見出し画像

5G線上のアリサ【第4章#7話】素直な気持ち

#7話:素直な気持ち



【視聴時間=02:50】


「……はぁ……」

「……疲れたな……」

「……最高にスリリングな授業でしたね……」

「……だけど、掴んだわよね」

「……えぇ、アイムソーリーと八名蜂谷の関連性と、国会中継で真相を明かす手掛かりを」
井口/池田/加護/平野/清水

それは1000万人以上の国民を敵に回すと同じ。

大炎上のきっかけを生み、不特定多数が包囲開始。

5G線上ネットのアリサは追い詰められる。

田舎のジジイのGG作戦はまたもや愛利沙の試練と化した。

けれども彼女は逃げなかった。

どのG線上時代にいたとしても自分の居場所はなかったけれどーーー

みんなで

と喜びあった。

協力し合い真実に向かい、5年前では考えられないフォロワーたちの大行動と、大騒動で成し得たことはウィリペディアの歴史に書かれ、5G線上ネットのアリサ誕生と消去がセットでやって来たからだ。

「……まぁ、よくあることですよ。注目をされたアイドルが一時期だけ輝いて、すぐに芸能界を引退するようなものだけどーーー」
清水

アイムソーリーにフォローをされて承認欲求は満たされた。

けれども生身の自分は変わらずすべての本音を打ち明けられた。

それは他者を傷付けぬように上手に言えたものではないが、「自分のその身を守るため」と素直な気持ちも認められたらーーー

「―――あたしみたいなのはネットをしちゃいけないの。でも傷付くことはもう恐れない。みんなに後押しされて、炎上使いバーンコントローラーとして八名蜂谷やなはちとアイムソーリーを引きずり下ろしてやったわ!」

人間不信と愛情不足をSNSに置き換えていた、昨日の自分にさようならしながらその目は未来に輝きだした。

変わらぬ過去を許し、認め、前に、前に歩みながら。


次回の記事と作品です。ぜひご覧ください
4月のnoteカレンダーです。
新着記事と作品は19:00頃にアップします。

『”That One Day”perfomed by Lost Harmonies,used under license from Shutterstock』

Thank you for reading!