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2024年正月。祖母のいる伊豆下田へ。

1月2日。母方のおばあちゃんに会うため、家族で伊豆下田へ向かった。道のりは長い。実家から車で4時間ほど。往復で8時間。途中でいつもよる浄蓮の滝の道の駅でわさびソフトを買って食べた。これを食べると今年も正月が来たと実感する。正月に餅は食べないが、自分の場合は、わさびソフトがその役目を果たしている。
末期ガンで臓器の多くに既に転移していると母から聞いて心配をしていたけど、元気だった。自分の残された寿命がわずかとわかりながら生きるという生活は、どんな感情だろう。

母方の叔父も交えて、おばあちゃん、両親、兄弟二人の6人で食卓を囲んで、お節料理を食べた。特別なことはなく、いつも通り箱根駅伝を見ながら、たわいもない話をしていた。これがおばあちゃんと過ごす最後の正月。おばあちゃん本人も含めてわかっていたけども、だからなのかいつも通りの毎日を過ごした。

2時間ほど過ごして、別れ際、おばあちゃんとハグをした。おばあちゃんは声を上げて喜んでくれた。どこにこんな元気が眠っていたのだろうと思うほどしっかりと抱きしめ返してくれた。嬉しくなった。無意識に自分の口から最後に出た言葉は「元気でね!」だった。こんな状況にあっても、まだどこかでおばあちゃんに生きていて欲しいと自分は思っていたのかもしれない。もしくは、去年となんらかわりのない正月だったから、いつもと同じ言葉を掛けたのか。

車を停めている駐車場へ家族で向かう。風がいつもより、温かった。

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