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海の水位が上がれば、海に浮かんでいるボート全てが押し上げられる

この記事のタイトルは、『年収は住む場所で決まる』において、著者がよく使う表現です。

つまり、地域全体の経済状態が向上することによって、その地域にあるローカルサービスを行っている企業の状態も良くなっていく。
ということを、著者は行っています。
(これを、経済の世界では「乗数効果」というようです。)

前回から、本書を取り上げて年収は果たして住む場所で決まるのかについて調べているので、勝手に共有させていただいてます!

前回は、一国の経済が伸び悩んでいても地地域によっては、経済が伸び続けている場所がある。
という事まで紹介しました。

インターネットがある現代では、場所は関係ない、、、?

今の時代、パソコンとインターネットがあれば大体の仕事ができるようになっています。

ホットな話題ではありますが、コロナウィルスの影響によってリモートワークを導入した企業も多いようです。

これまでは、リモートワークを導入しなかっただけで、やろうと思えば出来てしまう時代なんですよね。

ある調査では、コロナウィルスがきっかけで3.2%の人がリモートワークを導入したと回答されています。

では、本当にもはや住むところによって年収などの経済状況がわかるのでしょうか。


アメリカ合衆国における新聞、雑誌、オンライン上の報道、文学、作曲の功績に対して授与されるピューリッツァー賞を3度受賞している、トーマス・フリードマンも『フラット化する世界』では、このように述べています。

携帯電話、電子メール、インターネットの普及によりコミュニケーションの障壁画低くなった結果、ある人がどこにいるかは大きな意味を持たなくなった。

もし、この考えが正しいのであればシリコンバレーような土地は存在感を失っていくことになります。

しかし、現実ではその真逆の事が起きているようなのです。

シリコンバレーが栄えているのは、ハイテク関連の仕事をしている人たちが密集しているため、緊密に連携しやすいからだ。

と、本書では主張しています。
また、

都市では、様々な要素が複雑に絡み合っているため、新しいアイディアや新しいビジネスのやり方の想像を後押しする。
特にイノベーション関連の企業で働く人たちの間で社交が活発に行われれば、学習の機会が生まれ、イノベーション能力と生産性が向上する可能性が高い。
聡明な人のそばにいれば、他の人たちの聡明さも増し、イノベーションを起こす力も高まるのだ。
イノベーションを実践する人たちは、地理的に近い場所に寄り集まる事で互いに創造の意欲を刺激し合い、その結果としてますます成功を収めるようになる。

とも主張しています。

どれだけインターネットが普及したとしても、イノベーションを起こしたいと考える人たちは近い場所に集まっていくんですね。

日本では、近年では渋谷にITなどのハイテク関連企業が集まってきているような雰囲気がありますね。

近年では、googleやサイバーエージェント、GMOやミクシィが渋谷に移転してきています。

イノベーションを起こすような人が集まるのは、アメリカだけではなくて日本でも同じようですね。
(アメリカのシリコンバレーに対して、日本の渋谷はビットバレーと呼ばれているようです。)

イノベーション産業による乗数効果

ここで、イノベーション産業にこだわっているのは、製造業など他の産業に比べて、イノベーション産業の乗数効果がずば抜けて高いからです。

この記事のタイトルの通りで、年収が住むところで決まるのは乗数効果が働くからです。

アメリカでは、レストランで働くウェーターの収入がもっとも高いのはチップを多く弾むラスベガス ですが、2位以下はサンフランシスコ、シアトルと続くのです。

いづれも、イノベーション産業が多く集まっている地域になります。

これは、ウェーターだけに留まらず、他の職種でも同様にサンノゼやオースティン、ポートランド、サンフランシスコなどの地域が上位に入ってきます。

ある職種では、他の地域に比べて1.4倍の差があるようです。

果たして、サンフランシスコなどの地域で働いている人が他地域よりも格段に技術的に優れていて、熱意があって、頭がいいのかというとそれだけでは説明がつかないほどの差が存在します。

イノベーション産業に従事するような教育レベルの高い住民が多いと、地域経済のあり方が根本から変わる。
住民が就く事のできる仕事の種類が増え、労働者全体の生産性も向上する。
その結果、高学歴の働き手だけでなく、学歴の低い人の給料も高くなる。

これを著者は、「海の水位が上がれば、海に浮かんでいるボート全てが押し上げられる」と表現しています。

住む場所を決めるときに、年収に影響あるなんて想像もしてませんでした。

私は、家を決めるときに
・通勤がしやすい
・家賃が許容範囲内
・間取りが使いやすい
・内装が綺麗
などのことを重視してましたが、年収を上げたいと思ったときには住むエリアも考えないといけないんだなと学びになりました。

皆さんは、年収と住む場所の関係性についてどう思いますか?
よかったら、コメント欄までご意見よろしくお願いします。

ここまで、読んでいただいてありがとうございました!

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