5G線上のアリサ【第5章#1話】6年前、東京から
#1話:6年前、東京から
前回までのあらすじ
ハッカー“炎上使いバーンコントローラー”からの情報はゼロ。
手掛かりがない代わりに、愛利沙は5G線上のアリサの称号を得る。
感情もウイルスも可視化したい八名蜂谷総理大臣。
第三者の存在が“いる”と国会中継中、独白をする。
「どのG線上にいても、あたしの居場所なんてなかった」
愛利沙が認めた時点で加護は動く。
第三者であるアイムソーリーの正体は、総理の隠れ秘書の加護自身と告白。
同時に、5年前からVR空間を使い、リモートワークによりインターネットを学んでいた八名でもあったと告げる。
アイムソーリーは愛利沙が最初に育てたパソコン教室の生徒、加護洋次郎と八名蜂谷だったのだ。
二人の老人は清水愛利沙の炎上騒ぎを収めるために自ら動きだした。
【視聴時間=02:30】
八名蜂谷と加護洋次郎。
二人は日本を憂い言った。
天災時の行動指示や感染時の拡大抑制、戦争時の事態に際しネットはもっと役立つのでは?
総理大臣の地位にその手が届きそうな時に決めた。
「国家の頭脳はもっと上手にテクノロジーを使うべきだ」と。
けれど現実は東京中心。
都市部を守るニュースばかり。
“人をモノ化する”と言うと語弊を招くかもしれないが、自由意志を尊重しながら有事の際は画一的な、理路整然とした行動を取ることこそがIOTと人を繋げ、延いては国や世界を守る方法と説き、モノのインターネット化による未来を作る計画を指示。
それが6年前に八名が加護へと下した決断だった。
人とネットを密接に。
そしてIOEの社会へ導き、今後また来る災害、感染、戦争時への備えを済ませ、憂いを減らし次の世代に道を作る法整備化を。
すべては有事の際のために、日本国民のためを想い、人間個人を共同体へ結び付けアップデートへ。
「モノへと溜まったデータを使ってクラウド上から人を導け!」
デジタル化の恩恵を使いリアルタイム処理するように、日本国民を天災、感染、戦争時から守るために、総理大臣が自らネットを学び、使い、応用をさせ、最先端のテクノロジーで分析結果を元に動かす。
令和以前よりさらに正しく狂いのない判断ができる。
そんな国家を目指す目的でアリサのパソコン教室へ。
国家全域をスマートシティ化するための壮大な計画。
町から都市をスマート化させ、やがて人間もスマートにする。
資源の無駄も減らし暮らしを持続可能へ導くために、IOT化の先のIOE化にすべての未来を託す。
だけどこれは机上の空論。
だから自分で実践をした。
二人の男の一人は総理に。
もう一人は地方の町に。
潜入した後、技術を学び、都市を変えて国家も変えた。
秘密政策はこの地、この場所から始まったと打ち明けた。
『”Fornar Sagnir”perfomed by Zeonium,used under license from Shutterstock』
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