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映画について改めて思い知ったこと

宮﨑駿監督の映画『君たちはどう生きるか』について考えたこと、調べたことを改めてまとめてみようと試みた。
結果全然まとまらず、しばらく途方に暮れた。

いつだかに似たような経験をしたなあとふと振り返ってみると、ああ思い出したくもない、最悪の結果に終わった大学の卒論を書いていた時と同じ苦しみであった。
奇しくも卒論は同じスタジオジブリ制作、監督は高畑勲氏の映画、『かぐや姫の物語』についての研究だった。
あの地獄のような研究で、「本を読みすぎて頭がおかしくなってしまった」。
ついでに「映画を観すぎて頭がおかしくなってしまった」。
それが今の私である。

物事は第一印象で決まる。というような言葉があったような気がするが、映画も然りである。
第一印象、初めて観た感想が鑑賞者にとってのすべてということがほとんどな気がする。
他人の意見や感想、批評と比べていくうちに自分の意見が固まっていくような気がするが、実は言語化できていないだけだったり、覚えていないだけで、第一印象というのは鑑賞者としての自分のすべてなのではないか。

映画とは、極論、面白いとか面白くないとかそういう単純な感じ方で十分いいはずなのだが、それを許さない考えをもっている人もいる。それは私にはとても否定できない。
なぜならそういう人もいてくれないと映画の楽しみ方が広がらないからである。

前述した高畑勲監督と、私は一度ある機会にお会いしてちょっとだけお話しさせてもらったことがある。その時、「映画はいろんな観方ができるからね」と高畑監督は私に語ってくれた。
ご本人にとっては何の気なしの語りだったとは思うが、自分は今でも覚えている。
凝り固まった一辺倒の観方ではつまらないし、ヘタすると諸問題を起こしかねない気もする。
だからこそ、たとえ、「頭がおかしくなって」しまいかけてでも考えてくれる人はいるべきだし、そういう人になりたいというのも全く否定しない。

ただ、言っておくべきだと思うのは、そういういわゆる研究だったり論考というものは、時に非常につらくしんどく疲れるものであるということである。全部が全部、年がら年中楽しい人はいないはず。

ということを今改めて思い知っている。

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