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5G線上のアリサ【第4章#5話】ジジイのGG作戦、スタート

#5話:ジジイのGG作戦、スタート



【視聴時間=02:20】


「怒り、妬み、不安、不満、敵意、悪意が可視化された素敵な世界ですねぇ」

愛利沙が敬語で話しているのはまだ安心の証拠と言える。

フォロワー数や炎上に慣れて皆の先生でいられはするが、新たな生徒はよほど勇気がないと入ってこなくなった。

アリサのパソコン教室は徐々に炎に覆われていった。

「八名蜂谷さん、あなたの望んだ社会はとても素晴らしいわ! これぞまさにジジイのGGですね! インターネットこそすべて、すべてをインターネットに、Internet of Everythingインターネットオブエヴリシングス最高! IOE化万歳!」

「私を見ながら毒突かないでください」
清水/加護

VRメガネで感情さえも可視化をできれば気持ちが分かる。

他人の気持ちが分かれば自分の言葉や行動も抑制できる。

総理が望んだ次の展望は天災や人災をテクノロジーと、人の力で乗り越えるように現実化する未来にあった。

「総理なら叶える。やがアイムソーリーと同一人物ならーーー」

「いや、だからそれはハッカーが明らかにしたのです。まったく関係のない第三者の―――」

「―――その第三者の情報は明らかにされてへん。そいつを特定すれば、総理に繋がる何かが見えるかもしれないなら―――」

「―――やる価値、あるわね」

「でもどうやって……」

「今の清水ちゃんにはたくさんの仮友達(かりとも)がおるやん」

「視界を真っ赤に炎上させてくれる自称フォロワー100万人がなぁ」

「あなたたち……悪い人ね……」

こうして愛利沙はアイムソーリーにハッキングをした者へと向けて、延いては第三者である者を追跡するようツリッターを使い、フォロワーたちから極大規模での情報収集戦へと向かい、のどかな田舎で炎上をした舞台を戦地に決めていった。

八名蜂谷やなはち、あんたの作戦名を借りて名付けます。田舎のジジイのGG作戦スタートします」

「おぉおぉぉ!」

都会のジジイのGG計画に対し田舎のジジイを頼り、GGグッドゲームに持ち込む仮想現実の戦が火蓋を切った。

愛利沙を守護するロートルズは炎上をした世界を眺め、5G線上ネットの世界を武器にしながら検索開始に乗りだした。


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『”Fire in the Dark”perfomed by Tea Time,used under license from Shutterstock』

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