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VCから資金調達ほぼなしで上場してる企業の渋いモデル

VCから資金調達ほぼなしで上場してる企業の渋いモデル研究会やるとツイートした所・・・

結構色んな方が興味あるテーマだったようなので頑張って見つけて行きたいと思います!

ちなみにFacebookグループも作りました。アクティブになるかな・・・

1. 前提

自分でテーマ設定しといてなんですが、"VCから資金調達ほぼなしで上場してる企業の渋いモデル"とは一体何なのか・・・と沼にハマってしまったので、ここでは無理くり以下の定義で行きたいと思います。

1. VCからの資金調達回数は上限2回(根拠ないです・・・)
2. VCからの資金調達額は1億円まで(根拠ないです・・・)
3. 上場企業であること

また、各社の事業において着目する点はここでは以下にしたいと思います。

1. 市場規模(小さい=資金調達不向き?)
2.収益構造(コツコツ貯めていく)
3. 渋いかどうか

これ面白いのかな・・・。とりあえず数件見てみましょう。2018年以降にマザーズ上場した企業から趣味で選んでます。

2. ベストワンドットコム(2005年設立/2018年マザーズ上場)

クルーズ旅行・船旅を専門としたオンライン・トラベル・エージェント(OTA)事業をやられている企業です。

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まずは市場規模ですが、日本のクルーズ人口は約22万人とのこと。(2012年)

Apple to Appleではないですが、日本の2019年のインバウンド人口が3188万人、日本の2019年の海外旅行人口が2008万人であることからかなり小規模な市場のように見えます。

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出典:https://www.mlit.go.jp/common/001083305.pdf

このような環境もあって、国内大手やTravelTechはほとんどクルーズ市場に手を打っておらず、その隙間に入り込んだのがベストワンドットコムのようですね。

ビジネスモデルはシンプルで、主に日本人を対象にした、国内・海外クルーズ特化型OTA。恐らく日本初?で、海外クルーズ会社とAPI連携を実施して、在庫の仕入れを自動化。従来旅行代理店ビジネスだった市場に、OTA型のビジネスモデルで殴り込んだ感じです。上場時の年商が約12億円(12期)で、仕入れコストは8割程度のようです。8期目の年商が3億5千万円なので、この4年間でのグロースがすごい。(テイクレートは20%程度?)

2018年のマザーズ上場時に既にStrainerさんがまとめていました。

利幅が狭い中、黒字でコツコツ積み立ててきているのが凄いし、上場時の従業員数が何と20名!かなり効率的な経営をされているようです。広告費+新規リファレルチャネルで顧客数を増やすシンプルで人手のかからないビジネスモデルですね。

VCからの資金調達は全2回で、上場時の時価総額は90億円。他人資本を注入するまでの9年間の伸び幅とその後の成長角度を見ていると理想的な資金調達ですね・・。渋い・・・。

2014年:SMBCベンチャーキャピタル+みずほキャピタル(総額5000万円)
2017年:MIC+個人投資家(総額1億円)

ちなみにこちら、HISの澤田さんの息子さんがやられている会社のようです!

現在はコロナのダメージを受けて対昨年同期比が20%弱となっているようですが、2019年までは積極的に新規事業やベンチャー投資も実施されています。(京都の旅館を買収、TravelTechや周辺領域のスタートアップに出資。2020年からはベンチャー投資の規模化を予定していたようですが、コロナで難しいか・・・)

3. ピーバンドットコム(2002年設立/2017年マザーズ上場/2019年東証1部上場)

プリント基板のEコマースサイト P板.com(ピーバンドットコム)を中心とした、”GUGENプラットフォーム”の運営をされている企業です。

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市場規模ですが、プリント基板の市場規模は巨大で、決算資料によると6667億円です。(超デカイ)

2020年度の年商が21億円程度なので、シェアは0.3%。まだまだ成長の余地がある市場です。(他方で、成長曲線は鈍化しています)

ビジネスモデルは、"プリント基板業界のラクスル"と言われているように、顧客(プロトタイプなど小ロットでプリント基板を確保したいエンジニア)に対して設計・製造を委託しているピーバンドットコムが安価に素早くベターなUXで提供するというモデルです。従来価格に透明性がなかった業界に対して透明性をもたらし、効率的な受発注管理システムでまわしていく仕組みですね。(テイクレートは35%程度?)

また、バリューチェーンを一気通貫で供給すべく、エンジニア向けの教育メディア、ハードウェアクラウドソーシング(アイデアコンテスト)なども提供しています。顧客はSMEを中心に3万社・・。上場後は大手の取り扱いも増えているようで、平均単価上昇中です。

2017年のマザーズ上場時は、年商17億円・経常利益7億円・従業員数17名、無借金+VCなしです。

代表の田坂正樹さんは元ミスミの新規事業マンだったようです。(ミスミモデルの正統な継承者・・・!ミスミモデルについては相良さんのこちらの記事がめちゃくちゃ参考になりました。)

マーケットプレイス強し・・・・。

4. 締め

こんな感じですかね・・・。まずは一件一件深掘りするのではなく、広く浅く、こんな事業あったのか〜!という感じで拾っていきたいと思います。

次回はこちらの企業見ていきたいです。

味噌汁マシーンや畳ソフトウェア・・・アツい・・・・

皆さんが知ってる激渋事業についても教えてください!

有難うございました🙏



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