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最近の読書記録

2/13
中学生の質問箱 戦争するってどんなこと?(著:C・ダグラス・ラミス)
読了。

読んで衝撃。ショックで打ちのめされたと同時に深い感銘を受けた。自分の無知を思い知らされた。

戦争に行きたくない、巻き込まれたくない、国に戦争を起こしてほしくない。つまり、「軍隊を持ったほうがいい」という考え方は、「軍隊を持ったほうが戦争が起こらないし現実的に安全」という考えです。
もし、ほんとうにそうだったら、ぼくも賛成します。
ところが、現実はほんとうにそうなのか?という問題があります。
(中略)
20世紀が終わったら、どんな結果がでたでしょう。
20世紀は人類の歴史のなかで、もっとも多くの人が暴力によって殺された100年間でした。膨大な数の人が殺されましたが、そのなかでいちばん多かったのは国家に殺された人たちです。国家には人を殺す「権利」がありますから、これは不思議ではありません。
国家には交戦権、国家が戦場で人を殺す権利があります。数えるのはむずかしいですが、この100年間に、およそ2億人が国家の暴力によって殺されたと計算している人がいます。これには内乱や、国内の戦争での犠牲者を含みます。
(中略)
だったら現実主義者になりましょう。
戦争してもいい国家は20世紀の100年間に2億の人たちを殺しました。これが現実です。国家に交戦権=人を殺す権利と人を殺す専門家である軍隊を持たせることは、現実として結構あぶないことではないでしょうか。

ほんとうの現実主義者になれば戦争でいかに世界が狂っているかわかるというのに。





2/15
父と暮せば(著:井上ひさし)
読了。

美津江 うちよりもっとえっとしあわせになってええ人たちがぎょうさんおってでした。そいじゃけえ、その人たちを押しのけて、うちがしあわせになるいうわけには行かんのです。うちがしあわせになっては、そがあな人たちに申し訳が立たんのですけえ。

愛する者たちを原爆で殺され、生き残った者は恋愛からも身を引こうとする。そんな美津江の「応援団長」をかって出る父、竹造はこの世の人ではない。
竹造、つまり生きている死者との交流が美津江を励まし、生き残った者は真の生を取り戻していく。
こう書くと大層で重く湿っぽい話に聞こえるかもしれないが、しかし非常に手軽に気楽にカラッと読める。これが井上ひさし先生のすごいところである。膨大な資料、調査から生まれるこの気楽さはなんだろうか。

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