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5G線上のアリサ【第3章#5話】

#5話:清水愛利沙の過去話4(かこばな)



【視聴時間=04:00】


「清水先生の場合、恋したお相手に言われた言葉を魔法の呪文のように捉え、自分自身で自らをそう定義しているように思えます」
加護

共感性を欠いた人間になる必然は整っていた。

「人間不信の自分自身を克服するため向き合ったのね」

「アイムソーリーにフォローをされたきっかけで人生変えるのですね」

平野と加護に心を射抜かれた愛利沙ははっきりこう言った。

「その通りよ。さぁ、今日も授業を始めましょうか」

「先生!」

昨日は眠れなかったようだ。

髪を乱し疲れた顔で、愛利沙が店をオープンする姿を眺めるロートルズ。

「今日は昨日の続き。あたしの過去話まとめたサイトまとめを見ながら進めましょう」

「愛利沙ちゃん!」

痛みに耐えて、傷付くことを恐れずパソコン教室へ。

愛利沙は決意の顔をしながら、パソコンを開き感謝していた。

自分一人だけなら絶対サイトを覗き見できない事態。

「あたし、みんながいるから変われるみたい」とつぶやきクリックをした。

授業という名の試練を越える。
覚悟が老人たちに伝わる。

22歳から通信制高校に通う3年間の、ページを開きまとめと向き合い自分を清算し始めた。

5G線上ネットが騒ぎ始めた。

アリサがアクセスをしたからだ。

戦場と化したVRメガネは冷戦状態と化しながら、卒業後、地元“四菱マテリアル”へと派遣されて就職。
一年経たない間にリーマンショックによって派遣切りへ。

ショックであったが預金が底を尽きるまで旅や引きこもって、次にモレア岐阜の警備会社で週二バイト生活。

ここで特記。

愛利沙は隣町の“大垣病院”通い。
不眠。
そして平時に辛い記憶のフラッシュバックによって、車を運転している時も頭に大きな揺れを感じ、転がり込むよう精神科に通院をしたことも書き込む。

〈鬱か?〉〈なんだ?〉ネットが湧いた。

答えは“統合失調症”だ
ハッキリ言うなら診断結果は“不明”だけど薬を飲んで、吐いてを何度も繰り返し。
自分自身の精神を管理。
強い眠剤を10年以上飲み続けたことも羅列。

熾烈を極める暴露はアリサ自身によって行われる。

などと言われツリッターは荒れブログを通し炎上騒ぎ。

過去の履歴はさらにフォロワーを減らす大きな要因となり

書き込みのログの嵐弾幕が貼られ戦場と化した5G線上ネットは愛利沙を自己嫌悪へ。

努力はすべて裏目に現れ、誹謗中傷の的となって、シンデレラの魔法が解けた。

残るは壊れたガラスの破片。

愛利沙は受け入れ痛みに泣いた。

ロートルズだけが見ていた。

彼女が自分の過去から一切その目を逸らさなかったことを。


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『”Never Ends”perfomed by kyle Booth,used under license from Shutterstock』

『”A Hero`s Courage”perfomed by Lee Miller,used under license from Shutterstock』

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