はタイ女性と似ていた。
中華系のタイ人、と言われても納得いく。

もう気付いていた。
台湾はアジアだったし、高雄は更にその色が濃い街だった。

しばらく行くと、突然人の塊に埋まった通りに出会った。最初は何か祭りごとでも開催されているかと思ったが、ここが台湾で有名な屋台街、夜市だと分かるのは後の事。

ここは高雄市の「六合夜市」だった。

自転車を置き、誘われるままに人混みに飛び込んだ。なにせ初めての夜市だ。最初は特別なイベントかと思ったが、突然目の前に現れたのは小籠包だった。

夜市に入るとすぐ右手にあった。金銭的に余裕のない私は値段を気にしていたが驚く事に物価も台北に比べて安かった。

ここである事に気づく。
台湾ドルを、そのままタイバーツに置き換えても違和感がない物価だった。

当然台北のホテルや食費はタイよりも高い。
しかし、高雄のこの夜市、つまり屋台街の食事に関してはバーツに置き換えても違和感ないのだ。

小籠包の値段は記憶は定かではないが、当時50,60台湾ドル、いやそれよりも安かったかもしれない。それは50バーツ。60バーツと置き換えてもしっくりくる値段だった。

当時、ざっくり1バーツ=3円。
(ざっくり、だ。感覚的に持っておくだけ)

そして1台湾$=3円だった。

蟹を食べ、ドラゴンフルーツのスムージを食べ、釈迦頭の身をかじり、屋台という屋台を点々とした。

それでも金銭的に余裕があった。

改めて台北の繁華街での乱痴気騒ぎがバカげた物価だった事を思い知る。

すりつぶした魚のつみれだってタイ料理では定番だ。ここが、タイのナイトバザーだと言われてもおかしくない感覚に陥った。

(タイ料理は主に中華圏をルーツにもつタイ料理と、タイ独自の風土から育ったタイ料理の二つに別れる。実は我々がイメージする定番タイ料理は、ほとんど中華圏由来だったりする。だから、台湾の料理がタイ料理と似ていて当然だった。当時は気付かず。)

端から端まで歩いては戻り、歩いては戻り、繰り返しては食べた。

同じ小籠包屋台に何度も食べにいくと、店員に大笑いされ、「まあ、椅子に座りなさいよ」とジェスチャーされ、これまたアジア定番のプラスチック製の真っ赤な椅子に誘導された。

すごい暑さだ。
汗だらけの私を見て、小籠包屋台の客も笑っていた。

私はどこにいっても笑われる。
そう、アジアでは。

ーータケシ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?