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【読書OP#11】DXの思考法(西山圭太)

きっかけ

Voicy荒木マスターのブックカフェを聴いていたら、西山圭太さんの「DXの思考法」って本が紹介されていた。自分の中では、「DXを組織に根付かせるにはどうしたらいいんだろう?」という問いが常にあって、さらに著者の西山圭太さんは信頼できる方だし、「これは読まなきゃ!」と直感したんだよね。

学びのポイント3つ

  1. 抽象化
    抽象化は課題解決において重要な思考法であり、課題の本質を見極め、汎用的な解決策を導くことができる。顧客の要望を抽象化し、共通の対応策を見出して、ソリューション化する。秘伝のタレを用いて、料理の作業工数を高速化させることが可能。書籍ではカレー粉を用いて説明されてた

  2. レイヤー構造
    デジタル化の進展により、システムがレイヤー構造へと変化する。これまでの縦割り構造では、各部門が独立して機能していたが、レイヤー構造では部門間の連携が不可欠となる。それにより、組織構造の横割りを促し、縦割り組織を打破する。
    また、レイヤー構造を持つソフトウェアは、データを処理し使用されるほど、自ら進化する性質を持つ。AI技術の発展により、ソフトウェアは自ら学習し、精度を高めていくことができるようになった。そのため、レイヤー構造のソフトウェアは、単なるツールではなく、進化する生命体のような存在になるだろう。

  3. 課題から考える
    課題解決において、本質的な課題を見極めることが重要。インテルの事例のように、課題の奥にある本質的な課題を見抜く力が求められる。

    ●インテルの事例
    インテルのテッド・ホフは、ビジコン社の計算機チップの設計図ではなく、計算プログラムに着目し、一部機能をソフトウェアへ移行させることで、汎用チップを実現し、他の計算機にも転用可能なアーキテクチャを構築。

感想

個人的にはレイヤー構造で考えるというのはAWS Lambdaと同じ考え方で腹落ちした。ソフトウェアをレイヤー構造で捉えることの重要性を再認識でき、良い機会となったよ。ただ、エンジニアではない人にとって、理解が難しいかもしれない。
この感想の最後に比喩表現で書いたから、最後まで読んでほしいなぁ。

著者が指摘するように、サイロ化した縦割りの組織文化を変革するには、横割りの行動様式を身につける必要があるという主張は、なるほどなぁーと思った。それにはデータを活用し、レイヤー構造を志向して、徐々に横割りの行動様式を組織に浸透させるアプローチは現実的だと感じた。

サイロ化した組織構造でも十分戦えるのでは?と少し考えていたけど、昨今のDXによる業種の垣根の崩壊を見ると、総合力で勝負することが必要不可欠だよね。

例えば、Amazonがオンライン書店からクラウドサービスや動画ストリーミング、医療分野まで事業を拡大したり、SONYやFoxconnが電気自動車を発売している事例からも、DXによる異業種参入の加速を実感する事例も増えているし。

あと、「課題から考える」という思考法は、目の前のタスクに没頭しすぎると忘れがちになるから反省。「抽象化して一気に片付けられないか?」ということは意識しよう。

最後にDXを料理に例えると、レイヤー構造は「食材」や「秘伝のタレ」で構成され、横割りの行動様式でそれらを組み合わせて「料理」する。この比喩表現が分かりやすいかなぁ。

以上。

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