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5G線上のアリサ【第4章#4話】束の間の日常

#4話:束の間の日常



【視聴時間=03:00】


「で、あたしみたいな社会のクズだったニートにも日の目が当たったわけです。ありがとう、八名蜂谷やなはち!」

「どういたしまして」
清水/加護

一同、加護のことを見ながら「何で?」と思い笑いあった。

けれどもすぐさま紅茶に加えて出した茶菓子に茶を汚されて、「日本が世界に誇れる文化と理想のモデルになったことが誇らしいです」と相槌を打たれ真摯な態度でこうも聞いた。

「どれだけ選挙に投票をしても変わらなかったこの国。日本の総理がネットの民意をダイレクトに反映することによって大きく変わることができました。いやぁ、長生きはしてみるものですね。スマートシティ化を地方から通し、国家単位で成し遂げてくれたのですから」

「そうや! 八名さんの凄いところは東京や金持ち目線やなく、田舎者や貧しい庶民の目線を知っとるかのように話して政策を臨機応変にしたことや!」

「国民総マイナンバー化から予算とスマホとVRメガネを提供して人間のIOT化をスムーズに済ませるっちゅうのがまたな、先生みたいなニートもどわっと働くきっかけになったもんなぁ」

「はいはい、どうせ30歳過ぎのニートでしたよぉ。行き遅れは今でも現在進行形ですけどぉ」

「愛利沙ちゃん、大丈夫。いつかあなたの処女膜をぶち破る王子様が現れるわ!」

「ぶっ! 紅茶吐き出してもうたわ!」

「ロマンを求める年齢やないと思うで。女が35言うたら―――」

「―――言うたらなんですかぁ?」

ロートルズたちに救われていた。

愛利沙が平常心でいるのは、彼らがいつものおかしな話や未来についての国家のことや、ネットやIOT化の話で明るい兆しを見せるから。

現状、地震、津波、インフル、中露の脅威が訪れても、国民は最短かつ最速で同時に行動できる。

5G線上の恩恵。

それは日本を豊かにしているがーーー

「あたしみたいに5G線上の世界ネット上で追い詰められている人間もいますけどね、加護さん!」

「それは勘弁してください。さぁ、次の作戦会議プランニングをしますよ」

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『”Deck The Halls(Hip Hop Trap)”perfomed by Joseph,used under license from Shutterstock』

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