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ショートショート詩:堕ちた兄【歩行者b× ミモザ ×タケノコ コラボ】

歩行者bさんミモザさんと私タケノコがお互いにプロットを提供し合い、私はショートショート形式の詩として書き上げました。こちらは歩行者bさんのプロットを元にしたものになります。詩の後にbさんから頂いたプロットを載せてあります。
あわせてお読みください。



「おはよう」と空に声をかけると
空から弟が「おはよう」と返してくれる

私たち兄弟は海で生まれ海で育った
3歳の時まで
美しく

空に昇った我ら兄弟
そして

兄の私は空から堕ちた者
未来で罪を犯す運命にある者
私は堕ちた者

堕ちた先である少女に会った
少女は私と同じく空から堕ちた者だと告げた
少女は私を誘い
私たちはまぐわった
その後
少女は空から堕ちた者ではないと私に告げた
それが人間の信仰からのおそれなのか
それが愛というものからの呵責なのか
それが単なる揶揄いなのか
私にはわからなかった

ただ罪が残った

私はただ沈黙していた
それも罪なのか

ある日弟が地にやって来た
弟は私と寸分違わず似ていた
弟も少女に騙されまぐわい
私は弟と入れ替わった
私は弟になった

弟の私は空に昇った
空で私は暮らしている

兄は空から堕ちた者
罪を犯す運命にある者
兄は堕ちた者

私たちは堕ちた者




歩行者bさんのプロット↓

空に向かって「おはよう」と声をかけると、しばらくして「おはよう」と返ってくる。空には弟が住んでいる。
私たち兄弟は海で生まれ、海で育った。と言ってもほんの3才くらいまで。私たちが空に上げられて、しばらくすると未来の僕が犯した罪によって、僕だけ地上に下された。僕は毎日慎ましく暮らしている。この未来ののどこで僕が罪を犯すのか全くわからない。
僕はCという少女に出会った。彼女には家がなかったので、私の家に住まわせた。彼女は普通の人間で、毎日何某かの罪を犯した。僕はそれを黙ってみていた。
やがて僕にそっくりな弟が地上に降りてきて、僕たちは入れ替わった。僕は弟として、今も空に暮らしている。

歩行者bさん、ありがとうございます❗️

そして歩行者bさんが私のプロットを基に書かれた作品がこちら!↓


ミモザさんとのコラボ作品↓

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